面接で「志望動機」はどう答えると印象が良いのか?

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2021/10/27

悩みの多い就職活動や転職活動。書類選考を通過した喜びもつかの間、次のステップ・面接に悩んでいる方も多いのでは?志望動機の上手な伝え方や、せっかく準備していったのに志望動機を聞かれなかった場合にどうすべきかなど、悩みは尽きません。
志望動機は自分をアピールできる良いチャンス。面接で効果的に志望動機を伝える方法を、転職支援コンサルタントに聞いた実例をもとに考えてみましょう。

志望動機が大切な理由

志望動機とは、自分のバリューを相手に伝えること。 企業の魅力について語るのも大切ですが、自分が応募企業へどれだけ貢献できるのかを語る場だと考えましょう。面接だからと言って受け身でいることはありません。企業の採用担当者へ自分の価値を積極的に伝えていく、攻めの姿勢も時には必要かもしれません。
あなたがどれだけ価値のある人材か相手は知りたがっています。ぜひ積極的に志望動機を伝えましょう。

面接で志望動機を相手から聞かれなかったら?

面接で志望動機を質問されない場合はどうしたらよいのでしょうか。質問されていないことは空気を読んで言わないでおくべき......? この場合、無駄な遠慮は必要ありません。自己PRとして志望動機は必ず伝えましょう。自己紹介をする際に、自分から志望動機を切り出しても良いでしょう。 また、「志望動機は?」というストレートな質問でなくても「どういった理由で応募を?」、「弊社に興味を持った理由は?」と、別の言葉で志望動機を質問されることもあります。

企業があなたを採用するメリットは?転職コンサルに聞いてみた

幅広い業界で、多くの転職者をフォローする転職支援コンサルタントに、志望動機のポイントを聞いてみました。

企業が志望動機で本当に聞きたいこと

それはずばり、「わが社があなたを採用するメリット」です。面接では、「スキルを活かせる」「経験が活かせる」など、志望した企業で自分ができることをきちんと伝えることが大切です。

"具体性"は説得力になる

志望動機は具体的な事例で話し、あいまいな表現は避けましょう。 実績は「時期」、「事例」、「結果」、「人数」、「金額」、「パーセンテージ」などといった事実をベースに説明し、「次に頑張ります」、「将来頑張れると思う」といったあやふやな表現は避けるのがベターです。具体的な事例で相手を納得させることが大切です。

たとえば、応募企業に新規プロジェクトがあるとします。自分が過去に経験した過去の事例を具体的に説明することで、自分がプロジェクトに対応できる付加価値のある人材であり、かつ、採用するメリットがある人材であることを伝えられます。さらに、自分にとっても新プロジェクトを経験することでスキルアップできる、というようなwin-winの関係性が説明できるとさらに良いでしょう。

経験・スキルの棚卸しで自己アピールの整理を

自分のスキル、経験などを、相手にわかりやすく伝えるためには、まずは自分の"棚卸し"をすることが大切です。特に即戦力になる仕事のスキルを期待される中途採用の場合は、自分のバリューをきちんと相手に伝えることがより大切になります。下のリンクも参考に、アピールにつながるスキル・経験の棚卸しをしてみましょう。

参考コラム:就活生、転職活動者必見!面接へ通過するための上手な自己PRの書き方・例文

内定につながる志望動機を転職コンサルが伝授!

志望動機の大切さや基本が分かったところで、ここからは各シチュエーション別におさえるポイントを転職支援コンサルタントがアドバイスしていきます。

経験者は業界・企業の課題を提案すべし

経験者の場合は、同じ業界、同じポジションで転職をする場合、業界をはじめ、企業のマーケティング、ブランドの抱えている課題などを整理して伝えられるようにしておくとポイントが高いですね。

志望動機例『教育業界』
「教育業界は少子化の影響で子育て世代のターゲットが縮小傾向ですが、リタイア世代に向けたマーケットにビジネス展開の余地があります。企画担当としてその層へ向けたサービスを展開していきたいと考えています」

新卒、異業種への転職希望者は企業研究を

新卒、また、異業種転職を希望する人は、企業研究をしっかりしておきましょう。ビジネスのこと、業界のことなどを含めてよく調べておくことが大切です。様々な情報があふれかえる現代だからこそ、必要な情報を把握して、企業の特徴を知ることは大切です。
それらを知った上で、自分がこれからどうなりたいか、何をしたいかという明確な目標を持っている姿勢をアピールしましょう。企業研究が足りないと、このアピールがぼやけたものになりがちです。また、この目標はこの先変わっても良いものです。成長の途中で目標が変わることは決して悪いことではありません。

志望動機例『医療業界』
「日本人の死亡原因1位であるガンは、医療技術の進歩などにより治療の選択が増えてきていると知りました。そこでオンコロジー領域のリーディングカンパニーである御社の広報担当として、ガン治療の可能性について広めていくお手伝いをしたいと考えています」

「志望動機」と「退職理由」に一貫性を持たせる

志望動機と同じく、面接でよく聞かれる質問として「退職理由」があります。これらの理由に、転職することで自分が何をしたいのか、志望動機と一貫性を持たせられると良いでしょう。応募企業が求めていることと、自分の過去(経験)と未来(志向性)がマッチすることが大切です。

志望動機例『営業職』
(退職理由)「これまで営業職で頑張ってきましたが、前職の環境では、年功序列と、それを守ろうという社内の方針が強かったため、十分に評価してもらいにくい環境でした」
(志望理由)「その点、御社は、仕事への頑張りに正当な評価をしてもらえると聞いています。特に御社は設立から間もない新しい会社ということもあり、多くのことへチャレンジできる環境が魅力的だと考えて応募しました」

現在の職場を円満に退職するための伝え方、伝えないほうがよいこと、面接時にどのように伝えればよいかは、「退職理由で伝えていいこと、伝えないほうがよいこと分類」もご覧ください。

応募したいポジションにスキルが足りなくても挑戦する姿勢を示す

どうしても応募したいポジションがあっても、スキルや経験値が足りないといった場合もあります。『10』のスキルが求められているのに、『6』しかない場合もあるでしょう。そんな時でも、『10』へ向かうための可能性を感じさせることができれば採用につながるチャンスはあります。
努力や熱意、足がかりになる経験をもとに、これから必要になるサポートと期間を相手に伝えて、未来への広がりを感じさせましょう。その際は独りよがりでない、具体的なプランを伝えることが大切です。仕事への抱負は「頑張ります」「熱意をもって取り組みます」など、裏付けのない抽象的な言葉ではなく、説得できる事例を挙げて語りましょう。

志望動機例『未経験からの管理職』
「管理職の経験はありませんが、現職では主任として課長の下で事業計画の立案や予算管理、課員の管理などを補佐してきました。また、大学の社会人向け講座でマネジメント論などを履修し、座学ではありますが知識を身につけました。これらの経験と知識で、本ポジションでも御社に貢献できると考えています」


志望動機を考えることは、"働く"こと、"仕事をすること"について考えることに似ています。自分の内面をよく見渡して、自分がその企業のどこに魅力を感じたのか、なぜ選んだのか、その理由を言葉にしていきましょう。面接を通過することだけを目的とせず、自分自身を見つめる良いきっかけにしてみても良いかもしれません。

また、謙遜して、ささいな経験、取るに足らないスキルだから伝える必要がないと思いこんでしまうのは宝を捨てるようなものです。あなたがこれまで成し遂げてきた経験は決して無駄なものではありません。具体的にとらえなおすことで輝きを増すこともありますよ。

転職コンサルは見た!志望動機のNG回答例

人や企業によって様々に形を変える志望動機。そこに決まった正解はないかもしれません。ですが、社名や事実関係を間違えるなどNG例は確実にあります。ここでは転職支援コンサルタントが実際に見たNG回答例を紹介します。

ホームページの丸暗記。その記憶力は買うけれど......

応募企業のホームページの会社情報をそのまま覚えて自分の志望動機にするパターン。読む時もまるでマニュアルを読んでいるようで全く印象に残りません。企業研究に熱心なのは良いのですが、相手の心に残るように自分の言葉で語りましょう。

福利厚生のことばかり

志望動機が「残業が少ないから」、「有給消化率が高いから」、「ワークライフバランスが実現できるから」、「育休の取得率が高いから」......。
これらは確かに職場を選ぶ上で大事なポイントですが、こればかりを並べるのはNGです。企業の福利厚生はあなたにメリットを与えるかもしれませんが、転職活動ではあなたが企業へ与えるメリットをアピールしましょう。

「前職は営業職で、仕事は営業です」???

何の仕事をしているか訊ねられたら?営業職が何をする仕事かという説明はあまり面接官の興味を引くとは思えません。業務内容を事細かに答えるのもいいですが、おそらく面接官が聞きたいのは、あなたがその仕事を通じて何を成し遂げたかという実績です。客観的に判断できる材料とともに実績を志望動機とともに伝えましょう。

手段と目的の履き違え

語学以外にも十分に活躍できるスキルはあるのに、外資系ファイナンスの仕事へ志望した理由に「英語を使えるから」と答えた人がいました。語学力は大事ですが、あくまでもそれは手段にすぎません。企業は英語を使って何をしてくれるかを知りたい。英語を使う仕事をしたいなら、ファイナンスとはマッチしません。外国人の面接官は「なんでそういう答えになるか理解できない」と頭を抱えていました。

転職するのは誰だ

志望理由が「今度結婚する彼女が、今の会社で働き続けるのに反対なので」。
転職するのは誰なのでしょうか?彼女でしょうか?
勤務地などが関係する場合など、もちろん家族の意見は大切です。ですが、それだけを理由にしてはいけません。あくまでも自分の責任で転職を決断することが大切です。

番外編 謎発言「転職の必要なんて別にないんだけど~」

転職活動で自分を高く売り込みたいがゆえに、わざわざ「転職する必要は特にないのですが」などと言い出す人もいます。気持ちは分かりますが、そもそも転職するという前提がないと面接官も困ってしまいます。また、志望理由が「転職エージェントに指示されたので」と自分の意志が全く感じられないケースもありました。



これまで、志望動機というと"企業の長所を覚えて発表する場"というイメージがありましたが、「自分がその企業を志望する理由」を相手に伝えて、自分を売り込むための大きなチャンスに変わる可能性のあるものだということが分かりました。
これから目指したいこと、実現したいことを相手にわかりやすく、説得力を持たせて伝えることができれば、面接で好印象を残すことができるでしょう。採用担当者の心をぐっとつかむ志望動機で、実りの多い転職活動を実現させてくださいね。

キャリアHUB編集部

*本記事は2016年10月27日に公開した内容を再編集して掲載しております。

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