再就職手当とは?受給するための条件や手続き方法を解説

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2024/05/29

退職後に受け取れる失業手当の給付期間は人によってさまざまですが、給付期間中に再就職先が決まった場合、再就職手当が受け取れます。早い段階で転職先が決まれば給付額が高くなり、転職先での仕事が安定するまでの金銭面の不安も解消できるでしょう。

本記事では、復職を検討中の方にぜひ知っていてもらいたい再就職手当の基本情報や受給条件、受け取るための手続き方法を解説します。

再就職手当とは

再就職手当とは、早期の再就職を促す目的で給付される、雇用保険の就職促進給付の一つです。後述する支給対象条件に当てはまる方が、早期に再就職先を決定すると受け取れます。

再就職のタイミングが早いほど、受け取れる額が増えるのが、再就職手当の特徴です。また、再就職先で給与を受け取っていても給付が可能で、受け取れる手当は非課税となります。再就職手当を受け取った後、その職場を退職しても返金の必要はありません。条件を満たせば、再度雇用保険の手当を受けられるメリットがあります。

収入が途絶えている失業中や転職活動中の金銭的な不安を解消できる上、転職へ向けてモチベーションを高める効果も期待できます。

再就職手当と失業手当(基本手当)の違い

失業後や退職後、雇用保険の受給資格がある人が条件を満たせば受けられる給付が、失業手当(基本手当)です。失業手当は12ヵ月以上雇用保険の被保険者期間があり、かつ失業の状態であることをハローワークで認定された場合に支給されます。

失業手当は、失業中の生活安定や再就職までの間のサポートという目的で支給されます。一方、再就職手当は早期の再就職を促す目的で、失業手当の受給中に再就職が決まった場合に支給されるお祝い金のようなものであるため、これらは支給の目的に違いがあります。

再就職手当と就業手当の違い

再就職手当と似た手当として、就業手当があります。これは、再就職手当の受給対象とならない非正規雇用で再就職した人などを対象にした手当です。つまり、再就職手当とは受給条件が異なる給付なので、就職先が決まった場合はどちらか一方の給付しか受け取れません。

就業手当で受給できる額は失業手当の30%で再就職手当よりも受給額が低くはなりますが、非正規雇用として就職が決まった場合でも金銭的なサポートとなる給付です。

再就職手当を受給するには

再就職手当を受給するためには、一定の条件を満たす必要があります。また、支給される額も失業手当の残日数によって変動するので、一人ひとり支給額が異なります。

再就職手当を受給するための条件

・失業保険の受給手続き後の7日間の待機期間満了後の就職であること
・受給資格決定前に内定していないこと
・失業手当の支給残日数が3分の1以上残っていること
・再就職先と前職に深い関わりがないこと
・再就職先で1年以上の勤務が見込まれていること
・再就職先で雇用保険に加入すること
・過去3年以内に同様の手当を受けていないこと
・給付制限期間の最初の1ヵ月間はハローワークまたは人材紹介会社の紹介で再就職すること

1年以上の勤務が見込まれている契約であれば、派遣社員でも再就職手当の受給は可能です。しかし、1年未満の雇用契約や日雇い契約での再就職は、受給条件を満たせないので再就職手当を受け取れません。また、1年以上の勤務であっても、前職と同じ企業への再就職は支給対象外です。

再就職手当の支給額

再就職手当で支給される額は、就職をする前日時点での失業手当の支給残日数によって変動します。失業中に支給される基本手当日額が離職前の給与額によって変わるため、同じ支給残日数でも一人ひとりトータルで支給される再就職手当の額は異なります。

・3分の2以上の支給残日数がある場合:失業手当の支給残日数の70%の額(一定の上限あり)
・3分の1以上の支給残日数がある場合:失業手当の支給残日数の60%の額(一定の上限あり)

このように、早いうちに再就職できれば給付率は高くなります。

支給額の上限は毎年8月に改定される「毎月勤労統計」の平均給与額によって変動しますが、令和6年7月31日までの上限は以下の通りです。
・離職時の年齢が60歳未満:6,290円
・離職時の年齢が60歳以上65歳未満:5,085円

さらに、再就職手当の支給を受けた人が6ヵ月以上雇用された際の6ヵ月間の賃金が離職前より低い場合、就業促進定着手当も受けられます。

再就職手当を受け取るための手続き方法

1.再就職先で採用証明書に記入してもらう
雇用保険の受給手続きの際に渡される「受給者のしおり」にある「採用証明書」の必要事項を、再就職先に記入してもらいます。採用証明書はハローワークのWebサイトでダウンロードできます。

2.ハローワークへ採用証明書を提出
以下の書類をハローワークに提出します。
・再就職先で必要事項を記入してもらった採用証明書
・雇用保険受給者資格証
・失業認定報告書

再就職手当の受給条件に該当した場合、「再就職手当支給申請書」を受け取ることができます。

3.再就職先で再就職手当支給申請書への記入・証明
再就職先へ「再就職手当支給申請書」の必要事項と、前職と関わりがないことを証明する書類に記入してもらい、証明を受けます。

4.ハローワークへ必要書類を提出
再就職先で記入済みの「再就職手当支給申請書」と「雇用保険受給者資格証」をハローワークへ提出します。この際、前職と関わりがないことを証明する書類、勤務実績を証明するタイムカードの写しなどの提出が求められることもあります。

ここまでの手続きを経て、再就職手当の支給可否が決定します。

再就職手当の申請手続き締め切りは、再就職した翌日から1ヵ月間です。なお、申請期限を過ぎた場合でも、申請期限から2年以内の時効が完成する前であれば申請可能なので、忘れないうちに申請を行いましょう。

再就職手当の受給も念頭に転職活動を進めてみましょう

失業手当の受給期間中に早い段階で再就職先が決まれば、場合によっては失業手当の満額受給よりも高い額を受給できることもあります。できるだけ早く再就職先を決めることで再就職手当を受給して、金銭的な不安も解消しながら、上手に制度を活用して復職を目指しましょう。

ライタープロフィール

株式会社ライトアップ

 

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