interview「数字の前に、潮目が変わる」約130名の組織を率いる本部長が語る、人と組織の成長論

木村 文幸 プロフェッショナルタレントソリューション事業本部
東京営業本部
営業本部長
- profile
- 福島県出身。2005年、理系大学を卒業後、同業のアデコ株式会社に新卒入社。営業職に従事し、支社長やキーアカウントの部長を歴任。2022年よりCOO直轄新規事業プロデューサー(ジュニアIT事業・外国人雇用事業の立上げ)を務め、Adecco Japanにおける外国人雇用事業の責任者として主に特定技能領域のビジネス拡大、多国籍・多文化の共生社会の実現に取り組んできた。2025年11月に20年勤めてきたアデコ株式会社を辞め、ランスタッド株式会社にジョイン。現職に至る。
人の成長を支える喜びが、人材ビジネスの原点
人材業界で20年にわたりキャリアを積み、2025年にランスタッドへ入社した木村。現在は東京営業本部長として約130名の組織を率いています。
人材ビジネスとの出会いから、マネジメントを通じて学んだこと、そしてランスタッドで描く未来について伺いました。
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木村は学生時代、ビリヤードに打ち込み、その腕前を生かしてインストラクターのアルバイトをしていました。
(木村)「私の説明に熱心に耳を傾けてくれた生徒が、着実に上達し、『うまくなりました!』と報告してくれる。その瞬間に大きなやりがいを感じていました。最初はしょんぼりした表情だった生徒が、毎日ウキウキしながらビリヤードをしに来てくれるのが素敵だなって思って。人に何かを教えることの面白さを初めて知りましたね」
この経験をきっかけに、木村は「人の成長に関わる仕事がしたい」と考えるようになります。教育業界を志望していましたが、説明会や選考を通じて人材業界に興味を持つようになりました。
(木村)「人材という仕事が持つ可能性や社会的な意義を感じて、とても面白い世界だと思いました」
その後、アデコ株式会社(以下:アデコ)と出会い、「魅力的な方が多かった」ことを決め手に入社。人材業界でのキャリアをスタートさせました。
若き支社長として経験した挫折がマネジメントの原点
木村にとって大きな転機となったのは、アデコ入社5年目で支社長に抜擢されたことでした。
当時のアデコでは異例となる、リーダー職を飛び越えての抜擢。周囲から驚かれるなか、木村自身は新たな挑戦に胸を躍らせていたといいます。
(木村)「まわりの人には『大丈夫?』と心配されましたね。ですが、自分自身はワクワクしかありませんでしたし、チャンスをもらえるならぜひ挑戦したいと思いました」
自身の営業スタイルに強い自信を持っていた木村。しかしながら、支社長として向き合った現実は想像とは異なるものでした。
(木村)「自分ができるんだから、みんなもできると思っていました。学歴も優れているし、能力も高い。できないんじゃなくて、やり方を知らないだけ。だから、何をすれば成果が出るのかを教えて、やりたくなる仕組みをつくればうまくいくと考えていました」
ところが、現実はそう単純ではありません。短期的には成果が上がったものの、思い描いていたような組織づくりにはつながらなかったと当時を振り返ります。
(木村)「思い描いた通りにはならず、みんなが同じ方向を向いてくれるわけではありませんでした」
この経験を通じて木村が学んだのは、人によって価値観も成長の仕方も異なるということ。自分のやり方を押し付けるのではなく、一人ひとりに合った関わり方を考えることこそがマネジメントの本質だと気付かされました。
「必要とされる喜び」が後押ししたランスタッドへの転職
20年間勤めたアデコを離れ、ランスタッドへ転職した木村。しかし、当初から転職を考えていたわけではありませんでした。
(木村)「実は、転職しようという気持ちは1ミリもありませんでした。営業本部長を募集していると聞いて、『外部から本部長を採用するんだ。面白い会社だな』と思ったのが始まりです」
木村はランスタッドのことを知るための情報収集のつもりで面接を受けました。しかし、複数回の面接を重ねるなかで、その気持ちは少しずつ変化していきます。
(木村)「お会いする方々の熱意に圧倒されました。課題感や期待されている役割も明確で、自分を必要としてくれていることが伝わってきて…。『こんなにも必要としてくれるなら、挑戦してみよう』と思いました」
本部長としてのオファーを受け、悩みながらも新たな環境へ飛び込むことを決意。こうして木村は、ランスタッドで新たなキャリアをスタートさせました。
現場の変化を見逃さない。約130名の組織を率いるマネジメント哲学
現在は東京営業本部長として約130名の組織を統括する木村。マネジメントにおいて大切にしている考え方があります。
それが、「数字の前に潮目が変わる」という考え方です。
(木村)「定量的な変化は、どうしても時間差で表れます。しかし、風向きや潮目の変化は、その前に必ず起きていて、私はそこを見逃さないことが大事だと思っています」
木村が重視しているのは、現場から聞こえてくる声やメンバーの反応といった定性的な変化です。
(木村)「例えば、思うように成果が出ていないチームに新しい施策を導入した場合、その効果が数字に表れるまでには時間がかかります。しかし、現場ではすでに小さな変化が起きていることが少なくありません。
『最近、前向きな発言が増えた』『メンバー同士の会話が活発になった』そういう変化があれば、数字は後からついてきます。数字の管理だけなら誰でもできるでしょう。ですが、そこで働く人たちの気持ちに変化を起こすのがマネジメントだと考えています」
その考え方は人材育成にも表れており、木村は誰もが成果を出せる再現性のある「型」をつくることを大切にしています。
(木村)「最初から『自由にやっていいよ』ではなくて、まずは型を身につけること。それが大事だと思っています。型を身につけて成果を出せるようになってこそ、本当の意味での自由が手に入ると考えています」
一人ひとりの可能性を信じながら、必要なときには基準や型を示す。その積み重ねが、組織全体の成長につながると木村は考えます。
AI時代に求められるランスタッドの可能性
木村は、人材ビジネスの未来を考えるうえで、AIを活用しながら、人にしかできない判断や共感によって価値を発揮する働き方が広がるとみています。木村は、こうした働き方を独自に「オレンジカラー」と名付けています。
(木村)「これまでは、OA事務でVLOOKUPやピボットテーブルを使えることが高いスキルとして評価されてきました。しかし現在は、AIを使いこなすことが前提になりつつあります。
これから求められるのは、依頼者が本当に求めていることを見極め、自ら考えて行動できる力です。空気を読む力だったり、先回りして考える力だったり。AIにはできない部分で価値を発揮できる人が、これから活躍していくと思います」
一方で、AIの進化によって従来の定型的な事務業務などの領域は変化していく可能性があります。
(木村)「ただ誰もが一律に『オレンジカラー』を目指さなければならないというわけではありません。だからこそ、一人ひとりの強みを見極めて、その人が最も輝ける場所へつなげる準備を今から進めていく必要があります」
そうした変化に対応するうえで、木村が強みだと感じているのがランスタッドの事業領域の広さです。オフィスワークだけでなく、製造や物流といった現場を支える領域にも強みを持つため、多様なキャリアの選択肢を提案できます。
(木村)「事務系職種から新しい働き方へ。あるいは、製造・物流などの職種から新しい領域へ。一人ひとりに寄り添ったさまざまなキャリアの動線を描けることがランスタッドの強みだと思っています」
人材不足やAIの進化によって働き方が大きく変わる時代だからこそ、一人ひとりの可能性を広げる選択肢を持てること。その価値は今後ますます高まっていくと木村は考えています。
家族も仕事も大切に。木村が考える理想の働き方
2026年10月から育児休業の取得を予定している木村。その背景にあるのは、家庭との信頼関係を大切にしたいという想いです。
(木村)「妻との関係は、仕事を含めたすべての土台だと思っています。家庭の信頼関係があってこそ、仕事にも全力で向き合える。だから私にとっては自然な選択でした」
過去には仕事中心の生活によって家庭とのバランスに悩んだ経験もありました。だからこそ今は、仕事だけでなく家族との時間も大切にしながら、長く活躍できる働き方を実践したいと考えています。
最後に、木村からランスタッドに興味を持つ人へメッセージをもらいました。
(木村)「良い会社だと思います。興味がある方は、ぜひ話を聞きに来てください。私自身も約1年前に転職を経験した立場なので、感じたことを率直にお伝えできると思います」
一方で、人それぞれ大切にする価値観は異なります。
(木村)「私の考え方に共感する人もいれば、そうでない人もいるでしょう。どちらの考え方にも価値があります。だからこそ、まずは話を聞いて、そのうえで自分に合うかどうかを判断してほしいですね」
そう語る木村の言葉からは、一人ひとりの違いを尊重しながら、その可能性を信じ続ける姿勢が伝わってきました。
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