人事管理やキャリア形成の課題など学ぶ  サポートセンターの第2回勉強会

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2012/05/17
人事管理やキャリア形成の課題など学ぶ  サポートセンターの第2回勉強会
NPO法人「人材派遣・請負会社のためのサポートセンター」(高見修理事長)は16日、東京都内で「正規・非正規雇用をめぐる新たな動きと今後の人材ビジネスを考える」の第2回勉強会を開き、参加した約250人が講演を通して人事管理や派遣労働者のキャリア形成の課題などについて学んだ=写真。

この日は、講師の江口匡太・筑波大社会工学類准教授が「組織の論理と市場の原理:正規・非正規雇用における人事管理の問題」、小野晶子・労働政策研究・研修機構副主任研究員が「派遣労働者のキャリア形成の課題と今後の人材ビジネスの役割」と題して、それぞれ講演した。

江口氏は、専門分野の労働経済学、契約理論の観点から「雇用契約」の本質を明快に説明したうえで、正規・非正規雇用における「人事評価」の問題点をデータなどを基に多面的な角度から解説。「ITの進化によって定型化された作業を中心に、人にしかできなかった仕事もコンピュータで可能になってきた。正規、非正規を問わず、定型化しにくい作業をこなせる人、つまり数値などで『見えにくい業務』をできる人物の存在と評価が大切になる」と述べた。

小野氏は、研究テーマとして取り組んでいる派遣労働者のキャリア形成の課題について、この場合の「キャリア」の定義からこれまでの調査結果を順を追って丁寧に紹介し、30代半ばの分岐点までに正社員転換を促す、また、特に40歳以上(壮年層)の安定的雇用対策の重要性などを強調。加えて、派遣労働の労働市場での役割再考として、人材調達とマッチングのみならず、能力開発とステッピング・ストーンの役割へ重点を移す必要性を解いた。

同センターでは3回目の勉強会を6月6日に開き、講師に大内伸哉・神戸大学大学院法学研究科教授、伊藤実・労働政策研究・研修機構特任研究員を招く。参加申し込みは、下記の同サポートセンターホームページで受け付けている。
http://www.npo-jhk-support119.org/theme20.html


配信元: アドバンスニュース
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