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「世界を見て日本の未来を描く」--人材業界の『次』を創る、戦略リーダーの視点とは?

安野 広朗タレントセンター事業本部本部長

profile
栃木県出身。高校在学中に米国カリフォルニア州にある姉妹校への短期留学を経験し、卒業後はカリフォルニア州立大学へ進学。 大学では地理学とアジア学を学び国際的な視点と地域分析能力を深める。帰国後はBPOサービス会社で受託現場のSVや業務品質管理を担当、その後コンサルティング会社を経て2010年にランスタッドへ入社。

多角的視点の原点は「越境体験」にあり──国際経験が築いたキャリアの土台

▲オーストラリア法人勤務時代の休日の一コマ

2025年、ランスタッドの戦略的ピラーであるタレントセンター事業本部の本部長に就任した安野。長年にわたり人材ビジネスの第一線で活躍し、同センターの立ち上げから運営体制の構築に至るまで中心的な役割を担っています。

 

自身のキャリアを「変化と挑戦の連続」と語る安野の原点は、中学生時代に遡ります。栃木県宇都宮市とアメリカ・オクラホマ州タルサの姉妹都市交流によって、現地に派遣された経験が将来を方向づける大きなきっかけとなりました。

 

(安野)「実際に学んだ英語を使ってみて、『通じるんだ!』と実感した瞬間や、まったく聞き取れない英語のシャワーを浴びた経験。それが、異文化の世界に飛び込みたいと思ったきっかけでした」

 

高校ではアメリカ・ロサンゼルスへ短期留学、さらに大学ではアメリカに4年間留学。地理学とアジア学を専攻し、多角的な分析力や国際関係への洞察を深めました。

 

(安野)「地理学を学んで気づいたのは、単にどこに何があるかを知るだけではなく、その土地の歴史や社会背景、人の営みといった多面的な要素への理解が重要だということでした。

 

一つの事象を単一の視点から判断するのではなく、複数の要素を組み合わせて分析するその経験が、今の仕事においても変化する環境のなかで適切な判断を下すための基盤になっています」

 

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▲学生時代はブレークダンスに熱中していた安野

 

大学卒業後、安野はボストンキャリアフォーラムで出会った企業に就職。BPO(企業の業務を代行する事業)で、IT運用やオペレーション管理、営業、品質管理など、多岐にわたる業務を経験しました。そのなかで、後のキャリアの転機となる「人材マネジメント」に深く関わる機会が訪れます。

 

(安野)「東京のある区で行われた定額給付金の処理業務を担当し、約70名の派遣スタッフを管理する責任者になりました。さまざまなバックグラウンドを持つ方々がいて、入れ替わりも多い現場です。その一方で、そのなかから光る人材を見出し、引き上げることもできました。この経験を通じて、単に派遣スタッフを管理する立場ではなく、企業に適切な人材を提供する側の仕事にも魅力を感じるようになりました

 

こうして、BPO企業での経験を活かしながら、より広い視野で人材業界に関わるため、安野はランスタッドへの転職を決断します。

支援と挑戦が共存する現場で──人に恵まれた環境が成長を加速させた

▲海外研修で世界の同僚とディナー

ランスタッドに入社してまず安野が感じたのは、支え合いの精神が根付いている職場の温かさでした。入社からわずか1年でマネージャーに昇格し、宇都宮支店でスポット(日雇い)派遣を担当する部署の責任者に就任。「明日は100人、明後日は120人」といった依頼が舞い込み続けるなか、周囲の社員たちは自然とフォローに入ってくれたといいます。

 

(安野)「『今、何人足りないの?』と、こちらからお願いする前に声をかけてくれる人が何人もいたんです。困っている人に自分から手を差し伸べる、そんな人たちに囲まれて、本当に助けられました」

 

支え合う風土のなかで築かれるチームワークが、安野のキャリアの土台となっていきました。

 

ランスタッドでのキャリアのなかで、安野が最もやりがいを感じた仕事の一つが、インハウス事業の日本導入。海外ではすでに主流となっていたビジネスモデルを、日本の市場や企業文化に合わせて展開する役割を任されました。

 

(安野)「最初は『日本に合わないのでは?』といった声も多くありました。現状を変えることへの抵抗は強く、正直かなり苦労しましたね。しかし、コンセプトを丁寧に説明して、何度も話し合いを重ねるうちに、『やってみよう』と言ってくれる仲間が少しずつ増えました。

 

そうして賛同者が増えていくと、自分ひとりで頑張っていた感覚が変わってくる。仲間がいる、と思えることは本当に大きな力になります」

 

その結果、インハウス事業は日本でもしっかりと根づき、やがて事業本部として確立。ランスタッドにおける新たな成長の柱となっていきました。

 

※インハウスサービスとは、専任の人材コンサルタントが現場に常駐し、採用から定着、業務改善までをトータルで支援するサービス

未来を見据えた人材戦略──タレントセンターが描く雇用の新モデル

▲タレントセンターのメンバーとのオフサイトミーティング

安野が現在本部長を務める「タレントセンター事業本部」は、グローバル本社が世界に共通して展開している戦略的な取り組みです。

 

(安野)「タレントセンターは、『この時期にこれくらい人が必要になる』という需要予測に基づいて、事前に人材をプールしておく仕組みです。日本は特に少子高齢化が急速に進んでいて、労働力不足が深刻な課題です。そのため、他国よりも先に成功事例をつくらなければなりません。

 

特に製造業や物流、コールセンターなど、人材ニーズが高い職種に注目して動いています。クライアントから『3ヶ月後に100人必要になりそうだ』と聞けば、今のうちから対象となる方々に声をかけておいて、いざという時にすぐ供給できるよう準備する。そんなイメージです。

 

『日本で成功できれば、世界中のどの国でも展開できる』そういう気持ちで取り組んでいます」

 

加えて、クライアントに対しても、労働市場の実情をふまえた採用のあり方を粘り強く提案していく必要性があると話します。

 

(安野)「求職者のニーズも多様化しています。柔軟な働き方や短時間勤務を希望される方が増えて、クライアントの要望とどうマッチングさせるかはますます重要になっています。

 

だからこそ、クライアントにも今の労働市場の実情をしっかり伝えて、採用のあり方を一緒にアップデートしていくことがタレントセンターの大きな役割だと考えています」

 

さらに、安野は年齢や性別といった先入観に左右されない採用の大切さも強調します。

 

(安野)「若い人が欲しい、男性がいい、などのご要望はよくいただきます。しかし、実際には50代の方でも活躍されている方がたくさんいます。年齢や性別で可能性を狭めてしまうのは、本当にもったいない。

 

なので、私たちは『感覚』ではなく『データ』でお話しします例えば、50代の方の活用率など実際の活躍状況を数値で示して、『この年代を外す理由はありますか?』と率直に問いかける。そうすると、『なるほど』と納得してくださるクライアント」が出てくるんです」

 

もう一つ、タレントセンターの使命として重視されていることが、多様な人材が活躍できる社会の実現です。

(安野)「私は、年齢、性別、障がいの有無に関係なく、すべての人に等しく雇用の機会を提供したいと考えています。人にはそれぞれ得意・不得意があるものです。業務をできるだけ細かく切り出して、ジョブディスクリプション(職務記述書)を作成しています

こうした適材適所のアプローチによって、一人ひとりの特性に合った業務を担える環境が整い、多くの人が自分らしく力を発揮できる場が生まれています。

外から学び、内を変える──グローバル視点で挑む次のキャリアステージ

▲海外の同僚とのグループワーク

タレントセンターの立ち上げを経て、組織づくりに向き合う今、安野が次に挑戦したいと考えているのは「再び海外で働くこと」です。かつてのランスタッド・オーストラリアでの赴任経験では、外から見た日本の姿に多くの学びを得たと語ります。

 

(安野)「海外にいると、国ごとの価値観の違いや、日本の良さ、課題がクリアに見えてきます。例えばオーストラリアでは、派遣社員の多くが外国籍で、多様性が前提にあります。今後、日本でも労働力を海外から受け入れていく必要性はさらに高まると思います。だからこそ、海外で学び直し、今の日本に足りない視点を持ち帰りたいんです」

 

「世界の動きを知ることで、日本の人材サービスに新しい選択肢をもたらしたい」、その強い想いが安野を次の挑戦へと駆り立てています。

 

最後にランスタッドに入社を検討している方へ、次のようなメッセージを語ってくれました。

 

(安野)「ランスタッドは、挑戦する人にとって可能性に満ちた会社です。社員の成長に投資する文化が根づいていて、教育やトレーニングの機会も豊富です。私自身もこれまでに、たくさんの研修を受けさせてもらいましたし、その延長線上で、海外での勤務という大きなチャンスも掴めました。

 

『自分でチャンスを見つけ、成長していきたい』という気持ちさえあれば、いくらでもステージを広げていける。それを支えてくれる環境と人がここにはそろっています。

 

私のこれまでのキャリアは、まさに『変化の連続』でした。しかし、どの転機も最初の一歩を踏み出す勇気がなければ掴めなかった。チャンスやサポートがあっても、最後に決断するのは自分自身です。だからこそ、一歩を踏み出す勇気を持っている方と、これから一緒に働けたら嬉しいです

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