安全衛生って何のこと? 安心して安全に働ける職場環境のために

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2023/05/01

スタッフの皆さんの健康と働きやすさを支えるための安全衛生活動。

あまり耳慣れない言葉で気に留めることの少ない「安全衛生」ですが、一体どんな取り組みなのでしょうか。ランスタッド業務管理部 安全衛生推進室の千徳 勝氏にお話を伺います。


安全衛生とは。職場でのリスクを抑えるために

――「安全衛生」とはどんな取り組みですか?

「安全衛生」は2つの仕組みからできています。1つは災害を防止すること、もう1つは健康を維持すること。要は、「皆さんが安心して安全に働ける環境作りをすること」がまず重要なポイントですね。
「災害防止」と「健康維持」が一番上にあって、それを守るためにどうするか。それが、雇い入れ側の責任範囲・労働者側の責任範囲として法律で定められています。

――安全衛生に関する法律とはどのようなものでしょう。

「労働安全衛生法」っていう法律があります。労働者が安全にケガをせず働けるように運用しなければならないことが法律で決められています。
例えば衛生管理者の資格を持つ人を配置しなければいけないとか、産業医の契約をしなければいけないとか。あとは危険な物を取り扱う場合にはケガを最小限に抑えられるように保護具を貸与しなければいけない等。それに則って、我々も法を遵守して管理をしています。

――安全衛生推進室は何をする部署なのでしょう。

法令はあくまで最低限の決まりなので、どうやって安全を担保しながらスタッフの皆さんにお仕事をしていただくかが大切です。支店のコンサルタントにアドバイスやフィードバックをしたり、危険な現場があれば直接伺って、派遣先企業の担当者様とお話をさせていただいたり。
もしスタッフさんがケガをしたとか業務上の事故に遭った場合には、行政に提出する書類を作成することもあります。

心して働ける職場環境のための取り組み

――具体的にどのような取り組みを行なっていますか?

もちろん法律は厳守していますけど、それだけでは不十分です。安全に仕事をしていただくために、新規のスタッフさんについては配置が決まったら勤務が始まる前に「安全教育」を行っています。「この現場ではこういう危険があるので気をつけましょう」といった内容です。

現場で事故を起こさせない環境作りとしては、よく言われているのが「5S」という活動ですね。整理・整頓・清掃・清潔・躾の5Sは工場などの現場でよく言われることですが、そういった基本をしっかりと徹底しています。

――現場によっても対応が異なるのではないでしょうか?

ランスタッドが行なっている派遣事業では多種多様な業態の派遣先企業とお取引があります。昼間働くスタッフさんもいれば夜に働くスタッフさんもいる。一本化するのは難しいので、派遣先ごとに対応していくことになります。派遣先企業も安全教育のための資料をたくさん持っていらっしゃるので、それをベースに現場での指導もしっかりしていただいています。

あとはランスタッドの営業担当であるコンサルタントや、請負の現場であれば現場の責任者がいますので、そういった社員にルーティンで現場の巡回をしてもらっています。実際に危険な箇所がないかどうかを見たり、作業している派遣スタッフさんに声を掛けさせていただいて、危険と感じたことはないか・健康を害するようなことがないか、ヒアリングをして現場の声を吸い上げています。

――危険な現場があった場合はどのように対処しているのでしょう。

支店経由で派遣先企業に改善を依頼しています。例えば歩行帯に光る塗料を塗ったり三角ポールを置いたりしてほしい、滑りやすい場所には滑り止め用のマットを敷いてほしい、暗い場所に明かりを採ってほしいなどですね。視界だけではなくて、体感的に「危険だ」と予知できるものを設置して対策をしていただきたい。そういったお話をしています。

あまり環境の改善に積極的ではない派遣先の場合には、支店から安全衛生推進室に相談をいただいて、安全管理の責任者として私の方から派遣先企業の方に改善をお願いすることもあります。
同じような業態の現場でこういう事故が起きた事例があるとか、以前こういうことがあったので再発防止のために事前教育や管理をしていただけないか、などですね。

――あまり協力的でない派遣先企業もあるのですね。

多くの派遣先では安全に関する提案をすることで「ランスタッドは安全への配慮意識が非常に高い人材会社」として安心していただけていると考えています。「そこまで考えてくれてるんだね」と派遣先から好評をいただいているケースが多くあります。

ただ一方で、環境にリスクがあったとしても、改善には費用がかかるので対応できないとか、他の派遣会社のスタッフもいるのでランスタッドのスタッフのためだけに対応できないというケースも珍しくありません。スタッフの健康を考えれば安全配慮義務として正す必要があるのではないかと指導させていただくこともありますし、ランスタッドの方で費用を負担して環境を改善する場合もあります。

派遣という雇用の特性上、派遣先企業でお仕事をしていただいているので対応が難しいところもありますが、派遣スタッフさんの契約上の雇い主はランスタッドです。当然、派遣先企業も協力しなければならないことになっていますが、スタッフの皆さんの安全衛生についてはランスタッドが責任を持って対応します。

スタッフの安全と健康を守るために

――スタッフ自身が気をつけるべきことはありますか。

あまり体調が良くないようであれば、きちんと担当コンサルタントに話をしてお休みを取るとか、立ち仕事の業務であっても、その日は座り仕事に替えてもらうとか。そういった対応方法もあるので、まずはコンサルタントに相談していただきたいです。

これから気温が上がってくると熱中症に関する事故が非常に増えてきます。これは環境の問題もありますが、半分以上は自己管理があまりできてないことによって引き起こされています。
業務の前日に深酒をしちゃったとか、寝不足で仕事に来ちゃったとか。そういった体調不良の状態で職場に来て、たまたま業務中に症状が出てしまう。大きな事故にもつながりかねませんので体調管理をしっかりしていただき、調子が悪ければ無理せずに休むようにしていただきたいです。

――急に休むと責められる気がしてしまいそうです......。

担当コンサルタントはスタッフの皆さんの上司ではなく、皆さんの味方です。皆さんのヘルプをする存在なので、まずは担当に相談していただきたいですね。体調不良については専門的な先生に相談することもできるので、メンタルの不調なども感じたら、我慢しないで話してほしいです。

もし業務が原因となっている病気やメンタル不調だと認定されれば、労災の適用を受けることで自己負担なくきちんと治療を受けることもできます。ナイーブな問題なので、なかなかオープンに話すのは難しいかもしれません。でもスタッフの皆さんは、ランスタッドで働いている間は何かあっても労災保険の適用を受けることができるので、安心して働いていただきたいです。

―体調不良や不調を感じた時は、まずはコンサルタントに相談ですね。

ランスタッドも環境改善のために取り組んでいますが、安心して働ける環境を維持するためには、スタッフの皆さんにもきちんとルールを守り体調管理に気をつけていただきたいです。そして体調に不安がある時や不調を感じた場合は、コンサルタントに話をしてください。

まとめ

  • ●「安全衛生」とは、働く人の「災害防止」と「健康維持」のための取り組み
  • ● 安心・安全の職場作りのために、危険を感じる場所があればコンサルタントに報告を。
  • ● 災害防止と健康維持のためにも、5Sや自己管理という基本を大切にする。
  • ● 職場で不安を感じる点や、体調不良・不調・事故の際はコンサルタントに報告・相談。

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ライタープロフィール

フリーライター 川村千里
 

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