製造請負・派遣業に求められる「高齢者の雇用促進」と「業界検定制度」、「優良適正事業者制度」の3本柱でセミナー  東京を皮切りに全国5カ所で開催へ、技能協

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2016/11/11

 製造派遣・請負事業の業界団体、日本生産技能労務協会(JSLA、清水竜一会長)は11日、都内で「これからの人事労務管理のあり方セミナー」を開いた=写真。社会インフラとしての業界の役割のさらなる向上と充実を目指すセミナーで、今後注目される「高齢者の雇用促進」、来年度本格実施予定の「業界検定制度」、「製造請負優良適正事業者認定制度(GJ認定)」の3つを柱に、専門家の基調講演や研究者の解説、GJ認定事業者の取り組みや効果といった好事例発表会などを通して、参加者が多面的な角度から業界の労務管理について学んだ。

n161111_1.jpg 同セミナーは、東京会場を皮切りに、18日に福岡、25日に仙台、12月2日に名古屋、同9日に大阪の計5カ所で実施される。基調講演の講師は、この日は佐藤博樹・中央大学大学院教授が担当。福岡は今野浩一郎・学習院大学教授、仙台と名古屋が大木栄一・玉川大学教授、大阪は松浦民恵・ニッセイ基礎研究所主任研究員が務める。

 セミナーは3部構成で、第1部が「製造請負・派遣業における高齢者雇用促進ガイドラインセミナー」。第2部は「製造請負・派遣分野における業界検定制度について」。第3部は「GJ認定取得企業の好事例紹介」――の構成で展開された。

 東京会場の第1部では、「今から求められる高齢者の活躍」と題して佐藤氏が基調講演。製造請負・製造派遣など人材サービス業と高齢者雇用の特徴として、「プロパー社員の年齢構成は相対的に若いが、今から取り組みが重要。高齢のスタッフ社員の活用には取引先の理解が不可欠」と強調。雇用機会の開発と仕事意欲の喚起については、短期と中長期の視点から現場実態に即してアドバイスした。また、時代とともに仕事が変化する流れを見越して、実務で学んだ知識・経験の論理的な整理につながる社会人大学院などでの学習の重要性も説いた。

 続いて、昨年度から今年度にかけ、高齢・障害・求職者雇用支援機構委託の「産業別高齢者雇用推進事業」として委員会を立ち上げて議論し、今秋取りまとめた「ガイドライン」の冊子を基に、同協会とともに事務局を担った三菱UFJリサーチ&コンサルティングの経済政策部主任研究員の平田薫氏がポイントと活用法などを紹介した。

 関連して、ガイドライン策定の委員として参画した企業を代表して、ランスタッド執行役員の青木秀登氏が、自社の高齢者雇用の現状と実践内容を披露した。

 第2部では、製造請負・派遣分野における業界検定制度について、準備を進めている同協会の新宅友穂専務理事が、検定制度が求められている背景や政府の職業能力開発に関する意図などを説明。同分野の業界検定を協会が受託して約2年にわたる試行期間における経過を踏まえて、現状とこれからを分かりやすく伝えた。

n161111_2.jpg 第3部では、7年目を迎えるGJ認定制度の普及・啓発の一環として、制度の初年度に取得している企業の好事例紹介として、日研トータルソーシングの柿川光偉氏、平山の石ヶ森強氏が登壇=写真。取得によって得られた効果やクオリティー維持のために継続的に取り組んでいる事柄を、それぞれの会社の特徴を出して紹介。今秋、完成した好事例集第2版も来場者に配布され、業界のけん引役を担うためにも認定取得の必要性を呼びかけた。

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