自己PR対策!自分の長所・強みの見つけ方とアピール方法
※この記事は、2017年8月8日に執筆し、加筆・修正を加えたものです。
転職や就職活動で必要な自己PRですが、いざとなると「自分の長所の見つけ方が分からない」、「強みがないのでは......」と自己分析で立ち止まってしまうことはよくあります。
そこで今回は、自己PRで使える自分の長所の見つけ方、仕事に活かすアピール方法について、キャリアコンサルタントが解説します。
自分の長所の見つけ方
「長所」、「強み」というと、「自分にはそれほど自慢できるものはない」と弱気になってしまう人が多いようです。しかし、自分では「ごく自然で大したことがない」と思っていても、他の人と比べると実はもっと自信を持っていい良さを持っているものです。謙虚になりすぎることなく、自己PRでも強みとなる自分自身のアピールポイントを探してみましょう。
長所とはどのようなこと?
長所とは、文字通り「自分の良いところ、優れているところ」のことです。
"○○で一位"、"△△のスキルや資格を持っている"といった客観的な結果があれば分かりやすいですが、特別な資格や結果がなくても、職場で発揮できる長所はたくさんあります。
実践!自分の長所の見つけ方
では、どのように長所を見つけていけばいいのか、詳しい長所の見つけ方を解説します。
以下の流れに沿って実践してみましょう。
(1)自分について、3つの項目を振り返る
「得意なこと」、「人から褒められること」、「いつも心掛けていること」の3項目を振り返ってみてください。
(2)長所を『行動に関すること』、『思考に関すること』で分ける
出てきた長所や強みを『行動に関すること』と『思考に関すること』で分けてみましょう。
前者は「人前で話すことが得意」、「決めたことをコツコツ毎日休まず続けることができる」、「頼まれた作業の着手が早い」、「失敗しても粘り強く挑戦する」といった例が挙げられます。後者は「楽観的である」、「最悪の事態を想定して手堅く考える」などです。
行動に関することの例 | 思考に関することの例 |
---|---|
・人前で話すことが得意 ・決めたことをコツコツ毎日休まず続けることができる ・着手が早い ・失敗しても粘り強く挑戦する |
・楽観的である ・最悪の自体を想定して手堅く考える |
両方に当てはまるパターンもありますが、まずは「こんな時どうしている?」、「どう考えている?」と振り返ってみてください。
(3)白い紙に「長所」と「短所」を両方書き出してみる
長所と短所両方を紙に書き出してみましょう。
白い紙の中心に線を引き、「長所/短所」「強み/弱み」「得意/苦手」とセットで書き出してみる方法も有効です。
(応用編)将来の自分の長所でもいい
応用編として、「自分のこういうところをもっと伸ばし、それが他の人に認められる自分になりたい」という思いがあるならば、それを近い将来の自分の長所として書いてみるのも良いでしょう。
客観的な評価も確認する
見つけた自分の長所に自信が持てれば良いのですが、「こんなことを履歴書に書いていいのか自信がない」と、かえって悩む人もいるかもしれません。そんな時は家族、友人、職場の上司や同僚、転職エージェントやキャリアコンサルタントなど、周囲の人にあなたの人となりや働きぶりを聞いてみましょう。「あなたらしいね」と言ってもらえるものがあなたの長所です。周囲の人に納得感があるポイントを長所として挙げられればベターです。
周囲に自分の評価を聞くことで「自分らしさ」の確信を得るだけでなく、思いもよらなかった新しい長所を発見することもあるでしょう。
長所を見つけると自分に自信が持てるようになり、面接官や採用担当者への説得力が高まります。「今まで普通のことだと思っていたけれど、実はこれが自分の強みだ」と思える長所を確認できたら、次はその強みをアピールするステップに進みます。
見つけた長所を仕事に活かすための自己PR方法は?
自分らしい長所が見つかったけれど、ビジネスシーンにふさわしいのだろうか、どう仕事に役立てられるのか、と思うこともあるでしょう。そこで、自己PRで長所を上手に伝える方法を考えてみましょう。
長所は単語でなくても良い
長所を一言で言い表そうとすると「責任感が強い」、「粘り強さ」、「明朗快活」、「あきらめない」など、抽象的な言葉になってしまう場合があります。しかし、表現は、必ずしも単語でなくても良いのです。
「こういう時、こういうことができる」という短い文章の形でも大丈夫です。相手により具体的にイメージが伝わる表現をしましょう。そしてそれが仕事の場に応用できるスキルであれば、十分アピールになります。
「傾聴力」が強みの場合の、掘り下げ方の例
例えば「傾聴力」が強みだとします。この一言の中にどんな要素が入っているでしょうか。
- 「黙ってじっと聴く」
- 「相づちを打ち、質問するなどして相手の発言を引き出す」
- 「相手の発言を上手に要約して伝えることができる」
- 「話したくなる雰囲気を作れる」
- 「いつでも他の人の相談に乗れるよう手を空けている」
- 「最後に背中を押す」
- 「余計なアドバイスは言わない」
などがあります。
これらの要素の中で何が得意なのか、何に注力しているのかを見つめ直して文章で表現してみると、より自分自身の魅力が伝わります。
見つけた長所をより具体的に掘り下げる
「目標達成のための努力を惜しまない」という長所があるとしたら、下記のように掘り下げられます。
- ・「どのように目標や計画を設定するか」
- → 自分の能力より、できるだけ高く設定する
→ 与えられた目標を忠実に実現すべく計画を策定する
- ・「どのように努力するタイプか」
- → 計画的にコツコツ
→ 追い込まれるとパワーを発揮する
→ 納得いくまで粘りぬく
志望業種・職種で求められる資質に合う長所を選ぶ
人は多彩な顔を持っています。いくつか長所が見つかったら、その中から自己PRでアピールしたい先の仕事に合う長所を選びます。必要以上におもねったり飾ったりする必要はありません。「チームワークが必要な職場である」、「迅速で正確な事務作業を行う」といった、業種や職種に応じた「求められる資質」に合致した長所を採用担当者にアピールポイントとして伝えましょう。
自分の長所を活かす場面を、希望企業に提案する
仕事に応える気持ちに加え、自分から「こういう長所を提供できます」と提案する気持ちでアピールするのも一つの方法です。
例えば、営業など外交的な素質が求められる部署の場合は
「慎重できっちりした性格で、ミスや漏れのない管理体制を支えられます」
のように、外交的素質はもちろんミスのない体制作りができる点もアピールする、などです。
職場の状況や仕事の内容を理解したうえで、「自分の長所や強みを仕事に活かして役に立ちたい」という気持ちを伝えます。
具体的な自己PRの書き方や例文については、「就活生、転職活動者必見!面接へ通過するための上手な自己PRの書き方・例文」も参考にしてください。
いかがでしたか。ご自身の長所や強みは、すなわち「自分らしさ」です。
今回ご紹介した見つけ方を活用して自己PRにおいて「自分らしさ」をうまく表現できると、就職先で自分らしく取り組める仕事との出会いにつながります。
自分の良いところを活かし、自信を持って仕事に取り組んでください。
ライタープロフィール
遠藤 美穂子
国家資格キャリアコンサルタント。2級キャリアコンサルティング技能士。
14年間の都市銀行勤務を経て、キャリアコンサルタントとして活動開始。ハローワークでの研修講師や、ビジネスマナー指導、大学でのキャリア教育や就職指導を担当。講演のほか、書類の添削や面接でのロールプレイングなど実践的指導も行う。国際文化会館主催の次世代リーダー育成プログラム、新渡戸国際塾一期生。2児の母。
株式会社近代マネジメント