絶対受かる、紹介予定派遣!面接成功のポイント&質問対策集
自分に合った企業に納得して入社できる就職スタイルとして人気の「紹介予定派遣」。一般の派遣との違いは、正社員・契約社員などの直接雇用前提のため、就業前に必ず「面接」があることです。
紹介予定派遣を検討中の方、面接を控えている方に向けて、紹介予定派遣の面接当日の流れ・ポイントとよくある質問を、キャリアコンサルタントがわかりやすく解説します。
「紹介予定派遣」面接当日の流れとポイント
紹介予定派遣での面接がどのようなものなのか、みてみましょう。
紹介予定派遣の面接と、正社員の採用面接の違いは?
紹介予定派遣の面接は、基本的に集団面接はありません。面接官は、人事担当者や現場担当者など、企業によって異なります。今後どのようなポジションで働くことが期待されているかにもよるでしょう。また、派遣会社の営業担当が面接に立ち会うかどうかは企業によりますが、立ち会わない時は、企業への同行まで行います。
一般的な採用面接では面接結果が「最終結果」となりますが、紹介予定派遣の場合は「直接雇用のラインまでは到達していないレベル」でも採用の可能性があります。ポテンシャルを見た上での採用も多く、「一旦、派遣での働き方をみて判断したい」ということで、人柄ややる気なども評価されることがあるようです。
なお、紹介予定派遣も正社員採用と同様に、筆記試験があります(SPI、性格診断テスト、漢字書き取り・読み取り、計算問題、時事問題など)。また面接時でなく、派遣期間終了直前の最終的な採用を判断する時に実施されることもあります。市販の問題集でどのような内容か確認しておくとよいでしょう。
面接の流れ
紹介予定派遣の面接当日の流れについて、ステップごとにご紹介します。なお、派遣会社や企業によって、流れや内容は異なります。
1.面接日時の確定
企業での書類選考を通過したら、派遣会社から面接日時の連絡が入ります。当日の持ち物・服装や、面接のポイント、派遣会社の担当者との待ち合わせ場所、同席の有無を聞いておきましょう。
2.企業のホームページを確認し、面接準備
履歴書記入時に考えてあるはずですが、改めてホームページを閲覧し、事業内容や企業理念、応募する職種の業務内容を確認して、志望動機を固めておきましょう。ニュースリリースなどで直近の動きをチェックしたり、同業他社と比較してみたりして企業理解を深めます。
3.当日の面接開始前に、派遣会社と最終打合せ
面接のポイントや流れ、気になっている点を派遣会社の担当者に確認します。時間があれば、派遣会社の担当者を相手に軽く面接の練習をすると、リラックスして臨めます
4.面接
一般の採用面接でも同じことですが、まずは聞かれたことに対し結論を簡潔に答え、それから具体例や理由などを付け加えます。全て伝えきりたい、と暗記した答えを一気に言おうとすると、話が長くなったり、質問に対して的外れな回答になったりすることがあります。面接は会話のキャッチボールです。早口になりすぎないよう、面接官の相槌を受けて話を続けるくらいがちょうどよいでしょう。
マナーとして、入退室時の立ち居振る舞い、書類の渡し方、言葉遣い、表情にも気を配りましょう。落ち着いた丁寧な所作を心がけ、まっすぐ相手を見るようにすると、好印象となります。
5.派遣会社より合否結果の連絡(約1週間以内)
合格の場合は最終の意思確認があるため、それまでに自分の意思を決めておきます。辞退する場合には、明確な理由を派遣会社へ伝えましょう。
紹介予定派遣の面接で、よくある質問とその対応(対策集)
面接で聞かれることの多い質問と、その考え方、対応についてご説明します。ご自身の経歴を振り返り、頭の中を整理しておきましょう。
よく聞かれる質問への回答対策
以下は、どの企業でも面接で聞かれることの多い質問と回答のポイントです。自分なりの回答を考えておいてください。
Q:これまでの職務経歴を説明してください
新卒以外の方は、ほぼ全員が聞かれる質問です。時系列、あるいは職務内容でまとめて、時期と勤務先名、業種や職務内容について答えます。短期や単発アルバイトなど期間の短い職歴は、細かく述べなくても大丈夫です。今回応募した業務に関係ありそうなこと、役立ちそうなことはしっかりアピールしましょう。
Q:志望動機は?
なぜその業種、企業、職種を選んで応募したかという理由と、その場所で自分の能力や経験、スキルがいかに貢献できるかを伝えます。社風や福利厚生に関する動機よりも、本業や業務内容について、まずは述べましょう。
Q:あなたの長所、短所は?
長所と短所は表裏一体です。短所も、見方によっては長所になりえるものを用意するとよいでしょう。具体的なエピソードも添えられるようにします。
Q:当社のことをご存知でしたか?当社に対してどのようなイメージがありますか?
派遣会社に紹介されて初めて知った場合でも、「もともとこういった仕事/業界に興味があり」「御社のことをできる限り勉強させていただき、今はこう思っております」というように、前向きに答えます。自分が興味を持った分野、企業の主力商品・サービスやイメージを、自分の言葉で説明しましょう。
Q:何か質問はありますか?
「中途採用者の研修はどういう内容ですか?」など、入社後の自分の姿をイメージした質問で、積極的な姿勢を伝えましょう。経験がある職種での業務内容については、具体的に聞いて構いません。もし質問が浮かばない場合、「今のところはありませんが、ご縁があってお世話になった際にはいろいろ教えていただくかと思いますのでよろしくお願いいたします」と答えるのも一つです。
逆質問に関しては、下記のコンテンツでもご紹介しています。ぜひご活用ください。
・印象に残る面接での「逆質問」のサンプル10選
答えにくい質問への回答対策
これまでの人生や諸事情をふまえた回答が必要な質問への、印象の良い答え方を考えてみましょう。
Q:退職理由を教えてください
基本的には正直に答えていきますが、例えば「体調を崩して」「家族の事情で」という場合は差し支えない範囲でよいでしょう。人間関係、給与水準など不満があって辞めた場合は、入社後に同様の状態になるのかという不安を抱かせないよう、他の理由を答えるようにしましょう。
Q:仕事のブランク期間は、どのように過ごしていましたか?
必要以上に盛りすぎる必要はありませんが、ただ単にぶらぶらのんびり過ごしていたのではなくスキルアップなどの目的に向かって努力していた旨を説明します。
Q:これまで、短期派遣(転職回数)が多かったようですが?
企業は、将来的に正社員として雇う人材には腰を据えて働いてほしいものです。「今までは家庭の都合もあり、その時の条件に合った仕事をしてきましたが、この度はしっかりスキルを身に着け、御社に長く貢献したいと思います」というように、これまでとは意気込みが違うということを伝えましょう。
Q:紹介予定派遣を選んだ理由を教えてください
「仕事内容を重視して求人を探しており、今回の募集が魅力的でしたので応募いたしました」「御社に興味があり、求人をみていたところ人材会社より紹介予定派遣という形式を紹介されました」というように、雇用形態よりも企業自身や仕事内容に興味がある、という主旨が伝わると好印象です。
Q:未経験ということですが、どうして応募されたのですか?
何でも経験したい、スキルアップしたいという挑戦意欲を述べます。一般的な社会常識やビジネススキルはベースとして持っていることも伝えましょう。
Q:残業が多いですが、大丈夫ですか?
「はい」と答えた上で、これまでも勤怠はしっかりしており、自己管理能力があることをアピールするとよいでしょう。
Q:仕事での失敗経験を教えてください
ここで聞かれているのは、その失敗の原因をきちんと理解して、どう乗り越えたかということです。失敗の大小にかかわらず、また自分一人の話でもチームでの話でもよいのです。自分なりに考えた対応策を実行し、その結果をこう活かしている、というストーリーになっていれば十分です。
Q:今までのお仕事で苦労したことを教えてください
自分が「苦労して学んだこと」「苦労してスキルアップしたこと」について、何がどう大変だったのか、具体的に話します。今まで大きな失敗や苦労はしていないという方は、時間や手間がかかったことに対してどのように工夫したか、などのエピソードを伝えてみましょう。
Q:今までのお仕事で自分に一番合っていると思った(楽しかった)業務を教えてください
過去のこととはいえ守秘義務に気を付けながら、仕事の内容、時期、メンバーや成果などについて具体的に話します。応募している業務に関連性のある内容を答えると、自己PRにもつながります。
Q:ストレス発散方法はありますか?
趣味や特技など、社会人として当たり障りのない範囲で答えましょう。
いかがでしたか?紹介予定派遣は、派遣という働き方とはいえ、契約社員や正社員など直接雇用を視野に入れた就職活動の一種です。面接を通じてお互いの相性を見極め、縁のあった職場でおおいに成果を上げていきましょう。
*本記事は2017年6月8日に公開した内容を再編集して掲載しております。
ライタープロフィール
遠藤 美穂子
国家資格キャリアコンサルタント。2級キャリアコンサルティング技能士。
14年間の都市銀行勤務を経て、キャリアコンサルタントとして活動開始。ハローワークでの研修講師や、ビジネスマナー指導、大学でのキャリア教育や就職指導を担当。講演のほか、書類の添削や面接でのロールプレイングなど実践的指導も行う。国際文化会館主催の次世代リーダー育成プログラム、新渡戸国際塾一期生。2児の母。
株式会社近代マネジメント