【クイズ】ビジネスで間違いがちな英語(取引先編)☆留学経験ナシでも英語で仕事はできる!#6
英語を第二言語として学ぶ方にとって"効果的な英語勉強法"や"ビジネスで絶対使えるフレーズ"などを保呂田先生が紹介する【留学経験ナシでも英語で仕事はできる!】シリーズ。第6回目は、私たち日本人がつい間違いがちな英語フレーズの後編クイズ。「取引先編」の7問にぜひチャレンジしてみてください!
取引先との英語は大丈夫?日本人がよく間違える英語クイズに挑戦!
前回の「社内編」クイズは、いかがでしたか?今回は、さらにレベルアップして取引先との英語フレーズにまつわるクイズです。今回も、ネイティブがよく使う表現や無意識に使い分けているニュアンスの違いをたくさん含めました!それでは、はじめていきましょう!
【レベル★★★】取引先とのやり取り編
「可能性がない交渉」の正しい終わらせ方
A. Okay, we'll consider it.
B. We must decline your proposal.
日本では、その場ではっきり断らず「検討いたします」という言葉をもって"暗に断る"文化がありますよね。それと同じ感覚でA. "Okay, we'll consider it."と言ってしまうと、「お、イケるかもしれない!」と逆に相手に期待をさせてしまいます。なぜなら、"consider"という単語には、「ちゃんと検討して回答する」という意味があるからです。ここに日本の文化を適用してしまうと大きな誤解が生じます!
グローバルなビジネスシーンでは「可能性がないとき」は"decline" (辞退する、断る)を使いB. "We must decline your proposal."とはっきりと断る必要があります。
よってBが正解です。
「新商品は本当にユニークで素晴らしいですね」
A. The new product is really unique and wonderful.
B. The new product is very unique and wonderful.
「とても、すごく、本当に」というとき、日本人が迷わず思い浮かべるのが"very"ですが、実はこの"very"はすべての形容詞に使えるわけではありません。
例えばこれらの形容詞は、それだけで「特別に、とても」という強調の意味をもつので、"very"や"extremely"(極めて・非常に)で強調することはできないのです。
- "delicious"(おいしい)、"wonderful"(すばらしい)、"huge"(巨大な)、"terrible"(恐ろしくひどい)、"unique"(個性的な)などの形容詞
これらの形容詞を強調したいときは、"really, completely, absolutely, pretty"などを使って"very"の意味を表します。よって"unique"や"wonderful"という形容詞を含む本問はA. "really"で強調します。
よってAが正解です。
「今度のプロジェクトのために資金を集める必要があります」
A. We need to raise funds for the upcoming project.
B. We need to raise fund for the upcoming project.
何気なく使うことの多い"fund"ですが、"s"がつくかどうかで意味が違うので注意が必要です。
単数形の"fund"の場合、特定の目的で集められた「基金」という意味になります。例えば、東日本大震災の復興支援ファンドなどといったイメージです。
一方、複数形で"funds"というと「資金」という意味になります。本問は、fundを「資金」という意味で使っているので、複数形にしましょう。
よってAが正解です。
「契約条件をレビューしていただけますか?」
A. Could you go through the term of a contract?
B. Could you go through terms of a contract?
"term"という単語はビジネスでよく使いますが、"s"がつくかどうかで意味が全然違ってきます。
単数形のA. "term"を使った場合、「契約期間についてレビューしていただけますか?」となります。一方、本問のように「契約条件」という意味を表したいときは複数形の"terms"を使います。たかが"s"ひとつの違いですが、侮れませんよね!
よってBが正解です。
「きちんと取引の本質を考えましょう」
A. Let's think carefully about the nature of our deal.
B. Let's think carefully about nature of our deal.
"Nature"といえばまず思いつくのが「自然」という意味だと思いますが、その他にも「性質、本質」という意味があります。ビジネスシーンではこっちの意味の方がよっぽど使用頻度が高いですが、「性質、本質」という意味で使うときは冠詞"the"をつけA. "the nature"という必要があります。一方、「自然」の意味で使うときは、原則無冠詞です。
よってAが正解です。
「大変申し訳ないのですが、御社との契約を(自分の意思ではなく外部要因によって)終了せざるを得ません」
A. I'm afraid we must terminate a contract with your company.
B. I'm afraid we'll have to terminate a contract with your company.
Aの"must"は、「自分の意思、決定で何かをせざるを得ない」というときに使います。
一方、「環境変化などの外部要因によって何かをせざるを得ない」と言いたいときはBの"have to" を使います。"have to"を使うことで、「自分の意思で決められるものではないので申し訳ない」と、もはや相手に交渉の余地を与えません。
よってBが正解です。
「承知しました、(満足はしていませんが)妥当な価格でしょう」
A. Okay, well, that sounds like a fair price.
B. Okay, well, that seems to be a fair price
"sound like"も"seem to"も「〜のようだ」という意味ですが、Aの"sound like"は喜んで受け入れているニュアンス、Bの"seem to"の場合は、「まぁ、妥当かもしれませんが...」とちょっと曖昧で不満を残したニュアンスになります。
よって、商品価格がだいたい決まりそうなものの「もうちょっとベストな価格を話し合いたいんだけどな...」と思っているときは、「妥当な価格 (= fair price)」と肯定しつつもBの"seem to"で微妙な気持ちを暗にアピールし、少しでも自社の理想とする価格に近づけられるような流れにもっていくといいでしょう!
よってBが正解です。
いかがでしたか?英語はコミュニケーションツールなので細かいニュアンスの違いなどは気にしすぎなくても良いのですが、特にビジネスの場では少しのミスが大きな誤解を生み、取引に影響する可能性があります。
「今日は、このクイズ内のポイントをおさえよう!」など、毎日目標を定め、少しずつでも着実に"使える"英語表現を増やしていくことが、英会話習得の何よりもの近道です!
Have fun!
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*本記事は2017年10月19日に公開した内容を再編集して掲載しております。
ライタープロフィール
DeLQ it. LLC [デルクイ] CEO 兼 CFO
保呂田 友里
慶應義塾大学・大学院卒。国際会計事務所にて外資系事業会社のアカウンティング業務に従事。現在は、DeLQ it.[デルクイ]経営者として “書く”オンライン英会話「Oh! Native English」を運営。「WEB女性自身」「レアジョブEnglish Lab」「アビタス」「キンジロー」などコラム実績多数。その他、講演会登壇、企業研修、英語レッスンなども行うアラサー女子。