有給休暇を消化し切れない!残ったら買い取りしてもらえる?

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2022/08/24

有給休暇を利用してリフレッシュしていますか? 有給休暇が残っていても、業務が忙しくて休めなかったり、職場が有給休暇を取りづらい雰囲気だったりして、なかなか消化できないこともあるようです。

もし転職や退職が決まった時、使い切れなかった有給休暇はどうなるのでしょうか。有給休暇を有効活用するために知っておきたいことを、まとめて解説します。

有給休暇は誰のためのどんな制度?

そもそも有給休暇(正式名称は「年次有給休暇」)は何のためにある制度でしょうか。それは、長く働く人が心身の疲れを回復させ、ゆとりある生活を送れるように「有給」で休むための休暇。有給休暇に関する規定を定めた「労働基準法第 39 条」によると、半年間継続して雇われていて、その期間の 8 割以上の日数に出勤していれば、10 日の年次有給休暇が付与されることになっています。

さらに最初に年次有給休暇が付与されてから 1 年が経ち、初回と同様に 8 割以上の日数を出勤していれば、11 日の有給休暇が付与されます。
有給休暇の付与は雇用主が負う義務。付与日数も法律で定められているため、雇用主側が就業規則や個別の事情などで勝手に変更することはできません。また、派遣社員や働く日数の少ないパートタイム労働者(アルバイト)も、労働日数に応じた比例日数で有給休暇が付与されます。例えば週 2 日しかシフトに入っていないパートやアルバイトスタッフでも、働きはじめてからずっと週 2 日勤務を続けていれば、半年後に 3 日間の有給休暇が付与されるのです。
参考:厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイト

有給休暇使えない・取りづらい問題...でも会社側には有給休暇を消化させる義務があります

忙しくて消化できないまま溜まってしまう、周りの目が気になり消化しづらい、パートタイムや派遣社員だから有給休暇を取りたいと言い出しにくい......。そんな職場環境で働いている方も多いかもしれません。しかし働き方改革法案の成立により、労働者は有給休暇を消化"しなければならない"のが今の法律です。

2019 年 4 月に施行された労働基準法では、会社は年 10 日以上の有給休暇の権利を持つ従業員に、最低 5 日間の有給休暇を消化させるよう義務付けられました。このルールが適用されるのは、例えば下記のような従業員です。

  • 入社から半年が経過しているフルタイム社員

  • 入社から半年が経過し、週 5 日または週 30 時間以上勤務するパートタイム労働者

  • 入社から 3 年半以上が経過し、週 4 日勤務するパートタイム労働者


本来であれば、従業員は業務に支障が出ない範囲で自らが希望する日に有給休暇を消化する権利があります。しかし「忙しいから」「なんとなく取りづらいから」と消化を先送りしていると、有給休暇を消化させる義務を負う会社側から「●月●日に有給休暇を消化してください」と指定されることになるのです。

また、この法改正により注目されているのが「計画年休制度」。会社と従業員代表との労使協定にもとづき、従業員の有給休暇を消化する日にちをあらかじめ決めておくことができる制度です。例えばお盆休みや年末年始の休みの前後に有給休暇消化日を設定しておくことで、会社側としては有給休暇の消化状況を個別に管理することなく義務を果たすことができるのです。

有給休暇を消化できないケース、消化しきれなかったケース

◆有給休暇を消化する理由と断られる理由

家庭の事情や体調不良・通院などの理由で有給休暇を消化している人は多いでしょう。しかし有給休暇の本来の目的は「心身の疲れの回復」と「ゆとりある生活」。余暇やレジャーが理由でも、あるいは特段何の理由や目的がなくても、有給休暇は消化できるのです。

ただし、制度や権利として休暇を取れるかどうかと、周囲に迷惑をかけず快く休暇を過ごせるかはまったく別の話。「自分がいなければ皆が困る」という日に「自分がいなければ業務が止まってしまう」状況で休むことにならないよう、周囲への思いやりと配慮を持つことが大切です。また、事業運営に支障をきたさないように事前に有給休暇を消化する日を調整したり、周囲との円滑なコミュニケーションでお互いが気持ちよく休める関係性を築いたりしておくことが肝要です。

基本的に従業員は希望する日に有給休暇を消化する権利がありますが、会社側にも従業員が希望した有給休暇消化日を変更することができる「時季変更権」という権利があります。これは、有給休暇の消化が「事業の正常な運営を妨げる」場合、会社側が従業員の請求日を変更できる権利。単に忙しいからという理由で行使できる権利ではありませんが、下記のような正当な理由があれば有給休暇の時季を変更する必要があります。

  • 代替人員を確保できない
    例えば自分しかできない担当業務があるのに、突然「明日から 5 日間の有給休暇を消化したい」と申請しても、会社側が代替人員を確保するのは難しいでしょう。有給休暇を消化する際は可能な限り事前に会社側と日程調整をする、会社側が、自分がいなくても運営できるように体制を整えるなど、業務に支障が出ないようにしておくと良いでしょう。

  • 本人でなければならない業務がある
    希望した有給休暇申請日に本人が参加しなければならない研修や訓練があり、欠席すると業務に支障をきたす場合は、会社側が時季変更権を行使することができます。これは代替人員を立てても本人の代わりにはならないためです。

  • 有給休暇が同時に複数重なった
    繁忙期の同一日に複数の従業員が同時に有給休暇を消化しようとする場合も、代わりの人員を確保できなければ「事業の正常な運営を妨げる」事態に陥ってしまいます。同じ業務を担当している同僚や上司、同じチーム内では日頃からコミュニケーションを図り、休暇の日程を調整したり融通したりするようにしましょう。

  • 長期間にわたる連続消化
    たまっていた有給休暇を一気に消化しようと、一カ月などの長期間にわたり連続で有給休暇を取ると、会社としては事業の運営が困難になってしまいます。その場合は期間 を分けるなどの調整を会社側から求められるでしょう。ただし退職や産休・育休などが決まっている、有給休暇の時効が目前に迫っているとい ったケースでは、会社側は時季変更権を行使することができません。代替人員や後任担当者を用意できない、充分な引き継ぎができないといった状況に陥らないよう、時間的な余裕を見て有給休暇を申請するようにしましょう。人間関係の軋轢を避けるためにも、有給休暇は計画的に消化していくのが望ましいと言えます。

◆退職する際、余った有給休暇は買い取りしてもらえる?

有給休暇は、働く人が心身の疲れを回復させてリフレッシュするために労働基準法で義務付けられた制度。つまり会社が休暇の代わりに金銭を支給しても、会社はその義務を果たせたことにはならないのです。会社は「有給休暇を買い取りするから」と従業員の有給休暇日数を減らす・規定の日数を消化させない、という対応はできません。

ただし、法律で定められた日数以上の有給休暇を会社が独自に設けている場合、その日数分についてはこの限りではありません。また、有給休暇の時効や退職が迫っている際に、会社が残日数に応じて金銭を支給して調整(買取)することは労働基準法に違反する行為にはなりません。しかしながら、買い取りは労働基準法で定められた義務ではないため、会社が必ず買い取りしなければいけない理由はないのです。

退職や転職を検討している場合は特に、退職直前になって慌てないよう計画的に有給休暇を消化していきましょう。
退職前にまとめて消化したいという場合は、後任人材の採用スケジュールなどの兼ね合いで退職日や最終出勤日を後ろ倒しにするなどの調整を求められる可能性もあります。

派遣社員として働く従業員の有給休暇

派遣社員にも、平等な権利として有給休暇が付与されます。ただし、派遣社員が有給休暇を消化する際には気をつけなければいけない点もあります。

◆派遣社員が有給休暇を付与される条件

派遣社員として働いている従業員も、正社員と同様に「半年間継続して雇われ、8 割以上の日数に出勤」という条件をクリアしていれば有給休暇が付与されます。
ただし派遣社員の場合は、「同じ派遣会社から」継続して就業していることが条件となります。

◆有給休暇を消化する際の申請先

普段お仕事をしているのは勤務先の職場ですが、派遣社員の雇用主は派遣元の派遣会社です。
勤務先に有給休暇の消化希望を伝えた上で、必ず派遣会社にも有給休暇を消化する旨を伝えるようにしましょう。

◆休みにくい、言い出せないという場合

業務が忙しくて休みたいと言い出せない、職場の雰囲気的に言い出しにくい......という場合は、遠慮なく派遣会社の担当コンサルタントに相談してください。前述の通り、従業員に有給休暇を消化させるのは会社の義務。派遣社員の場合、その義務を負っているのは派遣会社なのです。自分から有給休暇の消化を申請できなかったり、うまく調整できそうになかったりする場合は、派遣会社の担当者に頼って勤務先と相談してもらいましょう。

◆勤務先での派遣契約期間満了(終了)が決まったら

今のお勤め先での派遣契約が終了することになったら、消化していない有給休暇はどうなるのでしょうか。派遣社員の雇用主は派遣会社のため、継続して同じ派遣会社から次の勤務先での契約が決まっていれば、雇用期間が継続されていることになります。たとえ職場が変わっても、雇用期間のカウントも有給休暇の残日数も持ち越すことができるのです。

※上記はランスタッドでの対応です。勤務先や派遣会社により申請の手順が異なることがありますので、所属している派遣会社や営業担当者に確認してください。

有給休暇を活用してプライベートの充実と心身の健康を

有給休暇に関する疑問や不安は解消されたでしょうか。国としても「働き方・休み方改善」を推進し、会社には環境整備や雰囲気づくりが求められています。
まだまだ有給休暇を申請しづらいという職場が多いかもしれませんが、特別な用事や体調不良の時だけでなく、自分の趣味や楽しみのためにも有給休暇を活用しイキイキと働きたいですね。

ランスタッドでは派遣社員として働く登録スタッフのために、さまざまな優待サービスを利用できる「ランスタッドクラブオフ」をご用意しています。
プライベートの充実とリフレッシュには、ぜひこういった福利厚生制度も活用してください。

派遣社員としての有給休暇の消化に関して、疑問や不安、お悩みがあれば、お近くのランスタッド支店や担当コンサルタントまでお気軽にお問い合わせください。

ランスタッド就業サポート ランスタッドケア
【長期】事務・オフィスワークの派遣登録

ライタープロフィール

白川 真理子

ランスタッド マーケティング&ブランドコミュニケーション本部 DX部 インサイドセールス

オフィス系派遣のコンサルタントとして企業、求職者・就業者の方々の支援に携わる。
現在はインサイドセールスとしてランスタッドの全サービスをワンストップでご提案することを担当。国家資格キャリアコンサルタント。

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