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- 東京都出身。中高一貫の男子校を卒業し、武蔵大学に進学。経済学部にて経営学を中心に学ぶ。学生時代は百貨店でのアルバイトに明け暮れる。通信機器の専門商社の営業を経て、2000年にランスタッド(旧パソナソフトバンク)へ入社。
人事への道筋を探り第二新卒で人材業界へ
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学生時代は百貨店でのアルバイトに明け暮れた本田洋一郎。お客様とのコミュニケーションに面白さを感じた経験から営業職を志望し、新卒で通信機器の専門商社に就職します。
「勢いのあるスタートアップの会社でしたが、あまり制度がクリアではありませんでした。人事制度や社員に向けて良い仕組みを作れる立ち位置で仕事ができないかと思うようになって。未経験でも人事の道を歩めるような路線を考えましたが、その当時は無かったんです」
そこで本田は方針を転換。営業の経験を生かしつつ、人事部と接する機会も多いという人材業界に入り、ゆくゆくは人事畑に進んでいこうと考えたのです。第二新卒として人材業界に飛び込み、コンサルタントのキャリアをスタートさせることになります。
「新宿の支店で首都圏を中心に営業していました。一番難しさを感じたのは、当時22、23歳の私が40代、50代の方に対して生活に関わるキャリアを後押ししていくこと。やりがいも見出していましたが、結構プレッシャーがありました」
小さな子どもがいたり大きな節目に立っていたりする目上の方に、どのようなスタンスで臨めば良いのか。本当にベストな仕事を紹介できるのか。その役割に本田は大きな責任を感じていました。
「上長の方と話をする機会が多く、社内でも比較的年齢が高めの方とコミュニケーションを取るようにして、いろいろと質問していました。実際に担当させていただいたスタッフさんにも『言葉遣いや態度におかしなことがあったらどんどん言って下さい』という姿勢で臨んでいたので、それが良かったのかもしれないです」
そうやって信頼を獲得していった本田。IT系の専門人材を扱う部署に異動した後、シニアコンサルタントの役職を飛ばして一気にマネージャーへと駆け上がります。
失意の中で気づいた、独りよがりだった自分の過ち
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2008年頃、大手ITベンターとランスタッドの前身であるフジスタッフが、合弁でIT系専門の人材会社を立ち上げました。本田はそのセールス側のマネージャーに抜擢されます。しかし、それはくしくもITバブルがはじけたタイミング。最終的に会社を清算し、本田はフジスタッフの宇都宮支店に課長として戻ることになったのです。
「宇都宮はフジスタッフ発祥の地。歴史ある支店でやってきているメンバーには、“皆で勝とう”という文化ができあがっていたんです。その中に自分が入ったときに、最初はすごく違和感を覚えました」
違和感の理由はどこにあるのか。突き詰めると、宇都宮のメンバーと自分とはまったくスタンスが異なっていることに気付いたのです。
「コンサルタント経験が短くいきなりマネージャーになったこともあって、自分の数字が上手くいけばいいという感覚でやってきていた。チームの動きではなく自分よがりの動きが目立ってしまったんですよね」
チームを意識する宇都宮支店のやり方で仕事と向き合うようになった本田は、大きな変化を感じます。それまでよりもメンバーが活性的に動き、数字がついてくる。皆が成長していくという実感が得られたのです。
「自分は大きく間違っていたんだと痛切に感じました。メンバーと組織を大きくしたり、結果を出すためにどうしたら良いかを考えるようになったのは大きな転換点でした。自分に喜びを与えるためには他人に喜んでもらうのがベストで、その見返りは、自分自身の喜びと満足につながっている。今もそのスタンスを貫いています」
それはランスタッドが掲げるコアバリューに通ずる考え方。それに自分の考え方や戦略、アクションをリンクさせることで上手くいくのだと本田は言います。
「5つのコアバリューの中で、特にto know, to serve, to trustという3つはすごく共鳴する要素が強いですね。様々な意見の間に挟まれる時も、コアバリューに置き換えて話をするとベクトルを調整できる。それをきっかけにコンフリクトは解消できると思っていますし、コアバリューの重要性を感じています」
リーダーでもあり、フォロワーでもあり続ける
入社してから何度かの合併などを経て現在のランスタッドに至るまで、その過程においても会社が掲げる信条に共感する部分があったと話す本田。外資となった今は、やりたいことにトライできる雰囲気がより一層強くなったと感じています。
「自分のやりたいことや意見は出すべきだという風潮があるし、逆に出さないのは損。上層部が海外の方だと、無言の自分と意見を発している自分とで受け取られ方も違うので、自分のやりたいことを明確に伝えるようにしてきました」
その姿勢で本田は全社に影響する横断的なチャレンジを続け、実際に形にしてきました。自らが一足を歩み出し誰もが歩める道を作ること、会社に大きな変化を起こせることに、仕事の醍醐味を感じています。
「例えば北関東にいた頃には北関東事務センターを立ち上げました。各支店で行っていた内勤業務を一箇所に集約して効率化できるのではないかと。最初は担当エリアだけのセンタライズされたチームだったのを全国区に広げていき、やがてそれを足がかりに首都圏集中プロセスセンターもできて。その後、『全国お仕事紹介センター』も立ち上げました。そういうスタートアップのきっかけを作ってきたと自負しています」
人材を集めることで効率的かつお互いにカバーし合える環境を作りたい。産休・育休から復帰する社員や障がいを持つチャレンジド社員が働きやすいチームを作りたい。センター設立は、そんな様々な思いを形にしたものでした。チャンスを与えられ掴んでいける会社と多くの協力者・支援者が存在する環境に本田は感謝の念を抱いています。
「リーダーとは、人をマネジメントするというより変化や大きなムーブメントを巻き起こす火付け役でもあり、どこかで起こったムーブメントのフォロワーになれる立場。そのためにはムーブメントを起こす輪を形成するメンバーに理解してもらう、共感してもらうことが大事だと思うので、それを意識的に行うのが一番大事なポイントと私は思っています」
一人ひとりが心豊かに幸せに仕事をするために
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本田は、人や組織の可能性を引き出すというパーパスを軸に新しいビジネスを創出し続けることで、いずれは経済界をもリードしていく可能性がランスタッドにはあると信じています。
「後発になるかもしれませんがプラットフォームビジネスや、データベースを活かしたビジネスができるかもしれない。これまでも成長しながらサービスが増えていますし、テクノロジーの変化と合わせて色んなことができるのではないかと思っています」
本田が考えるのは、人を軸に人の幸せをどう作っていくか。その目線は社外だけではなく社内にも向けられています。ビジネスで結果を残すためには、社員の成長が重要であり、社員一人ひとりが心豊かに幸せに仕事をしている必要があると考えているのです。
「ありがたいことに本部長という立ち位置でやらせていただいていて、メンバーは300人程いると思うんですが、自分の成果はあくまでもそのメンバーたちの成果。メンバーが頑張れるような環境やステージを作ることが自分のアウトプットにつながるということは、宇都宮以来ずっと思っています」
人に喜んでもらえることがやりがいで、「ありがとう」という一言があればどんなに苦しい状況も吹き飛んでしまう。何よりも大事なのは家族であり、一緒に働くメンバーやスタッフ、クライアント企業の存在でもあります。
「常にそこを軸に働く意義をもっている感じがします。喜んでもらえる存在があれば、ポジティブなエネルギーを皆に注いでいける。そうしていればいつか何か返ってくるだろうというスタンスです」
休日には地元のラグビースクールでヘッドコーチとして子どもたちの成長を見守る本田。かつて開催していた「ファミリーDAY」も、頃合いを見て実施したいと考えています。
「『パパってこんな仕事しているんだ!』『パパって偉い人なんだね』と家族から喜ばれたことは私自身のモチベーションになっています。子どもや家族、友人・知人に尊敬される仕事をしているというのは嬉しいこと。社員とその家族やパートナーからも愛され、すべてのステークホルダーから信望を勝ち取れる会社にしていきたいと考えています」
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