5割以上の企業でパワハラの予防・解決のための取り組みを実施

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2017/05/10

 厚生労働省が実施した「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」によると、パワーハラスメントの予防・解決のための取組を実施している企業・団体の比率が5割を超えたことが明らかになった。

 企業を対象にパワーハラスメントの予防・解決のための取組について聞くと、「実施している」と回答した企業は52.2%と半数を超えた。「特に取組を考えていない」は25.3%だった。

 2012年度調査と比較すると、どの従業員規模でも「実施している」の比率が高くなっている。

 一方、従業員にパワーハラスメントの予防・解決のための取組について聞いたところ、勤務先が「積極的に取り組んでいる」または「取り組んでいる」と回答した者を合わせた比率は25.7%、「ほとんど取り組んでいない」または「全く取り組んでいない」と回答した者を合わせた比率は 51.5%と、半数以上は勤務先がパワーハラスメントの予防・解決の取り組みを行っていないと回答した。

 2012年度調査と比較すると、どの従業員規模でも「ほとんど取り組んでいない」と「全く取り組んでいない」を合わせた比率が低くなっている。

 パワーハラスメントの予防に向けて実施している取組は「相談窓口を設置した」が82.9%で最も高く、次いで「管理職を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」(63.4%)、「就業規則などの社内規定に盛り込んだ」(61.1%)となっている。

 また、パワーハラスメントの予防に効果を実感できた取組は、「管理職を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」が74.2%で最も高く、「一般社員等を対象にパワーハラスメントについての講演や研修会を実施した」(69.6%)、「相談窓口を設置した」(60.6%)が続いている。
 パワーハラスメントを受けたと感じたことがある人は、2012年度調査では25.3%、2016年度調査では32.5%と上昇した。

 企業が従業員向けに開設している相談窓口で、従業員から相談の多い上位2テーマを聞くと、パワーハラスメントが32.4%と最も多く、メンタルヘルス(28.1%)、セクシュアルハラスメント(14.5%)を上回った。
 従業員調査は、2016年7月26~27日、20~64歳の全国の企業・団体に勤務する人(公務員、自営業、経営者、役員は除く)を対象に実施し、1万人のサンプルを得た。

 企業調査は、2016年7月25日~10月24日全国の従業員30人以上の企業・団体を対象に郵送で実施し、4587件の回答を得た。
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