景気の現状は拡大傾向とみる経営者が7割も、横ばい傾向との見方も増加

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2018/09/28

 約7割の経営者は景気が拡大傾向にあると回答している一方、横ばい傾向とする意見も2割超に増加したことが、経済同友会が四半期ごとに実施している景気定点観測アンケート調査で分かった。

 経営者に対して景気の現状についての判断を聞いたところ、「拡大」(1.4%)、「緩やかに拡大」(75.0%)、「横ばい」(23.6%)となった。「穏やかに後退」、「後退」は0.0%だった。

前回の2018年6月調査と比較すると「横ばい」は6.9ポイント増加し、「拡大」は2.6ポイント減少した。

 今後6カ月の景気見通しについては、「拡大」(1.4%)、「緩やかに拡大」(62.5%)、「横ばい」(29.2%)、「緩やかに後退」(5.1%)、「後退」(0.9%)となった。今回の調査と比較すると、「緩やかに拡大」が12.5ポイント低下し、「横ばい」が5.6ポイント、「穏やかに後退」が5.1ポイント上昇した。

 景気見通しの根拠を聞いたところ、「設備投資の増加」(57.7%)、「個人消費の増加」(30.7%)、「輸出の増加」(19.1%)が多く挙がった。

 前回調査と比較すると、「設備投資の増加」、「輸出の増加」の回答割合がそれぞれ4.9ポイント、7.0ポイント低下しており、「輸出の減少」は6.2ポイント増加している点が目立った。

 半年後(2019年3月末時点)の対ドル円相場の予想は「110~115円未満」(53.6%)、株価の予想は「2万3000円台」(39.1%)が最も多い。

 昨今の保護主義的な通商政策によって「影響を受けている」(直接、間接合わせて)と回答する企業は38.1%となり、製造業では51.4%、非製造業では31.3%となった。

 両業種ともに「間接的に、影響を受けている」が「直接、影響を受けている」を上回った。

 「直接、影響を受けている」では、中国生産の米国向け製品の出荷見合わせ、関税によるコストアップなどの声が上がった。「間接的に影響を受けている」では、報復関税によるマーケット価格の変動、中国製品の輸出仕向国の変更の影響など。

 貿易戦争の悪影響を回避するための防衛策・対応策は、事業展開・計画の変更として「中国以外の顧客への販売シフト」「地産地消をベースに海外生産」、生産・調達の見直しとして「最終組立工程を日本から米国に移す」「他国工場への生産シフト」などの意見があった。

 調査は2018年8月27日~9月5日に実施し、経済同友会会員ら216人の経営者から回答を得た。
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