プロのワード活用術「アウトラインを使った「目次」の作成と設定」

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2016/11/28

Microsoft Word(以下、ワード)の目次作成機能は、後から文書のタイトルや順序に変更があっても、目次に反映することができる優れもの。特に論文や説明書など、全体の流れや構成が大切な、長い文書を整理するのに役立ちます。
また、目次には読み手を安心させる効果があります。 あらすじや先行きが不明なままの報告書や提案書よりも、目次のある書類なら、最初に資料の内容や流れについて知ることができるからです。

目次作成の前に ~アウトラインで文書を整理しよう~

ワードの機能を使うと目次を自動的に作成することができますが、それには文書を整理する事前の準備が必要です。 文書の整理には「アウトライン」機能を利用します。文書に、「見出し」「本文」など内容に合わせたレベルを設定することで、後から「目次」を簡単に設定できるようになります。

アウトライン表示の記号の種類

アウトラインとは、文書のレベルに応じて見出しのスタイルを階層的に設定・表示したものです。 文書の表示を「アウトライン」に切り替えてみると、文書の構成が確認しやすくなり、編集作業に便利です。

アウトライン表示への切り替え方

アウトライン表示では、段落ごとに「見出し」と「本文」に分類され、段落の左に表示される記号によって、段落がいずれのものなのかを判別することができます。 文書の表示を「アウトライン」へ切り替えるには、表示タブをクリックし、画面左の「文書の表示」の中から「アウトライン」をクリックします。

アウトライン表示の記号の種類

上図①の丸にプラスの記号は「本文もしくは下位の見出しを持つ見出し」を表します。
上図②の丸に囲まれたマイナスは、「本文も下位の見出しも持たない見出し」を意味します。
上図③の●は本文を意味します。

アウトライン タブのボタン

アウトライン表示に切り替えると、「アウトライン」タブが表示されます。各ボタンで、レベルの上げ下げなどの操作ができるようになります。 見出しのレベルは9段階あり、そのうち目次に反映されるレベルは「見出し1~3」までです。
それでは実際に文章のレベルを設定してみましょう。 「アウトライン」タブのプルダウンでレベルを選択する、もしくは矢印マークをクリックすることでレベルを調整することができます。

上図ではレベル3だった「①キャリアアップ措置」という項目を、矢印をクリックしてレベル4に設定した例です。 またプルダウンによって見出しを本文に変更したり、本文を見出しに設定したりすることもできます。

上図の例は、「①キャリアアップ措置」を、プルダウンで本文に設定した例です。 アウトライン記号が本文に変更になっていることがわかります。

ナビゲーションウィンドウと見出しボタン、見出し機能

アウトライン機能を使って、文書を階層構造で扱えるようになりました。これと併せて使うと便利なのが「ナビゲーションウィンドウ」です。ナビゲーションウィンドウでは、本文と同時に文書全体の階層構造を表示させることができるので、選択したレベルの文書を表示することや、レベル単位での文書の入れ替えなどが可能となります。 次はこのナビゲーションウィンドウ機能についてご紹介します。

ナビゲーションウィンドウの表示のさせ方

ナビゲーションウィンドウは「表示」タブをクリックし、「ナビゲーションウィンドウ」の項目にチェックを入れることで表示させることができます。

画面の左端に表示されているのがナビゲーションウィンドウです。 文書の階層構造が一覧として表示されています。

見出しをクリックすると対象の階層へジャンプできる

ナビゲーションウィンドウの見出しをクリックすることで、その階層まで表示を移動させることができます。

上図ではアウトラインウィンドウで「まとめ」(最後の見出し)をクリックしたことによって、ウィンドウの表示も「まとめ」に移動できた例です。 わざわざスクロールする必要がないので、作業効率もアップします。

見出しレベル単位で文章を移動できる

ナビゲーションウィンドウを利用することにより、見出しレベル単位で文書の移動を行うことができます。 こちらも操作はとても簡単です。 移動したい見出しをドラッグ&ドロップするだけです。

上図の例は「まとめ」を文書の最初へ持ってきた例です。 通常ですと「まとめ」の本文をカット&ペーストして冒頭に持っていくという作業が発生しますが、ナビゲーションウィンドウを使うことによって、そうした手間も省けるのです。

目次を作るには、文書を整理する必要があることが分かりました。 アウトラインを意識した文書を作成する習慣をつけておけば、報告書などを素早く見やすい体裁で作成することができます。

目次を作ろう!

目次を作るための準備が整いました。 見出しやアウトラインレベルを設定しておくと、それらの階層をピックアップして自動的に目次を作成することができます。目次の作成方法と、目次からページへ移動する方法をご紹介します。

目次スタイル

ワードにはあらかじめ目次のスタイルが用意されています。「参考資料」タブの「目次」をクリックすると表示されるダイアログボックスで、文書に挿入される目次のイメージを確認しながら、スタイルを変更して挿入できます。

文書に挿入された目次は、「フィールド」として挿入されたことになり、文書に新しく見出しが追加されたり、既存の見出しの文字列やページ番号が変更されたりしても、簡単な操作で変更を反映できます。

目次を作成する

では実際に目次を作成してみましょう。 目次を挿入する位置にカーソルを移動して、「目次」ダイアログボックスを開いて、好みの目次スタイルを選択することで目次を作成することができます。

(本文にいれた目次)

今回は文書の最初へ目次を挿入するため、目次を入れたい場所へカーソルを選択させてから、「自動作成の目次1」のスタイルの目次を作成しました。

目次からのリンクとジャンプ

前述のようなスタイルを活用して作成した目次なら、見出しの上で「Ctrlキー」を押しながらカーソルを合わせると、マウスポインターの形が指のイラストに変わります。そこでクリックすると、該当の内容へジャンプします。

(本文)

目次で「②労働者派遣の期間制限の見直し」を、Ctrlキーを押しながらクリックしたことで、「②労働者派遣の期間制限の見直し」の見出しのページにジャンプしました。

目次の更新

目次を作成した後に、本文中の見出しやページの追加・挿入・削除をした場合は、その変更を目次の内容やページ番号に反映させましょう。目次にはページ番号が表示されます。 ワードは、表紙や目次以外のページに、きちんとページ番号を設定してくれます。
ページ番号を設定するには、プロのワード活用術「ページ番号」の設定法・書式設定』をご参照ください

更新手順の説明

本文の内容を変更したら目次も更新しましょう。 更新方法も簡単ですのでご紹介します。 今回は「まとめ」という見出しを「最後に」へ変更したというケースを例として解説します。

一番下の「まとめ」という見出し名を「最後に」に変更したら、目次も変更します。 「参考資料」タブの「目次の更新」ボタンをクリックしてください。

次に、ダイアログボックスで「ページ番号だけを更新する」と「目次をすべて更新する」のいずれかを選択できます。 今回は内容を変更しているので、「目次をすべて更新する」を選択し、OKをクリックすると目次が更新されます。
※目次を直接編集しても、目次を更新すると変更内容が失われてしまいます。目次の更新は、文書に対して行う最後の操作として実行しましょう。 


いかがでしたか? これまで手作業で目次を作っていた方や、「手間がかかりそう......」と目次の作成を敬遠していた方もいらっしゃるかと思います。 しかし、今回ご紹介したようにワードでは簡単に目次を作ることができます。 ぜひこの手順で目次作成にトライしてみてください。目次があると、作成する書類のレベルがワンランクアップしますよ。

キャリアHUB編集部

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