教職員、IT、医療の3業種を分析  厚労省の18年版過労死防止白書

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2018/10/30

 厚生労働省は30日、2018年版「過労死等防止対策白書」を発表した。それによると、民間企業における脳・心臓疾患の労災補償支給決定件数は2002年度以降、300件前後、うち死亡件数は100件前後で推移。これに対して、精神障害は02年度に100件に乗せて以降、ほぼ毎年増え続け、17年度は506件、うち死亡が98件に達している。同様に、地方公務員は10~20件前後で年度によってバラツキがあるが、精神障害は14年度あたりから増加傾向にあり、16年度は50件、うち死亡が14件の最高を記録している。

 白書は過労死が多いとされる教職員、IT産業、医療の3分野について分析している。教職員の場合、中学・高校教員の担任・部活動による長時間労働が目立ち、勤務時間は平均11時間半。保護者・PTAの対応にあたる「住民等との公務上での関係」も精神障害を招くストレス要因となっている。

 IT産業では、30~40代といった若い世代で長時間労働による過労死が目立ち、その要因は厳しい納期、顧客対応、急な仕様変更など。職場の人間関係もストレスになっている。医療では、医師の場合、診療・管理業務に伴う長時間労働がほとんどの要因を占めているのに対して、看護師は患者の暴力や入院患者の自殺などによるストレスで女性が精神障害をきたす例が多いと分析している。

配信元:アドバンスニュース

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