幸せに働く!女性のための「仕事選び」。ワクワクするセカンドキャリアを!
幸せに仕事をする「コツ」はあるのでしょうか?実は、最初に「どう働くか」をきちんと考えることが大きく影響します。仕事選びでは、「お金のため」「子供のため」「社会と繋がっていたい」「自分の専門性を活かす」など、人によって目的は様々です。だからこそ、きちんと考え、納得して選び、一歩を踏み出すことが大切です。自分が納得できる仕事選びのポイントを、人事のプロが伝授します。
あなたは、なぜ仕事をするのでしょうか?
なぜ仕事をするのか?ここを明確にしておくと、仕事を始めてからの満足度、充実感、次へのステップが明確になります。また、仕事をしないという選択肢もある中、あなたはなぜ仕事をすることを選んだのでしょうか。一つ一つ考えてみましょう。
働くことは、人間の本質的な喜び
そもそも「働くことで、幸せを感じる」という、人間の本質的なこともご紹介しましょう。
ある禅寺のお坊さんによると、幸福とは、
- (1) 人に愛されること
- (2) 人に褒められること
- (3) 人の役に立つこと
- (4) 人に必要とされること
で、しかも(2) ~(4) は働くことによって得られる、とおっしゃっています。
案外忘れていることかもしれませんが、確かにその通りです。またこの4つの幸せは、家族の中にいても得られる幸せですね。むしろ家庭内の方がわかりやすいかもしれません。では、外で働くということを選ぶのはどうしてでしょうか。
仕事をする理由は?
働く理由は、大きく3つにカテゴリー分けできると思います。
- (1) 経済的安定 → 金銭面での安定、社会的成功の証
- (2) 精神的安定 → ブランクが怖いなどの不安をなくしたい
- (3) 自己実現 → 専門職の方など、明確にある目標の達成
あなたが働く目的は、どのカテゴリーに入りますか?
経済的安定を求める場合、仕事を探すとき給与から見ていき、精神的安定を求める場合は、今の自分にできそうな仕事を探していきます。自己実現の目指している場合は、もう仕事内容は決まっている場合がほとんどです。
先ずは「なぜ働くのか」を自分の気持ちに正直になってじっくり考えてみましょう。ここがはっきりすると、仕事の選び方、仕事を始めてからの仕事への向き合い方が変わってきます。
納得感のある仕事を選ぶと、「働く姿勢」も変わる
では、納得感のある仕事を選ぶと、仕事への向かい方は、どう変わるのでしょうか?例えば、同じルーティンの仕事でも、自分の中に次のステップや目標があると、「この仕事をいかに効率的に進めるか」や、「どうやって質を高めるか」まで考えるようになります。その結果、自分もワクワクしますし、周りからの評価も高くなり、やりがいを感じ、幸せに働くことに通じていくのです。
データに見る女性の働き方の移り変わり
では、一般的な傾向としてはどうでしょうか。データから労働力の変化と、女性の意識の変化を見ていきましょう。
(1) 女性の年齢別労働力人口の推移
出展:内閣府男女共同参画局「女性の年齢階級別就業率の推移(昭和61~平成28年) 」
かつて、女性の労力率は、M字カーブを描くと言われていました。以前は結婚・出産時期に労働力率は低下し、育児が落ち着くと再び上昇するラインを描いていました。
今はM字の谷部分が浅くなっており、女性の労働力が低下する年齢も高くなってきています。出産の時期が遅くなったことと、仕事を辞める理由が結婚・出産ではなく、子供を預ける問題に変わってきていると考えられます。
(2) 女性の就労に関する意識の変化
出展:内閣府男女共同参画局「女性の就労に関する意識の変化(女性) 」
女性側の意識も、「子供ができたら仕事を辞めた方が良い」から、「子供ができても仕事を続けた方が良い」に変わりつつあることが、この図からわかります。女性の社会進出に伴って、良い条件の仕事や、やりがいのある仕事を続けたいと思っている割合も増えていると言えるでしょう。
(3) 共働き世帯数の推移
女性の社会進出が増加するのに伴い共働き世帯の数も増加しています。内閣府のデータによると、いわゆる専業主婦世帯が年々減少し、20年ほど前には共働き世帯数と専業主婦世帯数が逆転。現在では共働き世帯数が専業主婦世帯数の2倍に追いつく勢いとなっています。
女性の就業意識の変化や企業の育児休業制度の整備によって、ここ20年ほどで働き方が大きく変わってきました。女性が仕事を辞める理由や時期も様変わりし、また今も「働き方改革」が注目され、更に働く環境が大きく変わろうとしているなか、自分のキャリアをどう作っていくかが、とても重要になります。
特に女性の就業は、家族や周りの環境によって大きく変わる傾向が強く、常にその変化に対応できる準備をしておくことが、「幸せに働く」ことにつながるのではないでしょうか。
実践!自分の強みを棚卸しし、キャリアストーリーを描いてみよう
ここからは、幸せに働くために、「きちんと納得して仕事を選ぶ」ことを考える、実践的な方法をご紹介します。
キャリアの棚卸しで、自分が思うあなたの強みを確認しよう!
なぜ「キャリアの棚卸し」は必要?
あなたの将来は未知数です。特に女性は、家族や周りの環境の変化に影響を受けやすいので、未来のあなたを想像してみると、たくさんの「もし」があると思います。「もし子供ができたら」「もし親の介護が始まったら」「もしパートナーが転勤したら」と、想像は尽きることがありません。
先ずは一旦、過去の自分を仕事の面からひも解くことから始めてみましょう。今までの仕事を書き出し、文章にし、見える化して、それを客観的に見ることはとても大切です。キャリアの棚卸しは、頭で考えているだけだと、忘れた過去を発見することができません。きちんと書き出して何度でも見直せるようにしましょう。過去をひも解くことが、未来を考えることに繋がります。
▼キャリアの棚卸しシート例
「キャリアの棚卸しシート」書き方のポイント
では実際に書いてみましょう。ポイントは2つです。
- (1) 事実を書くこと
- (2) あまり深く考えないで、頭に浮かんだものから書くこと
そうすると、自分が気に入っていていた仕事もわかってきます。とても小さく、短い期間しかやらなかった忘れていた仕事が出てくるなど、思わぬ発見があります。そんな業務は、本当は自分が一番ワクワクして、自信に繋がった仕事だったかもしれませんね。
最後に、過去の発見から、未来のあなたを想像してみましょう。
キャリアストーリーを作って、将来の不安を吹き飛ばそう!
「キャリアストーリー」を作る効用
あなたの中で、仕事をする目的がだんだん明確になってきたと思います。しかし、頭で考えているだけでは、日々の生活に流されてしまい、じっくり自分の将来を考えることをしない、という方が大半です。
そこで、キャリアストーリーを描いていきましょう。実際に用紙に書き、書いたキャリアストーリーを何度も見て、人に話し、その話している自分の声を自分で聞く。もう一度自分の脳に入ってくることによって、将来について何度も考えるようになります。同時に、書かれたものを見ると、客観的に、そして冷静に判断することができます。
ポイントは、描いた未来の自分がしっくりくるか、です。しっくりこないストーリーでは、あなたはきっと努力できなくなるでしょう。幸せに働くためには、しっくりくるストーリーを描くことが大切です。
最後に、出来上がったキャリアストーリーをご家族や友人に話してみましょう。彼らは、あなたの大切な応援団であり、仲間です。本当に苦しくなった時に元気付けてくれ、うれしい時に共に喜んでもらえる存在はとても大切です。
▼キャリアストーリー例
「キャリアストーリー」書き方
では実際に書いてみましょう。まず最初は、「何歳でどうなりたい」という目標的な大枠のゴールを見据えます。そこに向けて、何歳で何をして...というステップを考えていきます。このステップが細かいほど、実現性があります。遠い将来は粗くても良いですが、直近はなるべく細かく作ってみましょう。
このシートには、ご家族も入っています。パートナーや子供などご家族のことも一緒に考えられることが、このシートのポイントです。
- (1) 「キャリアの棚卸し」で書いた、「あなたの未来のイメージ」を家族の年齢に合わせて書いてみる
- (2) 書いたものを見る(味わう) → しっくりきますか?ここは重要で我慢のしどころです。なかなかしっくりくるものが書けないかもしれませんが、根気よくしっくりくる未来を描いてみましょう
- (3) ご家族や友人に話す → 相手に理解してもらえるように話すため、自分の頭の中も整理できます。
自分で話しながら、それを自分で聞くことで、再度、頭の中を整理することができます
一番大切なのは、それを見て「しっくりくるか」「ワクワクするか」です。違和感があれば何度でも変更します。「自分の将来を妄想できて楽しい」くらいに思いながら作ってみてください。
作成するときの注意点
先ずは、ご家族を考えずに、ご自身のやってみたいこと、考えていることを書いてみましょう。その後、見直すときに、ご家族のことも考慮します。一旦は、自分の素直な願望を書いてみましょう。自分でもびっくりするようなことが出てくるかもしれませんね。
セカンドキャリア。一度は働いたことがあるのに、二度目のキャリアはなんだか不安。でも、「なぜ、何のために働くか?」が明確になると、どんどん先に進めるようになります。是非、ご自身のキャリアストーリーを作って、働いて良かった!と思えるようなお仕事を始めましょう。きっと幸せになれます!
ライタープロフィール
ヒトノコト代表
渡辺 みさき
ソニーグループに入社、人事部へ配属。新卒・経験者採用にて、2000名以上の面接を行う。人材育成・社内研修の構築・実施、ジョブローテーションの策定・実施。経営企画部にて、新規事業所設立、グループ内企業合併時の諸規定整備、広報、渉外業務に携わる。
2016年、「ヒトノコト」設立。鎌倉市を中心に、採用や人材育成など各種人事サービスを提供している。鎌倉市との協働事業「キャリアのセカンドステップセミナー」講師。心理カウンセリング1級。コーチング1級認定。CDAカリキュラム(養成講座)修了。