37%の企業が「賃金改善ある」 帝国データの12年度企業調査

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2012/03/05
帝国データバンクが3日発表した「2012年度の賃金動向に関する意識調査」によると、12年度の賃金改善が「ある」と答えた企業の比率は37.5%で、「ない」と答えた企業の35.1%を上回った。11年度の実績では過半数の50.3%が賃金改善を実施しており(当初見込みでは37.5%)、多くの企業が賃金アップに向けて努力している様子がうかがえる。

賃金改善をする理由(複数回答)については、「労働力の定着・確保」が58.3%で最も多く、「自社の業績拡大」の49.9%が続いた。逆に、賃金改善のない企業の場合、理由は「自社の業績低迷」が70.2%で最も多く、「同業他社の賃金動向」の21.3%を大きく上回っている。

今春闘では経営側は「定期昇給も凍結あり」と厳しい姿勢で臨んでいるのに対し、労働側は連合が「総賃金の1%アップ」を目標に掲げている。電機、自動車などメーカー系企業の業績が大きくダウンしていることから、労働側に不利とみられているが、全体交渉とは別に、優秀な社員を引きとめるために賃上げに踏み切る企業もかなりありそうだ。

一方、非正規社員に対する賃金改善は「ない」が50.1%と過半数を占め、「ある」の16.3%を大きく上回った。「安定受注を見込めない以上、非正社員で調整せざるをえない」「現実的に資金不足」を理由に挙げる企業が多く、中には「労働関連制度を根底から見直さない限り、格差問題は解決しない」という制度問題を挙げる企業もあった。

同調査は1月19~31日、全国2万3472社を対象に実施。有効回答は1万665社(回答率45%)。


配信元: アドバンスニュース


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