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80人の障がい者雇用部門の設立~女性リーダーの使命と挑戦

伊藤 規子 首都圏集中プロセスセンター 部長

profile
大学卒業後、大手百貨店に新卒で入社。3年半勤めたのち、1999年にフジスタッフ(現ランスタッド)へ入社。銀座支店のコンサルタント、コーディネーターを経て、営業企画部へ異動。営業促進、業務改善、候補者募集促進、広告、CS促進、人材育成など、13年に渡り企画業務に従事する。2017年に障害者雇用を目的とした首都圏集中プロセスセンターを設立。2022年までに80名の障害者を含む150名のセンターに拡大。全国のアドミニストレーター業務を集約する。2023年からはITプロジェクトに従事

「利益を求めるだけでなく世の中に貢献したい」首都圏集中プロセスセンター責任者の覚悟と責任

障がい者雇用と社内の事務プロセスの効率化を目的に2017年度に立ち上がった「首都圏集中プロセスセンター」(現在:請求給与・社会保険・契約センターの3センターが集約)で責任者を担う伊藤。設立当初は10名程の採用だった障がい者雇用数は、現在80名程になったとのこと。またランスタッドには精神保健福祉士が在籍しており、定着率も改善に努めているそうです。

 

6年の時を経て、首都圏集中プロセスセンター全体の拡大・成長に伊藤は大きく貢献しました。これまでの6年を振り返りながら、首都圏集中プロセスセンターが立ち上がった経緯を話しました。

 

(伊藤)「2016年頃、ランスタッドは急激に企業規模が拡大していました。また、株式会社キャレオとの合併も控えており、障がい者雇用を強化させる必要性が出てきました。そこで、障がい者雇用専門の新部署を立ち上げることになりました。

 

2016年当時まで営業企画部に13年間勤めていました。その間、企業合併に伴う社内オペレーションの整備や業務改善、社員教育など、まさに企画型の業務を多く行ってきました。しかし、まったく新しい部署を設立する責任者を担うとは想像もしておらず、上司や人事に打診されたときは大きく動揺し、そして悩みました。

 

当時、自分が新部署の立ち上げに抜擢されるとは予想がつきませんでしたが、思い返してみるとランスタッドが自分を選んだ理由があるかもしれないと伊藤は続けます。

 

(伊藤)「当時、子ども食堂というものができ始めて世間の話題になっていました。グレートカンバセーション*の際に上司に「将来はどんな仕事がしたい?」と尋ねられたとき、その時は半分冗談で『子ども食堂の取り組みのように、利益を求めるだけではなく、社会に役立つことがしたい』と上司に話していたんです。そのことがもしかしたら、障がい者雇用部署の立ち上げの責任者として抜擢された理由に関係しているのではないかと思っています」(* ランスタッドの社員の成長を支える制度について見るクリック

 

結果、覚悟を決めて首都圏集中プロセスセンターの責任者を引き受けた伊藤。しかし首都圏集中プロセスセンターが掲げていた数値目標が高く、「自分にはできないかもしれない…」と思うこともあったそうです。それでも伊藤の中には、首都圏集中プロセスセンターの責任者を担い続ける明確な理由がありました。

 

(伊藤)「私、何もない状態から何かを生み出すことは嫌いではないんです。新部署の立ち上げは、自分の好き・得意がマッチしていると感じています。また、可愛がっている甥っ子が生まれながらにして障害を抱えていることもあり、障がいをお持ちの方へのサポートをしたいと以前から考えていました」

社会貢献のルーツは父親|ホスピタリティ1本に絞った就職氷河期の新卒時代

昔から「誰かの役に立ちたい」という想いを持ち合わせていたと語る伊藤。

 

(伊藤)「誰かの役に立ちたいという想いは、父親の存在が大きく影響していると思います。父は、労働組合の活動や、地域で反戦・反原爆の活動を熱心に行っていて、世のため人のために行動していた人でした。子どもの頃から父のそのような姿を見たり、活動のお手伝いをするなかで、誰かの役に立ちたいと思うようになりました。

 

大学時代は、ホスピタリティに興味を持ち、ホテル業界への就職を強く志望していたと語る伊藤。

 

しかし、伊藤が就職した1996年は、就職氷河期の真っ只中。とくに団塊ジュニアで最も人口の多い世代だったため、就職が厳しい時代だったそう。それでも伊藤は強い意思を持ち、第一志望の企業に絞って就職活動をしていました。

 

(伊藤)「第一志望の最終面接まで進みましたが、結果的に落ちてしまいました。大学4年生の8月に不合格をもらって、そこから拾ってくれたのが大手百貨店でした」

 

予期せぬ新卒入社であったものの、伊藤は数年間勤務。数年間の間に、目標値に対しての動き方を学び、課題を解決することや物事を前に進めることが得意という自分の適性を認識することができたそうです。そこから、ランスタッドに入社した経緯も話しました。

 

(伊藤)「当時宇都宮にあった人材派遣のフジスタッフ(2011年にランスタッドと統合)が初めて東京に進出するということで、人材募集がありました。私は勤めていた百貨店のような大きな組織や完成された企業は自分には合わないと感じていたため、『何もないところから始められる仕事をしてみたい』と思い、応募しました。

入社当時はここまで長く働くつもりはありませんでしたが、温かい人たちばかりの環境に居心地の良さを感じ、20年以上勤務しています」

インクルージョンを体現している「ランスタッド」と「日本」の多様性への課題

ここからは、ランスタッドで感じる多様性について語りました。

 

(伊藤)「ランスタッドは1960年にオランダで設立された企業ということもあり、インクルージョンが徹底されていると感じます。

ヨーロッパの国々は、日本のように障がい者枠で採用するという考え方よりも、気がついたら職場の席の隣の人がたまたま障がい者だったくらいの感覚でみんな働いていると思うのです。特例子会社のように障がい者だけを採用して、障がい者向けの仕事をさせるのは、ヨーロッパでは本当のインクルージョンではないのでしょう」

 

伊藤は、ヨーロッパにあるインクルージョンの考え方を素晴らしいと思う反面、日本で完全に実現するには難しい現実があると考えています。

  

(伊藤)「例えば通院が必要であったり、体調を崩しがちな障がい者がいる部署であろうと、納期を遅らせることやクオリティを下げることはできないなど、日本ではより完璧であることを求められる傾向にあり、さまざまな障がい者と本当の共存をするには少し寛容さが足りないなと感じます。

一人ひとりの可能性を十分に発揮するためにも、日本の社会の多様性のあり方を見直していくべきではないかと思います

女性が活躍できる環境を目指す

伊藤は最後に今後のビジョンを語りました。

 

(伊藤)「ランスタッドには、物事の本質を的確にとらえたり、顧客のニーズを引き出して献身的にサポートできるような優秀な女性社員が多数在籍しています。だからこそ、彼女たちの可能性を広げられる活躍環境をつくっていきたいと思っています

 

また「これからも社会と誰かの役に立ち続けたい」と語る伊藤。自分が主体的に動くことで、社会貢献につながればと考えているそうです。

 

(伊藤)「今ランスタッドは、本当の大企業また一流企業に脱皮するタイミングであると思っています。しっかり課題と向き合って、一つひとつクリアしていくことが必要だと思います。2023年度から関与しているITプロジェクトも大きくしていきたいですね」

 

そのような企業にとって大切なフェーズを引率するリーダーとしての想いを次のように語りました。

 

(伊藤)「私はリーダーは、突き詰めると人間性だと思っています。チームメンバーや部下は驚くほどリーダーの人柄をよく見ています。これからも、誰が見ても嘘や誤魔化しがない公明正大なリーダーでありたいと思います」

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ダイバーシティーリーダーシップ女性のキャリア障がい者採用
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