共働きの家事分担で離婚危機に!?~働く妻の本音座談会~
共働きの家事分担、皆さんはどうしていますか?収入や労働時間で分担?多くの家庭では、妻側の負担が大きく、出産後の職場復帰をきっかけに家事分担で離婚の危機を感じるほど、妻にとっては深刻な問題なのです。今回は覆面座談会で共働き女性にパートナーへの本音と対処法を赤裸々に語ってもらいました!
参加者プロフィール
- Aさん(30代後半)
- 夫の家事育児には多少の不満はあるが、よくやってくれていると感謝もしている
・家族構成:夫婦と息子(2歳)の3人
・勤務:時短勤務を経て、現在は8:30~17:30のフルタイム勤務
・パートナー:在宅勤務も可能で、比較的フレキシブルな勤務体系
・実家のサポート:夫の実家は近隣。自分の両親は地方都市在住で頼れない - Bさん(30代後半)
- 夫婦揃って早朝に起床。朝から洗濯、家事に夫婦でフル回転
・家族構成:夫婦、長女(保育園年長)、次女(保育園年少)の4人
・勤務:6時間(9:30~16:30)の時短勤務
・パートナー:バックオフィス系で比較的融通がきくが、時期によって出張が相次ぐことも
・実家のサポート:双方ともに親は地方在住のため頼れない - Cさん(30代後半)
- 家事を全くしない夫は単身赴任中。最近両親との同居を開始するも家事の量は変わらない
・家族構成:夫婦(夫は単身赴任中)、長女(2歳)、自分の両親の5人
・勤務:6時間(9:30~16:30)の時短勤務
・パートナー:地方勤務で、帰宅は月1回
・実家のサポート:同居の両親に平日の夕食を作ってもらうも、それ以外の家事負担は多め - Dさん(30代後半)
- 夫は家事をやる気はあるが平日不在、近所の実母ヘルプでは嫌味を言われることも
・家族構成:夫婦、双子の娘(保育園)、長女(小学生)の5人
・勤務:6時間(9:30~16:30)の時短勤務
・パートナー:夫は早朝から深夜まで勤務することが多いハードワーカー
・実家のサポート:自分の両親が近隣に住む
目次
●仕事と育児を両立する共働き夫婦も、その様子は様々
-朝は出勤時間の遅い夫に半分おまかせ
-夫婦で早起き!6時半に出勤する夫と家事・育児を分担
-夫は単身赴任中、同居の実両親との関係もなかなかシビア
-超ハードワーカーの夫は「平日不在」、実母のヘルプにも苦悩が
●家族が増えると、妻の負担だけが増加!?
-育児ストレスでじんましんに。「病院に行けば?」の夫の一言
-子どもが泣いたら「こんなに泣かせてかわいそう」と言うだけの夫
-2人目の壁と、産後クライシス
-ゴミ置き場にゴミを持っていくだけがゴミ捨てか!?
●対立不可避!?妻にとっては『離婚』を考えるほどの大問題
●夫婦間の衝突を重ねて気づいたこと
-気づいてよ、はダメ!言わなきゃ分からない
-両立が大変なら仕事を辞めればいい?そういう話じゃない!
-両立のために、夫側が働き方を変えた!
●共働きの家事分担、上手くいくヒントは何なのか
仕事と育児を両立する共働き夫婦も、その様子は様々
朝は出勤時間の遅い夫に半分おまかせ
Aさん:
私は8時半に勤務開始。夫は1時間遅いので、子どもの起床と朝食、着替え、連絡帳の記入は私が、夫は歯磨き、検温、保育園への送りを担当しています。
夕方は私が5時半に退勤して子どもを迎えに行き、夕食を食べさせます。男同士のコミュニケーションがあるからと、お風呂は夫担当。寝かしつけるときは「パパと寝る?ママと寝る?」と子どもに選ばせます。
夫婦で早起き!6時半に出勤する夫と家事・育児を分担
Bさん:
私も夫も朝5時半ごろ起床。夫は洗濯、子どもを起こす、下の子の保育園の準備。私は朝食の準備と夕食の下ごしらえ。6時半に夫が出勤。私は朝食を子どもに食べさせて家を出ます。基本、保育園の送迎は私です。
退勤は4時半、保育園に寄って帰宅は6時半過ぎ。夕食は朝に準備したものがあるので、7時過ぎには食べられます。
一同:すごい!
夫は単身赴任中、同居の両親との関係もなかなかシビア
Cさん:
夫が単身赴任をするのと同時期に自分の両親と同居を始めました。
平日の夕食準備と洗濯は、基本、親がしてくれますが、子どもの洗濯物の量が多いので自分でもします。土日は私が全ての家事をやっています。
一同: ええー!
Cさん:
両親は子育てから離れて、自分たちの時間を謳歌していたところで同居になったので、無言のプレッシャーを感じて(笑)。
そもそも夫は家事を全くしなかったので、家事育児の負担量は実は変わらない。夫がいない分、「相手がやってくれないかな」という期待もないし、イラっとはあまりしなくなったかな。
超ハードワーカーの夫は「平日不在」、実母のヘルプにも苦悩が
Dさん:
夫の帰宅は毎日深夜1時過ぎ。で、朝は7時前には出勤していきます。
司会: 平日不在ですね。
Dさん:
朝も私が双子を保育園に連れて行きます。夕方は保育園で双子を、次に学童保育で長女をピックアップして6時半に帰宅。夕食後は子どもたちだけでお風呂に入っている間に残りの家事を済ませ、9時には寝ます。
子どもが起きている時間、夫は家にいないですね。夫の夕飯も作っていません。 夫には家事育児をやる気持ちはすごくあるけれど、その時間がない。事前に調整すれば、長女の学校行事に行ってもらうこともありますが、急に仕事を休むのは難しい。本当に困ったときは近くに住む母に頼みます。孫を優先はしてくれますが、嫌味も言われるので、実の母でも気を使いますね。
Cさん:
実の親との距離感、難しいですよね。
家族が増えると、妻の負担だけが増加!?
育児ストレスでじんましんに。「病院に行けば?」の夫の一言
司会: 夫婦の関係は子どもが生まれてから変わりましたか?
Bさん:
以前は11時過ぎに帰宅、夕食は作らない、洗濯物は部屋に干しっぱなし、着るものもそこから選ぶ(笑)。
Dさん:
そんなもんですよね、子どもがいないと。
Bさん:
1人目の育休の時は「ちゃんとしなきゃ」と、ご飯を作って夫の帰りを待つ、初めて主婦らしいことをできて楽しかったな。でも、2人目の時は、上の子の"赤ちゃん返り"と"イヤイヤ期"で癇癪がひどくて、保育園に迎えに行っても「ママじゃ嫌だ!」と暴れて。
その瞬間、ババッとじんましんが出ました。「このままじゃストレスで体を壊す」と思って夫に状況を話しても全然分かってくれず、挙句、「病院に行けば?」と言われて耳を疑いました。ただ話を聞いてくれるだけでいいのに。
一同:それはキツイ!
Bさん:
共働きの時は夕食後の片付けも一緒にしてくれたのに、夫1人で悠々とソファに座ってテレビを観てる。「何で!?」とイライラ。「夫ストレス」です。
子どもが泣いたら「こんなに泣かせてかわいそう」と言うだけの夫
Cさん:
うちは産休・育休に入ってから、「うちにいるんだからやってよ」的なプレッシャーがありましたね。
あとは子どもが「ふぇっ、ふぇっ」とぐずるだけで「こんなに泣かせてかわいそうじゃないか」と夫に責められたり。常に子どもと一緒にいる私にしてみたら「お腹が空いて少し泣いているだけですけど?」みたいな。
司会: オムツ換えはどうですか?
Cさん:
言えばやるけど、うんちは嫌だから「ちょっと臭いぞ」と言うだけ。臭いと思うなら自分が換えれば良いのに。
Bさん:
うんちのおむつ換えのハードルはよく聞きますね。うちの旦那はわりと平気で、私も「うんち出たから換えて」って言っちゃう(笑)。
Cさん:
そうか、頼んじゃえばいいんだ。でも、その後の「やってやったぞ!」感がすごく嫌。
一同: あー、嫌だー!
2人目の壁と、産後クライシス
Dさん:
うちの旦那は子どもが生まれる前からずっと激務。それでも1人目の時は良かった。でも双子で2人目、3人目が同時にスタートしたときはとにかく大変で、子どもが増えるごとに夫への愛情がキュウっと小さくなる。夫は「お給料を稼いでくる人」。
最初は子ども1人に大人が2人。でも今は子ども3人に大人が2人。子どもも大人もみんな泣いてる(笑)。産後クライシスです、本当に!
Cさん:
うちの旦那は「2人目が欲しい」と言いますが、その旦那が変わらない限りは無理。
Aさん:
お話を聞いていると、上の子も下の子の面倒を見てくれそう。2人目の大変さは2倍ではなく、1.5倍くらいなのかな。でも、まだ2人目には踏み切れない。
ゴミ置き場にゴミを持っていくだけが、ゴミ捨てか!?
Aさん:
育休って特に初期はパートナーから「時間がある」と思われがち。でも、3時間おきに授乳して、子どもが眠っても、ちゃんと息をしてるか心配して。全く「休み」じゃない。夫婦間の対立も頻繁でした。
たとえばゴミ出し。夫のゴミ出しは「ゴミをゴミ置き場に持っていく」だけ。実際は、家中のゴミ箱からゴミを集めて、分別して、ペットボトルは中を洗ったり。そういったプロセスを理解していない。ゴミをまとめてキッチンに置いておいたら「玄関まで持ってきてくれると、ゴミ出しが楽なんだけど」と言われてすごく腹が立ちました。
一同:分かる!
Aさん:
こちらはずっと赤ちゃんの相手をしていて、寝不足で心身ギリギリの状態でやっているのに、と。
対立不可避!? 妻にとっては『離婚』を考えるほどの大問題
司会:子どもができてからの苦悩を聞いてきましたが、「もうやだ、離婚だ!」と考えたことは?
Aさん:
めちゃめちゃありますよ(笑)。夫婦2人のときは何かでぶつかっても、うやむやで済ませられたけど、子どもができてからは、うやむやに出来ないぶつかり合いが多くなった。話し合っても平行線だと「もう別れるしかないよね?でも親権は渡さないけど!」って(笑)。
一同:(笑)。
Dさん:
確かに、子どもができて初めて、それまで全く考えなかった「離婚」が身近になって、離婚する人の気持ちが分かった。「離婚届取ってくる!」はあったけど、親権問題までは(笑)。離婚したら3人分稼げるかな。
Bさん:
うちは2人目の育休中に旦那に「離婚」を何度も口にされて、腹が立ったので「次にそういうこと言ったら本当に離婚するよ?」と逆に脅しました。旦那の実家にも「あなたの息子が離婚すると言っています」と電話して。
義父は「息子は何をした?酒か?ギャンブルか?女か?」って。早合点して「浮気は生物の本能だから許してやってくれ」とまで言うので、「落ち着いて!浮気じゃないんです!」ってなだめて。逆にこちらが冷静になった(笑)。
一同: お義父さん、面白い!
夫婦間の衝突を重ねて気づいたこと
気づいてよ、はダメ!言わなきゃ分からない
司会: 皆さん、それぞれ修羅場を経験されていますね(笑)。その衝突の中で気づいたことはありますか。
Aさん:
旦那には何度か「辛い」と泣かれました。「一生懸命ご飯作って、洗濯物たたんで、頑張っても怒ってる。どうしていいか分からない」って。 私と同じ家事レベルを求めていることもプレッシャーだったみたいです。「洗濯物は伸ばして干す」のが当たり前と思うのですが、彼は知らない。「タオルは引き出しのサイズに合わせてたたんで」とか、言葉で具体的に伝えることが大事。やっぱり言わないと分からない。
Cさん:
私も旦那に「抽象的に言われても分からない。具体的に説明して」と言われた。
Bさん:
うちも旦那の家事・育児は基本的にすごく雑。最初はガミガミ言ってましたが、あるケンカの時に「何かやるたびに怒られないか、ものすごく気を使ってる」と言われて。それからは、多少洗濯物がぐしゃぐしゃでも、黙ってもう一度洗うとか、大目にみるようになりました。
両立が大変なら仕事を辞めればいい?そういう話じゃない!
Dさん:
うちは平日に夫不在なので、「(家事・育児を負担するのは)私ばっかり!」って不満が、定期的に爆発します。そうすると「自分が早く帰るのは無理だから、そこまで言うならそっちは仕事辞めていいよ」と言われます。
一同: え~!
Dさん:
私は「嫌だ。絶対辞めない! 自分のお小遣いも欲しいし、保育園も退園しなきゃいけないし」って。
Aさん:
私が働く目的には、視野を広げるとか、能力を高めるとか、力を試したいとか、自己実現的な気持ちもある。簡単に辞めればなんて言われると、自分のことも理解してもらえてないという気もしますね、相手にも「あなたが今の職場で働く意味はお金だけ?」とちょっとかわいそうに思いますよね。
Dさん:
うちは「俺は家族を養うために今の職場で働いている。家族がいなかったらとっくに転職している」と言われました。
両立のために、夫が働き方を変えるケースも
司会: 子どもがいても転職はできますよね。今は終身雇用の時代じゃないし、激務の方はより良い職場を求めて転職するのも一つですよね。
Aさん:
転職ではないですが、うちの旦那は私の復職前に働き方を変えました。平日は出張で週末に帰宅するだけでしたが、自宅から通勤でき、就業時間が決まっている部署へ移りました。
Bさん:
うちも同じです。融通の利くポジションヘ異動して帰宅時間が早くなった。直接そうは言ってなかったけど、家族のことを考えたのかなと思います。
共働きの家事分担、上手くいくヒントは何なのか
司会: 最後に、共働きで家事・育児を回していくために、どんなことが大切だと思いますか?
Dさん:
うちは夫を頼らず、子どもが自分でできるようになることを考えて、引き出しや収納棚など、あちこちにラベルを貼っています。旦那にしょっちゅう「あれどこ?」って言われなくて済みます。
Aさん:
私は、相手に完璧を求めないことかな。旦那は料理好きなので、彼にできることは自由にしてもらおうと思って。「あなたに任せるわ」って。子どもに野菜をどう食べさせよう、とか一生懸命考えてくれる。
Bさん:
うちはちゃんと自分で完結できるようなことは全部旦那にお願いしちゃう。食洗器の中に食器が残って、他にも片付けたいものがあるときは「私がこれやるから、ちょっとそれをやっておいてくれる?」と、2人で片付けようという流れにしています。
司会: 一緒に別々のことをやるということですね。
Cさん:
私はせっかちなので、旦那にも早くやってほしいけど、「無理なんだ」と悟ってからは、彼ができることを、時間をかけてもいいから、取りあえずやってもらうようにしています。任せて、ただ待つ(笑)。
Aさん:
うちは割とオーバーにお礼を言いますね。「これやってくれたの? ありがとう!」って。「すごい鼻につく」って言われますが(笑)。まあ、感謝の気持ちを口に出して、伝えることは大切かな。
いかがでしたか?共感したり、なるほど!と感じたことはありましたか? 共働き家庭の家事・育児の分担は、パートナーの協力が不可欠。良好な関係を維持するためには、お互いに完璧を求めないことが大切なのかもしれませんね。
キャリアHUB編集部