【例文付き】上手な自己PRの書き方とは?面接通過を目指すためのポイントを解説

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2023/12/20

※この記事は、2016年9月21日に執筆し、加筆・修正を加えたものです。

就活、転職を成功させるには、自己PRの上手な書き方が求められます。どんな場面であっても、企業から採用されるためにはまず履歴書・職務経歴書で「この人に会ってみたい!」と思わせるような自己PRが必要だからです。例文を紹介しながら、どうすれば採用担当者の心に刺さる自己PRが書けるのかを解説していきます。

履歴書・職務経歴書の自己PRで面接官が見るポイントとは?

自己PRから面接官が見るポイントは、一言でいえばヒューマンスキル、つまり仕事に役立つ人間的な力です。
たとえば、聞き上手であるか、また、問題が起きた時に、その状況や理由を分析し、解決する力があるかといったことなどです。このようなヒューマンスキルは教育や訓練では簡単には身につかず、経験によって身についてきたものなので、採用する時の大きなポイントにもなります。

【人物像】興味、関心と価値観

ヒューマンスキルは、経験によって身についてきた思考や行動の傾向です。
たとえば、人に対する気遣いを大切にする考え方や価値観は状況把握力というヒューマンスキルです。その思考や行動の傾向は、本人にとってはあたりまえのものになっているので、どのような状況下でもおのずと発揮されるスキルと考えられます。
自分がどのようなことに関心を持ち、どのような考え方、価値観を持っているのかを自己分析して理解し、それが仕事にどう活かせるかを自己PRでアピールしましょう。

【スキル】何ができるのか、自分の強みとは

志望企業で求められている人材や、実務能力と合致する自身の強みを自己PRでアピールしますが、月並みな言葉だけを並べるのではなく、自分なりの具体的な工夫や行動を伝えるとよいでしょう。
たとえば、「お客様の立場に立った」などのありきたりな言葉も具体的に説明してアピールします。つまり、実際のお客様との関係の中で、何を大切にしてどう工夫してきたか、その結果何が実現できたかを具体的に記載するのです。その時、自分で考え工夫したオリジナリティのある行動や判断を入れるとより印象に残る強みとなります。

【想い】なぜ応募したのか、何を成し遂げたいのか

志望企業だからこそ入社して貢献したいことをアピールしましょう。転職者の場合は、前職での経験を活かして能力を発揮することで、どういったことを成し遂げ貢献できるか、自信を持って訴えることが大切です。「○○をやってきた」(職務経歴)だから「○○ができるようになった」(活かせる経験・知識・能力)、そのうえで「○○がやりたい」(今後の職務に対する意志)というストーリーを意識するとよいでしょう。
もちろん応募企業が求めている人材、実務能力はしっかり把握したうえで、成し遂げたいことが応募企業の求めることに合致している前提であることはいうまでもありません。 

採用者が何を、どういう意図で見ているのかを理解することが、自己PRの作成に役立ちます。次は、具体的な書き方を解説していきます。

シーン別 自己PRの例文

新卒就活生の場合と職歴のある転職者の場合では、自己PRの見せ方は当然違ってきます。
それぞれ例文で見ていきましょう。

■新卒就活生の場合

自己PRで伝えるべきヒューマンスキルは、学業で得た「知識」ではなく、経験から身についたものです。驚くような特別な経験でなくても、日常的な経験から培ったヒューマンスキルで構いません。そのヒューマンスキルから、採用担当者が「その能力は仕事に役立つ」と発想できる説得力があればよいのです。
このヒューマンスキルの裏付けとなる具体的なエピソードは、アルバイトでもサークル活動でもゼミ活動でもよく、その中でも自分で考えて行動した経験から培われたものを示します。

例文
私の強みは、相手の立場に立って状況に応じた気配りができることです。

私は、○○駅前にある個人経営の定食屋で主に接客のアルバイトをしていました。木曜日の勤務を終え帰宅する準備をしていたところ、お客様から、店に出張のお土産を置き忘れてきたと電話がありました。明日会社に持って行くつもりだったと、やや落ちこんだご様子でした。もし明日の夜、店に取りに来ても、お客様がお土産を会社に持って行けるのは週明けの月曜日になってしまうからだと私は思いました。そこで私は、すぐに○○駅から一駅先の、お客様の最寄り駅まで、そのお土産を持って行き、手渡すことを申し出たところ、驚きながらも、大変喜んでくれました。後日またご来店くださり、再びお礼の言葉をいただきました。

この経験から、相手の立場に立って状況に応じて気配りすることの大切さを学びました。この強みは、お客様に対し、真心でサービスすることをモットーにしておられる貴社の営業においても、十分に活かせる資質だと自負しています。

解説

アルバイトの経験を通じて、相手の立場に立って状況に応じた気配りをすることの重要性を学んだことが示されています。このヒューマンスキルは、本人にとってはあたりまえであるかのように身についた考え方や行動の傾向なので、志望企業においても十分発揮されることが連想できます。裏付けとなるエピソードも、採用担当者に自分と同じ光景をイメージしてもらえるよう具体的に述べられています。

■転職の場合

転職の場合は、「やってきた」過去の職歴と、「やりたい」意欲がつながって感じられるような、過去から未来へのストーリーに仕立てることが大切です。つまり、「職務経歴」でこれまでの経験や実績を示し、そこから「活かせる経験・知識・能力」を書き出し、そして「自己PR」で今後の職務に対する意思をアピールしていきます。
「~を経験し、~ができる私は、貴社で~をしたい」というストーリーで伝えることで、採用担当者に強く訴えるメッセージとなります。

例文
前職において、私はお客様との信頼関係を第一に考え、営業一筋でキャリアを積んでまいりました。

お客様が何を求めているのかを常に考え、お客様の立場に立った提案をすることを意識し、長期的な信頼関係を構築することに成功してきました。その結果、新規のご紹介をいただくこともしばしばありました。お客様の立場に立って考え、粘り強く誠実に向き合っていく営業姿勢は、社内でも高く評価され、営業成績においても社内でトップクラスの成績を残してきました。

貴社においても、この営業力をもって、お客様との固い信頼関係を築き、業績をさらに伸ばしていけると確信しています。

解説

前職の営業の仕事(「職務経歴」)の中で培い身につけてきたヒューマンスキル(「活かせる知識・経験・能力」)を、自己PRで職歴にプラスすることで志望企業に貢献していく想いを伝えています。キャリアの浅い人や、異業種への転職など、これまでの経歴では希望職種との間でなかなか接点が見つからない場合は、自分がなぜその仕事に就きたいのかをしっかり盛り込みながら、業務に活かせるヒューマンスキルや意欲をアピールするとよいでしょう。

自己PR作成のステップ

自己PRを作成する時にまずやらなければならないことは、アピールする相手である志望企業を知ること、つまり企業研究です。次に、自分自身の経験を振り返り客観的に分析する自己分析です。
転職者の場合は特にこの作業を怠る方も多いようですが、自分の強みや適性を把握せずにやみくもに応募してもうまくいきません。転職の理由、自分の強みなどアピールポイントを整理し絞り込んで訴えてこそ、初めて採用担当者の心に響く自己PRが可能となるのです。

自己PRする相手を知る

就活生も転職者も、事前準備を怠ると入社意欲を十分に伝えられません。志望企業について、就活生の場合は、会社説明会などで詳しく説明されます。転職者の場合は転職フェアなどで確認できる場合もありますが、基本的には自ら企業研究を行い、求められるスキルや経験を分析する必要があります。志望企業が求めるものに合致する職務経験やヒューマンスキルがあり、志望企業だからこそ入社して即戦力となりたいという意欲をアピールするには必須の準備です。

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自分の経験を振り返る 自己分析

これまで経験してきたことや印象的な出来事(転職者の場合はあくまで職歴の中から)を、自分の歴史として全部書き出して「見える化」します。その時、どのような状況でどう行動し、どのような結果を得て何を学んだかまで書き込んでいきます。ネタが少ないようであれば、就活生は周りの人に聞いてみるのもよいでしょう。忘れていた記憶を思い出したり、自分では気づいていないヒューマンスキルを知ったりできます。

転職者は、自分が売り込むべきスキルやキャリアの材料を発掘するために、携わってきた仕事に対して工夫したことや評価を受けたことなどを整理し、強みを裏付けるエピソードも書き出しておきます。志望企業が求めているスキルや経験に関連する自身のスキルや経験が売り込むべき強みであり、強調すべきことになります。

自己PRを実際に書く

自己PRは初めに下書きとして一定量を書いてから内容を削っていきます。就活生のエントリーシートにおける自己PRの欄は、企業にもよりますが、300字~500字ほどです。最初から自己PR欄に収まるように調整して書くのではなく、とにかくたくさん書いてから削ったり整えたりして最終的な自己PRにしていきます。
下書きは次の項目を意識して書いていきましょう。

  • 1 、どこで、どんなことがあったか?
  • 2 、どんな課題、困難があったか?
  • 3 、そこで、どんな行動を自ら起こしたか?それはなぜか?
  • 4 、どんな結果となったか?何を得たか?
  • 5 、1~4から ゆえに、証明できる自分の能力は?

大切なポイントは、エピソードは1つに絞ることです。そのエピソードに集中して具体的に掘り下げていきます。

自己PR作成時に意識するポイント

採用担当者に自分と同じ光景をイメージしてもらえれば、自分の伝えたかったことは伝わったといえます。
「この人は、○○の経験から、□□のヒューマンスキルを身につけている。これは、当社の仕事の現場でも役立つに違いない」
とスライド発想してもらえるような書き方が大切です。そのためには、5W1Hがすべて入っている自己PRを作成します。

  • WHEN  いつ
  • WHERE どこで
  • WHO   だれが
  • WHAT  何を
  • WHY   なぜ
  • HOW  どのように

この5W1Hの中でも、自己PRで特に大切なのが、WHY(なぜ)とHOW(どのように)です。

自己PRの型

次のパターンで書いていきます。

  • 1 、最初に自分のヒューマンスキルをズバリと書きます。読み手である採用担当者に短い時間で、分かりやすく伝えるためです。
  • 2、次に、ヒューマンスキルを身につけるきっかけとなった経験やエピソードを1つに絞って5W1Hを入れて書きます。
  • 3、最後に、もう一度結論を伝えます。

ビジネス文書で使われるPREP法を意識して書くとよいでしょう。

P:Point(要点)
ポイントを簡潔に伝える
R:Reason(理由)
ポイントについて「なぜか」を説明する
E:Example(具体例)
具体的な例を挙げる
P:Point(再び要点)
言葉を変えてポイントを復唱する

具体的に書く

エピソードは、あなたのことを知らない人にも自分と同じ光景をイメージしてもらうために具体的に書くことが大事です。固有名詞や数字を使うと、より具体的に訴えられます。

例文をもとに添削

就活生のアルバイトの例をここで再度取り上げて、陥りがちな具体性のない例文と、5W1HとPREP法を意識して具体的に書かれた例文とを比較してみましょう。

【×】具体性のない例文
私は、定食屋で接客のアルバイトをしてきました。ある日、お客様から忘れ物の問い合わせがありました。私は困っているお客様のことを考え、忘れ物を最寄り駅まで届けてあげるということをして大変喜ばれました。このように相手の立場に立って考え行動することを、貴社でも実行していきたいと思います。
【○】5W1Hを入れ、PREP法を意識した例文
私の強みは、相手の立場に立って状況に応じた気配りができることです (Point) 。この強みは、人と関わる仕事においては必ず必要となる力だと考えます(Reason)

私は、○○駅前にある個人経営の定食屋(WHERE)で主に接客のアルバイトをしていました。木曜日の勤務を終え帰宅する準備をしていたところ(WHEN)、お客様から(WHO)店に、出張のお土産を置き忘れてきたと電話がありました。明日会社に持って行くつもりだったと、やや落ちこんだご様子でした(WHAT)。明日の夜、店に取りに来ても、会社にお土産を持って行けるのは週明けの月曜日になってしまうからだと私は思いました(WHY)。そこで私は、○○駅から一駅先の、お客様の最寄り駅まで、そのお土産を持って行き、手渡すことを申し出たところ、お客様は驚きながらも、大変喜んでくれました(HOW)。後日またご来店くださり、再びお礼の言葉をいただきました(Example)

この経験から、相手の立場に立って状況に応じて気配りすることの大切さを学びました。この強みは、お客様に対し、真心でサービスすることをモットーにしておられる貴社の営業においても、十分に活かせる資質だと自負しています(Point)

2つの例文の具体性の違いはいうまでもありません。応募者が入社後にどのような仕事ぶりを発揮するかを採用担当者がイメージしやすいのがどちらであるかも明白です。

納得のいく自己PRを書くには、そのための準備が必要であることがお分かりいただけたと思います。
ぜひ、既存コンテンツの「例文付き!採用担当者の目にとまる職務経歴書の書き方」と「転職時の履歴書を上手に書いて書類選考で選ばれる3つのポイントとは? 」もご覧いただき、採用担当者の印象に残る自己PRを作成して、自信を持って面接に臨んでください。

ライタープロフィール

みらいみゆきコンサルタント事務所 代表
大場美由紀

JCDA認定CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、メンタル心理カウンセラー資格、女性労働協会認定講師、小論文講師。高校生に対する大学入試小論文指導講演を各地の高校にて多数行う一方、就活生のカウンセリングやES添削、社会人の転職・再就職支援のための講座を精力的に行っている。みらいみゆきコンサルタント事務所

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