転職すると年収が下がるって本当?年収がダウンしても「転職して良かった!」と思えるのはどんなとき?
転職を考える際の検討材料の1つとして、年収の増減が挙げられます。年収が下がってしまう転職にはどんな理由があるのでしょうか?まずはどのくらいの人が転職で年収が下がったのか、調査結果をもとに見てみましょう。あわせて、どんな場合に年収が下がるのか、年収が下がっても転職して良かったと思えるのはどんなときなのか、具体的なケースをもとに紹介します。
転職で年収が下がるって本当?
厚生労働省が実施している雇用動向調査(令和4年雇用動向調査結果)によると、令和4年に転職をした人のうち、前職より「年収が増えた」人は34.9%、「年収が減った」人は33.9%、「年収が変わらない」人は29.1%でした。年収が増えた人と減った人の割合はほぼ同じで、転職したからといって必ず年収が下がるというわけではなさそうです。
気になるのは、年収がどのくらい「増えた・減った」かです。調査結果をもう少し細かく見ると、年収が「1割以上増えた」が24.5%で「1割未満の増加だった」が10.3%、年収が「1割以上減った」が25.2%で「1割未満の減少だった」が8.7%でした。4人に1人の割合で年収が1割以上増えており、上手に転職すれば、年収の大幅アップも期待できそうです。一方、年収が「変わらない」と答えた人と、「1割未満の増加・減少」と答えた人の合計は48.1%で、約半数の人が転職しても大きく年収が変化していないことも分かります。
表 転職で年収が増えた・減った人の割合
年収が増えた | 34.9% | 1割以上増えた | 24.5% |
1割未満の増加 | 10.3% | ||
変わらない | 29.1% | 変わらない | 29.1% |
年収が減った | 33.9% | 1割未満の減少 | 8.7% |
1割以上減った | 25.2% |
令和4年雇用動向調査結果(厚生労働省)をもとに作成
転職で年収が下がるケースは?
転職で年収が下がる理由はいくつかあります。主なものについて見てみましょう。
異業種・未経験の業種に転職するケース
異業種や未経験の業種に転職すると、即戦力として期待される経験者とは異なり、未経験者の給料が低く抑えられるケースがあります。特にIT関連企業のように特別なスキルが求められる業種や介護業界、不動産業界のように資格保有者が優遇される業種では、経験者と未経験者で給料水準に差が出やすいと考えられます。
大企業から中小企業・都市部から地方の企業に転職するケース
給料の水準は中小企業より大企業のほうが、地方の企業より都市部の企業のほうが高くなる傾向があります。ただし、中小企業でも業績が好調に推移すれば、転職後に年収が増えるケースがあります。また、地方の企業に転職して年収が減っても、家賃などの生活費を安く抑えることで、使えるお金自体は変わらないケースもあります。
残業時間が少ない企業に転職するケース
基本給が同じような水準でも、残業時間が少ない企業に転職すると年収が下がります。残業時間が多い企業で働いている人や、休日出勤・深夜出勤などがある企業で働いている人は、残業時間や時間外手当について確認しておくといいでしょう。
雇用形態や給料形態が異なる企業に転職したケース
転職先の雇用形態や給料形態が変わると年収が下がるケースがあります。たとえば、長期雇用を前提に一括採用する「メンバーシップ型雇用」の場合には、特定のスキルや経験を持つ人材を採用する「ジョブ型雇用」に比べて年収が低くなりがちです。また、歩合給の割合が「高い・低い」の違いによって、年収が増えたり減ったりすることがあります。
手当や賞与(ボーナス)がもらえない・少ない企業に転職したケース
手当には役職手当や家族手当、通勤手当などさまざまな種類があり、転職によってそれまでもらっていた手当が支給されない・金額が少ないといったケースがあります。また、転職してすぐは賞与が支給されない・金額が少ないケースもあるため、一時的に年収が減ってしまうことがあります。
後悔しない!年収がダウンしても「転職して良かった!」と思えるのはどんなとき?
転職したことで年収が下がっても、次のような場合には許容範囲と捉えることができ、「転職して良かった!」と実感できるはずです。
仕事内容・職場の雰囲気に満足している
以前から希望していた職種や、働いていて楽しい・やりがいがあると感じられる仕事、雰囲気がいい職場に転職できれば、年収がダウンしても大きな不満は生じないでしょう。
勤務形態・勤務時間・福利厚生に満足している
残業時間が少ない職場や休日が多い職場、有給がしっかり取得できる職場など、労働環境や福利厚生が充実している職場は転職して良かったと感じられます。また、テレワークができるなど、働き方が多様な企業だと理想的なワークライフバランスを手にすることができるでしょう。これは収入には代えられない価値といえます。
スキルを習得できて満足している
働きながらスキルを身に付けることができる職場や、研修制度や資格取得支援制度が充実している職場は、自身の価値を高められるため満足度が高まります。取得したスキルを活かして再度転職をすることで、年収アップを目指すことも可能です。
なるべく年収ダウンを防ぐには?
転職したからといって、必ず年収ダウンするわけではありません。キャリアを活かせる企業や業績が好調な企業の中から転職先を探せば、年収アップも可能です。ランスタッドの転職エージェントを活用すれば年収ダウンを回避しつつ、希望する職種や働き方ができる企業に転職できる可能性が高まります。まずは気軽にご相談ください。また、早期の再就職を促すための「再就職手当」もありますので、転職を考えている人はチェックしておくといいでしょう。