面接で緊張しない方法をアナウンサーが伝授!~準備から当日までの面接対策~
※この記事は、2017 年 8 月 3 日に執筆し、加筆・修正を加えたものです。
就職・転職活動やアルバイト・パートなどの大事な面接の場面で、緊張して上手く話せな くなってしまうという方は多いのではないでしょうか。そこでフリーアナウンサーとして 活躍中の中村優子氏が、面接当日までに準備しておきたい面接対策と緊張しない方法をご 紹介します。ありのままの自分で面接に臨み、成功をつかみ取りましょう!
面接で緊張しないための事前準備
ここぞ!という本番で成功するための面接対策には、「事前準備」が大切です。「話のプロ」と言われるアナウンサーも、実は日々の練習やイメージトレーニングなど事前準備が欠かさずに行っています。プロのアナウンサーも実践している、本番でベストな結果を出すための準備法をご紹介します。
■話す内容を考える
面接で緊張しないための事前準備として、まず行っていただきたいことは「質問と回答を想定すること」です。
特に就職・転職の面接では志望動機を必ず聞かれます。「どうしてこの会社を希望したのか」や「この会社で実現したいこと」などといった志望動機の他にも、「自分が会社にどう貢献できるか」といった自己アピールも大切です。ここがぶれてしまうと、先方に不信感を抱かれてしまいかねませんし、たとえ採用されても、その後の自身のキャリア形成に影響が出てしまうかもしれません。
「自分のやりたいこと、できるとこと」をきちんと棚卸しして整理し、じっくり考えましょう。そして、いったん文章に起こして何度も読み込んで、頭と心、そして口に覚えさせましょう。全文を暗記するのが苦手な方はキーワードだけでも大丈夫です。これだけは外せないというインパクトのある言葉を中心にピックアップしてください。
「志望動機」「自己紹介」について、以下コンテンツでもご紹介しています。ぜひご覧ください。
・面接で「志望動機」はどう答えると印象が良いのか?
・人を惹きつける上手な自己紹介の項目と方法
■1日1分 発声練習をする
面接で想いを伝えるには「声」が重要です。面接が決まったら、本番で相手に想いをしっかり届けられるよう、発声練習もしておきましょう。緊張すると、どうしても呼吸は「吐く」よりも「吸う」方が多くなり、言葉が前に出なくなってしまいます。そうすると「音」は出していても、相手にその言葉の意味や、込めた想いは届きません。
プロも実践!「聞きとりやすい、届く声」を出すためのエクササイズ
- 「赤いパジャマが安いよー」
- 「青いパジャマも安いね」
この二文を読むだけ!です。ただ、姿勢や読み方に、ちょっとしたコツ・ルールがあります。まず、肩幅程度に両足を開き、背筋を伸ばして立ちましょう。呼吸は楽にして、下腹部、おへその下あたりに力が入る感覚で読んでみてください。一字一字口をしっかり動かして、一文一文息をしっかり吐き切る気持ちで読みましょう。
ちなみに、どうしてこの二文なのかというと、「あ」の音が沢山出てくるからです。「あ」の音は、日本語の基本・発声の基本です。「あ」の口が縦に大きく開けられるようになれば、音が前に出やすくなります。
そして、読む際に「相手を意識」することも大切です。以下のように文章ごとに相手を想定し、緩急をつけると、より実践的な練習になります。
- 「赤いパジャマが安いよー」→ <遠くの人> に呼びかけるように
- 「青いパジャマも安いね」→ <近くの人> に話しかけるように
発声練習のポイント
自宅で練習する際に、大きな声を張り上げる必要はありません。下腹部に力がきちんと入っていれば、張りのあるいい声が出ます。また、声の高さも無理に高くしたり、低くしたりする必要はありません。ありのままの個性で「相手に届く声」は充分作れます。慣れるまでは 1 日 1 分、立った状態や座った状態で練習してみてください。慣れてきたら週 1 回程度で大丈夫。本番前の気持ちのスイッチにもなりますよ。
■「歯魅せ笑顔」の練習をする
続いて、第一印象を決定づける「笑顔」の練習をしましょう。皆さんは第一印象が何秒で 決まるかご存知ですか?なんと、たった「5 秒」で決まってしまいます!さらに、第一印 象は「変えることが難しい」と言われています。 万一失敗したら、挽回するのは至難の業です。そこで、面接官に良い第一印象を持っても らうための最短距離として、とっておきの「笑顔」の作り方をご紹介します。
一般的に「印象の良い笑顔」と言われるのは、
- ○ 「上の歯が8本」見えている
- ○ 目が下から押し上げられてカーブしている
が条件としてあげられます。
反対に、勿体ない笑顔は、
- × 上ではなく、下唇が下がって歯を見せている
- × 口の開きが足りない
- × 口角が上がっておらず目が笑っていない
などが当てはまります。皆さんの普段の笑顔はいかがでしょうか?
「良い笑顔」になるためには、歯を見せること、つまり「歯魅せ笑顔」がとても重要です。100点満点の歯魅せ笑顔を作るのに効果的な、簡単エクササイズをご紹介します。
「歯魅せ笑顔」を作る、表情エクササイズ
1.まず、頬骨の下をこめかみ方向に向かって、親指でぐいぐいと押し上げてください。
2.次に、目の周りもほぐします。目頭から眉に沿って骨の下をこめかみに向けて押していきます。
どちらも痛いほどやる必要はありません。程よく気持ち良い程度にしましょう。10 秒×2カ所×3回。1日1分程度でOKです。顔がポカポカと温かくなるのを感じられたら、効果が出ている証です。表情がぐんと明るくなりますよ。
顔の筋肉がほぐれたら、「歯魅せ笑顔」の練習も忘れずに。楽しいこと、幸せなエピソードを思い出して、にっこり笑ってみてください。わざとらしくない、自然な笑顔になっているはずです。
■声に出して何度も練習する
声と笑顔の練習ができたら、本番を想定して何度も練習してみましょう。練習を重ねるこ とで自信につながります。
また、練習した声と笑顔が実践できているか確認することも大切です。鏡の前での練習や、家族・友人に見てもらうのもいいでしょう。動画を撮るのも、ビフォーアフターが比較でき、客観的に自分の姿を分析できるのでおすすめです。
緊張をほぐす、面接当日の対策
さて、いよいよ面接当日。緊張を「自覚」しながらも、前向きな気持ちに持っていくため の面接対策をご紹介します。
■心を整える
大事な日は、朝から心がピリピリと緊張してしまうものです。しかし、度が過ぎた緊張に心が支配されてしまうと、表情がこわばって、大切な「第一印象」で損をしてしまいます。
出発前に鏡の前で「歯魅せ笑顔」を行いましょう。鏡に映った自分からエネルギーをもらえます。
加えて私がおすすめしたいのが、ポジティブなフレーズを唱えることです。例えば「今日も 1 日この笑顔で頑張ろう!」「今日も私は善き人でありたい。みんなを幸せにしたい」などと唱えてみましょう。そうすると、家のドアを開けた瞬間から、通勤の電車、また道すがら、とてもいいオーラをまとうことができます。緊張している自分を認めた上で、とびきり素敵な笑顔で会場に向かいましょう。
■会場には余裕を持って到着する
遅刻しそうになると、それだけで気が焦って緊張しやすくなります。事前に会場へのアク セスを確認し、時間に余裕を持って到着しましょう。30 分ほど早く着いていれば、会場近 くのカフェで直前の準備や身だしなみのチェックもできますし、交通トラブル等があって も対応ができます。
■具体的な動作をイメージする
大事な場面で緊張していると感じたとき、普段皆さんはどのように対処していますか?多くの方は「リラックスしよう」「上手くできるはず。大丈夫」などと自分に言い聞かせているようです。しかしながらこの方法では、なかなか緊張は解けません。というのも、極度に緊張してしまった際の障害となるのは、「気持ち」よりむしろ「筋肉のこわばり」だからです。
精神的な緊張が筋肉に伝わると、肩が凝ったり呼吸が浅くなったりして、より思考が鈍くなってしまいます。ですから、私は脳がイメージしやすい、筋肉に命令を出しやすい動作をイメージすることをおすすめします。具体的な命令を脳から筋肉に送ってもらうことで、体がほぐれ、過度な緊張は改善されます。
- 【○】イメージが沸きやすい動作
- 「笑顔で話そう」「ゆっくり話そう」「深く息を吐こう」
- 【×】イメージが沸きにくい動作
- 「緊張したくない」「リラックスしたい」「上手くやりたい」
■それでも、途中で緊張してしまったら...
「準備も入念にし、沢山練習もしました。でも、どうしても途中で緊張して言葉が詰まってしまったり、頭が真っ白になったりしてしまいます...」という方は、緊張による体のこわばりがあると思います。面接中にそのような状態に陥ったら、一度大きく息を吐いてみ てください。
それでもだめなら、「実は今すごく緊張しています」と素直に打ち明けてみるのもいいと思います。「緊張している」と口に出すことで、言わずに我慢しているときよりもストレスが減ります。また先方に伝えることで、共有できているという安心感にもつながります。
本当に辛いときには、我慢せず、伝える勇気を持ちましょう。
いかがでしたか?大事な場面で緊張してしまうのは仕方がないことです。ですが過度に緊張しないためには、準備と練習、そして何よりいい表情で臨むことが大切です。「良い第一印象は、面接の最大の武器」。自信を持って本番に臨めるよう、頑張ってくださいね!
ライタープロフィール
フリーアナウンサー
中村 優子
元テレビ局アナウンサー。イベントやセミナーの司会、ナレーションなど活動の幅は広い。双子の母。