採用担当者の目にとまる職務経歴書の書き方【テンプレート付】

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2021/06/06

転職するときには、履歴書と職務経歴書の提出が求められます。これらは書類選考に使われ、採用担当者が特に重視するのは職務経歴書です。採用担当者は、応募者の今までの経験が自社で活かせるのかを見極め、面接に進んでいただく方を決定します。

ここでは、営業、事務、経理、人事、秘書、機械設計、社内SE、生産管理の職種で転職を考えている方に向けて、職務経歴書に書くべき内容を解説します。また、最後に職務経歴書のフォーマットのダウンロードもご用意いたしましたので、ご活用ください。


職務経歴書に書くべき内容を把握しましょう

履歴書からは、これまで生きてきた人生の道程が見えるのに対し、職務経歴書からは、職業人としての道程を知ることができます。職務経歴書では、応募企業が求めていることに引き寄せて、自身の強みをアピールすることができるので、攻めの書類ともなります。従って、転職者にとって職務経歴書は、履歴書以上に重要なものとなり、書き方次第で評価が変わる可能性があると言ってよいでしょう。

職務経歴書は、履歴書のような決まったスタイルはなく、自由に書いてよいものですが、基本フォームは3つあります。時系列に職歴を示す「時系列型」(市販のものはこのスタイル)、業務内容ごとに書いていく「職能型」(適性や職務能力を強調するスタイル)、2つのスタイルを併せた「複合型」です。自分に合ったスタイルを選びましょう。

採用担当者が職務経歴書から知りたい5つのポイント

採用担当者が職務経歴書からどのような情報を得て、次のステップに進む方を選考するのか、ポイントを押さえておきましょう。

  • 【1】企業のニーズにかなった人材か

    新卒採用ではないので、当然、転職者には即戦力を期待します。経験した職務やポジションは、即戦力となり得るかを見定めるカギとなり、求める人材であるかを見極める材料となるのです。

  • 【2】プレゼンテーション能力

    職務経歴書のまとめ方からは、プレゼンテーション能力と情報処理能力を見ることができます。職務経歴書はあなたを売り込むプレゼンツールです。伝えたいことを明快かつ簡潔にまとめ、重要なことがしっかりと伝わる書き方は、たくさんの情報から大事なことをピックアップし、効果的にプレゼンする能力をそのまま示していると言えます。

  • 【3】発揮できる自身の強みに対する自覚

    自身の強みを知り、どこで発揮できるかを明確にアピールできるということは、裏を返せば、企業が求める人材を熟知した上での応募かどうかの判断材料ともなります。

  • 【4】記載内容の信憑性

    職務経歴書に記載している実務能力や実績は信憑性があるかという点も、当然見ています。これまでに携わった業務内容や身についている能力などについての棚卸しは正確かつ具体的に行っておく必要があります。

  • 【5】ポテンシャルの高さ

    ポテンシャルの高さが求められるのは新卒採用に限りません。これまでの職歴だけでなく、今後の意欲や熱意と可能性をアピールする姿勢が伝わってくる書面であるかも重要な決め手となります。

職務経歴書を作成するときに気を付けたい7つのポイント

採用担当者は、あなたの書類だけを見るわけではなく、当然多くの応募者の書類に目を通さなければなりません。興味を持って読んでもらうためには次の7つのポイントを考慮しましょう。

  • 【1】適度な文字数と見やすさ

    採用担当者が職務経歴書を見た時に、瞬間的に判断するのは文字の混み具合です。余白が目立つ職務経歴書からは熱意を感じられません。かといって、文字がぎっしり詰まった職務経歴書は読み手をうんざりさせます。適度な文字数で、かつ見やすさを考えることが、まず大切なポイントです。
  • 【2】一文は短く簡潔に

    長文は、結局何を言いたいのか伝えられないだけでなく、誤解につながることさえあります。場合によっては、プレゼンテーション能力の低さを露呈することにも。簡潔明快な短文で「できる職業人」をアピールしましょう。
  • 【3】レイアウトの工夫

    募集条件に記載された内容に合致している部分は、冒頭に書いてアピールしましょう。採用担当者が確認したい点をまず最初に示しておくことは関心を惹き、その後の内容を好意的に受け入れる姿勢につながります。
  • 【4】求められる職務経験を強調

    求められる職務経験は強調して書くことが大切です。職務経験をただ羅列するだけでは、即戦力となり得るかの判断材料としてインパクトの薄いものになってしまいます。企業のニーズをきちんと理解した上で応募していることを表すためにも求められる職務経験は強調して書きましょう。
  • 【5】営業職は実績を数字でアピール、販売職は人とは違う工夫点も

    営業職の場合、ポイントは数字です。売上高や契約件数、新規顧客獲得数などの実績を、数字で示せば説得力につながります。ただし、同じ業界内でも商品や顧客層によって数字の持つ意味も違ってくるので、目標達成率や対前年比などを使って数字の意味を理解していただけるように工夫しましょう。
    販売職の場合は、加えてコミュニケーション力や、自発的に工夫した仕事の取組み方法と、その結果をアピールすると良いでしょう。
  • 【6】技術職やIT職は専門知識やテクニカルスキルをアピール

    スタイルは時系列型をお勧めします。表現にも工夫をこらし、しっかりアピールできる職務経歴書を作成しましょう。プロジェクトの場合は、規模や目標、成果などをできるだけ具体的に書きます。特記事項として、資格や受賞歴などスキルの証明になる客観的なものを載せるとよいでしょう。
  • 【7】ヒューマンスキルを自己PRで売り込む

    自己PR書の提出を求められていなければ、職務経歴書に自己PRの項目を作り、強みや能力を売り込みましょう。たとえば、「私のセールスポイント」として強調したいヒューマンスキル(コミュニケーション能力、発想力、柔軟性、仕事への熱意ど)を箇条書きにするのもよいでしょう。

採用担当者が知りたいポイントと、作成時に気を付けたいポイントを押さえて、企業のニーズに合わせて経験と強みをアピールする職務経歴書を作成しましょう。その際、是非、曖昧な表現は使わず、自信を持ってきっぱり言い切る表現を使うことも忘れないでください。また、言うまでもありませんが、履歴書に記載した事項と矛盾していないかの確認も怠らないようにしましょう。

職務経歴書を作成しましょう

ここでは、職務経歴書を作成する準備についてご説明します。いきなり書き始めてもなかなか思うように書けないものです。自身のこれまでのキャリアをしっかり棚卸ししてみましょう。また、売り込む強みを明確にするためにも、自己分析は欠かせません。これらの準備を臆せず行うことが、納得のいく職務経歴書を書くための近道とも言えるでしょう。

キャリアの棚卸しと自己分析

キャリアの棚卸しと自己分析を行うことで、明確な転職目的、実務能力やヒューマンスキル、将来の目的意識を、強い信念で採用担当者にプレゼンすることができます。そのために、まず最初の就職から現在に至るまでの経歴を書き出してみましょう。そこに、新たな職務での「Will」(意欲)、「Can」(今までの経験からできること)、「Must」(求められる条件)を追記し、職務経歴書に書くべき内容を整理していきます。

具体的なキャリアの棚卸しの方法としては、これまでに勤務した企業ごとに、携わった業務をまず詳細に羅列します。次に、業務の横に、工夫したことや評価されたこと、失敗したことを記載します。そして、成功事例は「なぜ成功したのか」失敗事例については、「どう改善したのか」を記載しましょう。最後に、応募企業に売り込むことができる経験を抜粋して職務経歴書で強調する内容を固めます。 

自己分析をする際に大切なことは転職の理由が何であれ、まずはポジティブな思考に切り替えておくことです。その上で、自分の仕事に対する姿勢や、思考・行動の特性を洗い出します。当然、アピールできることばかりではなく、弱点も見えてくるはずです。この弱点をどう克服することができるのかが重要なカギです。そして、キャリアの棚卸しと併せて、企業で発揮できる「売り」となる強みを明確にしましょう。

職務経歴書の記入

記載する内容が決まったら、次は応募要項を考慮した上で、実際に書いてみましょう。 誰でも1回で納得のいくものが書けるわけではなく、何回か推敲を重ねる覚悟でまずは始めてみましょう。 職種ごとの記入例が入力されたフォーマットをご用意しました。ダウンロードして、職務経歴書を作成してみてください。

職務経歴書フォーマットのダウンロード

職務経歴書フォーマットのダウンロードページはこちら

自分でしっかりと推敲することはもちろんですが、提出する前に誰かに見てもらうことをお勧めします。自分では伝わるはずだと思っていても、読むのはあなたではなく他人なのです。独りよがりな文章では伝わりません。気のおけない友人や、転職支援会社のサービスを利用するなどして、客観的な意見を取り入れてさらにブラッシュアップするとよいでしょう。納得のいく職務経歴書で自信を持って応募してください。

*本記事は2016年6月6日に公開した内容を再編集して掲載しております。

ライタープロフィール

みらいみゆきコンサルタント事務所 代表
大場美由紀

JCDA認定CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)、メンタル心理カウンセラー資格、女性労働協会認定講師、小論文講師。高校生に対する大学入試小論文指導講演を各地の高校にて多数行う一方、就活生のカウンセリングやES添削、社会人の転職・再就職支援のための講座を精力的に行っている。みらいみゆきコンサルタント事務所

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