「英語公用語化企業」社員に聞いた!現場の処世術☆留学経験ナシでも英語で仕事はできる!#10

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2020/12/17

英語を第二言語として学ぶ方にとって"効果的な英語勉強法"や"ビジネスで絶対使えるフレーズ"などを保呂田先生が紹介する【留学経験ナシでも英語で仕事はできる!】シリーズ。第10回目は、『英語公用語化』を実際に導入している某社社員に聞いた気になる現場の"実態"と、生き残るための"処世術"をご紹介します。

「英語公用語化」は、本当に他人事?

今これをご覧になっている方の多くは、「自分には英語公用語化は関係ない」と思いつつも、少し興味がある方々だと思いますが、興味をお持ちになって正解です!今や企業はビジネスをどんどん海外展開する時代ですから、自分にそのつもりはなくても、ある時から会社で海外との取引が始まっていた、なんてことは珍しくないのです。

もし、明日からあなたの会社で英語公用語化が宣言されてしまったら、どうしますか?行きたい会社が英語公用語化を導入していたら、どうしますか?

まるで脅しのようになってしまいましたが(笑)、実は過剰な心配は必要ありません!
英会話習得ってそんな簡単なことではありませんから、「そうはいっても現場にまで英語公用語化が浸透しているとは思えない」と思った私は、英語公用語化を導入している某社社員に「実際、現場にもちゃんと浸透しているの?」という質問をぶつけてみました。

そこで返ってきたのは「実際、公用語としては、なかなか浸透していないですね」という衝撃の一言!そう、現場レベルでは、そもそも英語を話せる人材として採用された人でない限り、なかなか日常的に英語を使いこなせていないのが現実。"どうしてもの時だけ英語を使う"という術を使って乗り切っているようなのです。

今回は、英語公用語化企業の現役社員に聞いた「英語を最小限だけ使って生き抜く処世術」をご紹介したいと思います。

どうしても英語を使わないといけないシーンはこの4つ!

( 1 )《全体会議》〜どうしても会議で英語を話さなければいけなくなった時の対処法

ビジネスでは不可欠な「会議」は、英語で行う必要があるそう。英語で会議なんて無理...と思われるかもしれませんが、ご安心ください。実際、本当に英語で行わないといけないのは"全体会議"のみで、チーム会議などの 小規模なものは日本語で行われる場合が多いそうなのです!

基本的に小規模な会議ほどスモールトーク(会議中の雑談)やアドリブをきかせる必要があり大変です。逆に全体会議は、参加人数も多く形式的な場合が多いので、"事前に用意した原稿をそのまま読めば良いパターン"に持ち込めます。そう、全体会議だけであれば乗り切れるんです!

スバリ、英語で全体会議のスピーカーを務めねばならなくなった時の対処法はこの4つ!

  1. a. "スモールトーク"や"質問"は避ける方向にもっていくべし!
  2. b. 会議で話す内容は事前に原稿を用意して読みあげ、読みあげ後は"時間稼ぎ"をすべし!
  3. c. 質問されて「うっ」となった時はお決まりの"必殺フレーズ"で逃げ切るべし!
  4. d. 「もう英語で話すのはお手上げ!」となったときは"最終手段"を使うべし!

ひとつずつ、詳しく解説していきますね。

(a.) スモールトークを避ける方法

ビジネスシーンでスモールトークは重要視される場合が多いのですが、高い英語力や瞬発力を要するので、実際は冷や汗もの。全体会議の場ではできるだけボロが出ないよう、"最初から避ける"のが無難です。

そこで、会議が始まって"即座に主題にもっていく"ためのキラーフレーズをご紹介します。

【キラーフレーズ#1】
"Thank you for coming. We have very limited time today, so let me get straight to the point."
(ご参加ありがとうございます。今日は時間も非常に限られていますので、このまま本題に入ります)

これなら、スモールトークを飛ばしても「効率的でスマートな人だな」と思わせることができますよ!

(b.) 英語会議でスピーカーになった時の"時間稼ぎ"の方法

「話す内容は事前に原稿を用意して読みあげるべし!」に関しては、頑張って事前に用意し、練習するしか道はありません。頑張ってください!ただし、原稿を読む際は原稿だけに目をやり、棒読みにならないように注意!"フリ"だけでも良いので、常に目線を会議の参加者に配りながら読み進めていける練習をしましょう。

そこで!質問を求める代わりに、参加者に意見を述べてもらって"時間稼ぎ"できちゃうキラーフレーズをご紹介します。

【キラーフレーズ#2】
"I'd like to hear your thoughts. ◯◯san, where do you stand on today's topic?"
(皆さんのご意見を聞きたいです。◯◯さん、今日の議題であなたの意見や立ち位置を教えてください)

挙手を求めると「シーン...」としてしまう可能性もあるので、最初から「指名する」のがポイント。複数の人に意見を述べてもらえば、後は締めの言葉だけで"逃げ切れる"かもしれませんよ!
もちろん「質問を避けたいだけ」なんて意図は一切バレませんのでご安心を!

(c.)それでも質問されてしまって「うっ...」となった時の"必殺フレーズ"

上記b.では「"時間稼ぎ"しましょう」とお話ししましたが、思い通りにいかないことももちろんあります。「容赦なく質問してくる人もいて、結局答えられずに、かっこ悪く終わっちゃうこともありますね」という現場の声も。

こんな時はどうしましょう?
まず、答えられそうなものは自力で答えます。それでも答えられそうになかったら?...パニックになって思わず言葉を失ったり、"I'm sorry, I can't answer your question."とか"I don't know."とか言ってしまうとチョットかっこ悪い!

そこで!質問されてしまったけど全然わからなくて答えられない時に、そんな様子はみじんも見せずにやり過ごせるキラーフレーズをご紹介します。

【キラーフレーズ#3】
"Wow...that's a good question. Let me find out for you."
(おぉ、良い質問ですね。一度ちゃんと考えさせてください)

本当は「わからなくて答えられない」だけでも「良い質問だから、今即席で答えるわけにはいかない」というポジティブなニュアンスに変えることができます。「うっ...」となる質問をされたときは、何はともあれ"That's a good question. "で乗り切りましょう!

(d.) 「もう英語で話すのはお手上げ!」となったときの"最終手段"

一方、「もう英語で話すのはお手上げ!」となってしまうことも当然あり得ますよね。

そんな時、英語公用語化の世界での処世術をしっかり身につけた皆さんの"最終手段"であるこんなキラーフレーズをご紹介します。

【キラーフレーズ#4】
"Let me speak in Japanese because what I'm going to talk about next is really important."
(次にお話しすることは本当に重要なので、日本語でお話しします)

"Let me..."というと「〜させてください」と許可を求めているイメージが強いと思いますが、ネイティブ的感覚ではそうではなく"I'm going to"=「〜します」のニュアンスで使います!

・関連コンテンツ:英語会議をカッコよくリードするキラーフレーズ9選☆

( 2 )《社内メール》〜本では教えてくれない「社内メール」の"ちょうど良い"書き方

英語を使わないといけない"どうしてもの時"の2つ目は「社内メール」です。
現場では、「個人間のやり取りはほぼ日本語で行っている」人も多いそうなので一安心。しかし、プロジェクトチーム間などのフォーマルなメールは英語でやり取りする必要があるとのこと。メールならなんとか...なりそうですよね?

とはいえ、「ビジネスメールの書き方」などと本で紹介されている例文の多くは、"クライアント向け"のものです。"社内メール"での「件名」、「書き出し」、「結び」の"ちょうど良い"書き方がよくわからないという方のために、「社内メール」で使える便利なテンプレートをご紹介します。
「フォーマルになりすぎず、おさえるところはおさえる」が"ちょうど良い"社内メールのポイントです。

【キラーフレーズ#5】 件名
◆「〜のお願い」:Request for〜 Request for correction to the report.(レポート訂正のお願い)等
◆「打ち合わせのお願い」:Invitation to〜 Invitation to an internal meeting of a new product.
(新商品に関する内部ミーティグ出席のお願い)
◆「〜についての質問」:Inquiry about〜 Inquiry about a new product.(新商品に関する質問)
◆「〜のご連絡」:Notification of〜 Notification of change of the next meeting schedule.
(次回ミーティング日程の変更のご連絡)
書き出し
◆「お疲れ様です」 Hi ◯◯-san, Hello ◯◯-san, Hi all / everyone,
◆「取り急ぎご連絡まで」:I just wanted to〜 I just wanted to thank you for taking time to discuss this.
(本件について話す時間をとっていただき有難うございました。取り急ぎお礼まで)
◆「〜についてメールします」:I am writing this e-mail to〜 I'm writing this e-mail to ask some questions about what we discussed yesterday.
(昨日話した内容について質問がありメールしています)
結び
◆「急ぎではありませんがお手すきの際ご対応ください」 It is no rush but please do it when you have time.
◆「よろしくお願いします」(お願いをした時) Thank you in advance.
◆社内メールでも適度にカジュアルでちょうど良いRegards, Best, をつけましょう。

『メールならなんとかなりそう』と思った方も少なくないと思います。実際、現場でも「英語力のせいで仕事まで過小評価されそうな相手の場合などは特に、極力メールでのコミュニケーションに切り替え、まずはメールでベースとなる考え方をシェアする」という立派な処世術を駆使されているよう。

とはいえ、どうやってメールのコミュニケーションに切り替えれば良いの?と思われた方のために、"成功率ほぼ100%"というキラーフレーズをご紹介します。

"I'm able to explain myself better in a written communication than by speaking. So, I'd like to discuss it via email first not to miss any important information."
(話すよりも書いた方がうまく言いたいことを表現できるので、重要な情報を取りこぼさないためにも本件についてはまずはメールでやりとりさせてください)

成功率ほぼ100%の理由として、「英語の公用語化で戸惑っているのは上司も同じなので、むしろ喜んで受け入れてくれるパターンが多い」ともコッソリ教えてもらいました(笑)。

関連コンテンツ:これは使える!ビジネスで便利な英語メールテンプレート5選☆

( 3 )《社内プレゼン》〜某アナウンサーが実行する"緊張しない秘訣"?!

英語を使わないといけない"どうしてもの時"の3つ目は「社内プレゼンテーション」です。
現場でも、プレゼン機会がさほど頻繁にあるわけではないそうですが、いざその時には英語で行う必要があるそう。日本語でも苦手意識をお持ちの方は多いですよね。プレゼンはとにかく"無駄を省いてシンプルに!"が鉄則です。英語でのプレゼンは日本語のときほどの完成度を求められませんから、『型』さえおさえてしまえば、意外とこなせてしまうものです。

プレゼンの『型』については「8ステップとフレーズで攻略!英語プレゼンの型☆」で詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください!

ちなみに、以前某アナウンサーの方のプレゼンを聞いたことがあり、「さすが」という感じだったのですが、プレゼンの緊張を和らげる秘訣は「何人かの人の目を順々に見つめながら話し、うなずかせること」とおっしゃっていました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

( 4 )《議事録》〜日本人が知らなさすぎる"議事録"の本当の意味とは?

英語を使わないといけない"どうしてもの時"のラストは「議事録」です。
日本では"形だけのもの"として、うまく活用されていないことが多い議事録。小規模の会議などではとられないパターンが多く、英語で議事録をとるのはもっぱら"全体会議"だそうで、「いきなり書記になったときは何をどう書いたらいいか困る」というのが現場の声のよう。

海外では"合理的"と言いましょうか、ちょっと"ずるい"とでも言いましょうか、「誰がこう言った、ああ言った」というのを明確にし、後から自分に責任を押し付けられないよう"保身"するためサクッとシェアするのが当たり前なんです。
なので、逆に他の人が作った議事録をチェックするときは、「自分に責任が押し付けられていないか?」「何か自分が起こすべきアクションはあるか?」等に着目し、疑問点や異議があれば必ずコメントするのが鉄則ですよ。

そこで、"形だけ"にならない「英文議事録」の便利なフォーマットをご紹介します。 こちらからダウンロードして、普段から練習すれば英語の勉強にもなり、いざというときに役に立ちますよ!

英文議事録フォーマットのダウンロード※各項目に、注意事項としてコメントが入っていますので、コメントを削除してご利用ください。コメント削除方法はマイクロソフトのページをご覧ください。

「みんなに見られるからボロボロな英語は書けないし、けっこうハードル高い」と思われるかもしれませんが、ご安心ください!必要な項目は決まっているので、それに従って"シンプル"に書いていけば"ボロボロ"には見えません!



いかがでしたか?『英語公用語化』されても実際なんとかなりそうだな、と思っていただけたなら幸いです!とはいえ、これからは英語でビジネスができる人ほど市場価値が高い世の中になっていくことに変わりはありません。"処世術"を駆使しつつも、英語を公用語としている社員の方々に負けじと、実践的な英語力を身につけていかれることをオススメします!

Have fun!

☆留学経験ナシでも英語で仕事はできる!シリーズ
#1 ネイティブ風に聞こえる便利な"こなれニュアンス"とは!?
#2 ネイティブの会話が聞こえない本当の理由とは!?
#3 話せない苦しみを越えた人だけが知るアウトプット方法とは?
#4 【発表!】ビジネスで使いまわせる便利な動詞トップ5
#5 【クイズ】ビジネスで間違いがちな英語(社内編)
#6 【クイズ】ビジネスで間違いがちな英語(取引先編)
#7 英語会議をカッコよくリードするキラーフレーズ9選
#8 ビジネスで便利な英語メールテンプレート5選
#9 8ステップとフレーズで攻略!英語プレゼンの型
#10 「英語公用語化企業」社員に聞いた!現場社員の処世術☆
#11 そのまま使える!英文履歴書テンプレート【営業職編】

*本記事は2018年3月15日に公開した内容を再編集して掲載しております。

ライタープロフィール

DeLQ it. LLC [デルクイ] CEO 兼 CFO
保呂田 友里

慶應義塾大学・大学院卒。国際会計事務所にて外資系事業会社のアカウンティング業務に従事。現在は、DeLQ it.[デルクイ]経営者として “書く”オンライン英会話「Oh! Native English」を運営。「WEB女性自身」「レアジョブEnglish Lab」「アビタス」「キンジロー」などコラム実績多数。その他、講演会登壇、企業研修、英語レッスンなども行うアラサー女子。

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