プロのワード活用術「文書を縦書きで作成する場合の設定方法」
※この記事は、2017年4月21日に執筆し、加筆・修正を加えたものです。
Microsoft Word(以下、ワード)を縦書きに設定したいと思っても、起動時(初期設定)は横書きとなっているため、設定方法がわからず縦書きの文書が作成できなかった、という経験はありませんか?挨拶状や書籍の原稿など、場合によっては縦書きで入力したい時もありますよね。
今回は、ワードでの縦書きの設定方法と、読みやすいように文字の向きを変更する方法、行間を調整する方法についてご説明します。
縦書きで入力できるよう設定を変更する
これからご紹介するのは、最初から縦書きで文書を作成することが決まっている場合の設定方法です。
ワードを起動すると、デフォルト(初期設定)では縦向きの用紙に横書きで文書を作成できるように設定されています。最初から縦書きの文章を作成することが決まっている場合は、以下の手順で設定を変更します。
まず、用紙を横向きに設定しましょう。[ファイル]タブを開き、[印刷]を選択し、設定の中で[縦方向]を[横方向]に設定します。
用紙が横長になりましたね。次は縦書きの設定を行ないます。
[ページレイアウト]のタブを開き、 [文字列の方向]を[縦書き]に変更します。
これで文書が縦書きに変更となりました。
縦書きに変更すると行間が気になったり、文字が揃わずにガタガタに見えたりする場合もあります。そんな状態を改善する行間やフォントの設定方法は、後半でご説明します。
横書きの文書を途中から縦書きへ変更する
あらかじめ横書きで書き進めていた文書を縦書きに変更する場合は、以下の手順で操作します。
まず、縦書きにしたい文書の範囲を選択します。その後右クリックするとポップアップメニューが現れるので、[縦書きと横書き]を選択します。
選択されている文字列の文字の向きを設定できます。右側にサンプルが表示されるので、どのように表示されるか確認可能です。列の上から下に文字が進み、右から左へと行が続く一般的な縦書きの場合は、赤枠の部分を選択すれば設定できます。
ただし、横書きの文書を縦書きに変更した場合、ページのレイアウトも変換されてしまい見栄えが変わってしまいます。そのため、画像やイラストを挿入していた場合は、必要に応じて位置やサイズを変更するなどの調整が必要になります。
横向きの半角英数字を修正する「縦中横」機能
日付や数値など、ワードで作成した縦書き文書内の半角数字やアルファベットは、初期段階では横向きに表示されます。「縦中横」機能を使用すれば、横向きの文字を見やすいように縦向きに変更することも可能です。
縦向きにしたい文字を選択し、[ホーム]タブの[拡張書式]を選択して、[縦中横]をクリックします。
「行の幅に合わせる」にチェックを入れると、行に収まるように表示されます。プレビューで変換後のイメージが確認し、問題なければ[OK]をクリックしましょう。
これで文字の向きが縦になりました。
いかがでしたか? 数字やアルファベットが縦向きになったことで、読みやすい文書ができあがりました。
縦中横機能で1つ注意したいのは、1文字1文字設定する必要があるということです。
例えば「2~3cm」という文字を選択して縦中横を設定すると、文字が行の間隔に無理やり縮小されて、かえって見づらくなってしまいます。
この場合は「2」「3」「cm」のように、1文字ずつ設定する必要があるので、注意しましょう。
テキストボックスも縦書きにできる
ワードに書かれた本文だけではなく、好きな場所に文字を挿入できる「テキストボックス」も縦書きにできます。
[挿入]タブをクリックし、[テキストボックス]を開くとポップアップメニューが開くので、「縦書きテキストボックスの描写」を選択します。
テキストボックスを挿入したい位置にマウスをドラッグすることで、テキストボックスを作成できます。
読みやすいように行間を調整しよう
文書を縦書きにした後は、行間が狭くて読みづらい場合があります。そのような場合は、行間の設定を変更しましょう。
[ファイル]タブをクリックし、[印刷]メニューの中の、[ページ設定]をクリックします。
[行数と文字数の指定]の中の、[標準の文字数を使う]にチェックを入れましょう。
行間が適度に広くなり、読みやすくなりました。
さらにツールバーの[段落]内にある[行と段落の間隔]のボタンをクリックすれば、お好みの行間を設定できます。
細かく設定したい場合は、[行間のオプション]をクリックし、[間隔]の[行間]の部分に任意の値を入力することで調整可能です。
縦方向に文字を揃える(等幅フォント)
縦書きにすると、文字の位置が揃わず、見づらい場合があります。
例えば上図の場合、赤線部の「ん」と「ワ」という文字がずれている文書になっています。こうした文字のズレは、フォントの設定方法を知っていれば直せます。
フォントを「MSゴシック」に変更してみましょう。
先ほどと異なり、文字の位置が揃うことで見た目にも美しい文書ができました。
等幅フォントとプロポーショナルフォントの違い
フォントには、大きく分けて「等幅フォント(固定幅フォント)」と「プロポーショナルフォント」の2つが存在します。
等幅フォントは文字の横幅がすべて同じで、文章を作成する時に文字の大きさにばらつきが少ないので、文字のズレを防げます。
代表的な等幅フォントには、「MS 明朝」「MS ゴシック」などが挙げられます。
一方、プロポーショナルフォントは文字によって幅が異なるフォントを指します。適切な幅で文字が表示されることによって、1文字1文字の見た目が良くなり、文字が読みやすいのが特徴です。
しかし、他の行と見比べると文字の位置がずれてしまい、文書全体として見づらくなる傾向があります。
「MS P明朝」「MS P ゴシック」など、フォント名に「P」がついているものが、プロポーショナルフォントです。
等幅フォント | プロポーショナルフォント | |
---|---|---|
特徴 | 文字の横幅が同じ | 文字の横幅がそれぞれ異なる |
メリット | 文字の位置が揃い、文書全体の見た目が良い | 文字に合わせた幅となるので、バランスが良く読みやすい |
デメリット | 文字の幅を縮小するので、文字が見づらい、バランスが悪くなる場合もある | 文字の位置が他の行とずれるため、文書全体の見た目が悪くなることがある |
代表的な フォント |
MS 明朝、MS ゴシック | MS P 明朝、MS P ゴシック |
以上のような特徴があります。それぞれメリット・デメリットがあるので、必要に応じて使い分けましょう。
普段の仕事で作成する文書は横書きが中心かと思いますが、退職届などは縦書きが基本です(参考:マナーを確認!退職届と退職願の違いと書き方を知って、円満退社しよう【テンプレート付】)。
また、新聞や書籍などの読み物は縦書きが主流となっています。
ワードで縦書き、横書きの両方の設定方法を知っていれば、作成する内容に合わせて文書をレイアウトできます。
さらに行間の設定方法やフォントの特徴、設定方法の知識を活用すれば、見た目も良く、読みやすい文書をつくることができます。
文書作成のスキルの幅を広げるためにも、ぜひ今回のテクニックをマスターしてください。
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キャリアHUB編集部