- profile
- 高知県出身。法政大学・社会学部にて労働法やキャリアについて学ぶ。厚生労働省でのインターンシップをきっかけに人材ビジネスへ興味を持ち、2006年にランスタッドへ新卒入社。高松支店でコンサルタントに従事した後、人材紹介のキャリアアドバイザーを経験する。2020年に社内公募でタレントアトラクションに異動し、2024年からマネージャーに就任。
「雇用の力で、女性を取り巻く環境を変えたい」

社内の採用を管轄する人事本部・タレントアトラクション(Talent Attraction = TA)。「人」を財産とするランスタッドにおいて大きな使命を担うこの部署では、採用の戦略立案から面接、クロージングまで、採用に携わるあらゆる業務を担当しています。
小原は社内公募を経てTAに来たメンバーです。2024年からはチームのマネジメントを務めながら、個人では障がい者採用をメインで担当しています。
(小原)「私たちの主な仕事は、ランスタッドの認知を高め、母集団を形成し採用に繋げ、採用からビジネスを推進していくこと。簡単に言えば『ランスタッドに入りたい』と思ってくれる候補者を増やし、優秀な候補者にランスタッドの仲間になっていただくことです。採用メディアに求人情報を載せるのはもちろん、面接会への参加や面接官のトレーニングも行います。また各エリア毎に集客を高めるためのアクションを企画するなど全社的に働きかけています」
小原が人材業界に興味を持ったのは学生時代。参加した厚生労働省のインターンシップでハローワークに配属され、雇用を支える仕事に可能性を感じたと当時を振り返ります。
(小原)「当時、私の故郷である高知県は都会ほど働き口が充実していませんでした。特に、子どもを持つ女性が働き続ける選択肢は少なく、退職してキャリアを絶てば職場復帰はさらに難しくなります。地方にはこのような復職に対する負のスパイラルがありました。しかし、人材派遣という方法でキャリアをつなげば、その先に結びつくかもしれない。雇用を通じて女性を取り巻く環境を変えたいと思いました」
そして、就職活動で出会ったのがランスタッドでした。理念である「人にしてもらいたいことを人にもする」に共感し、入社を決めたと語ります。
配属された高松支店ではコンサルタントに従事し、その後は人材紹介のキャリアアドバイザーとして『Sales Excellence Award』を受賞。出産を経て、夫の転勤を機に東京異動を決断します。ライフステージの変化を乗り越えながら、かつて思い描いていた通りのキャリアをつないでいます。
女性マネージャーとして自分だけのリーダー像を確立
(小原)「キャリアアドバイザーの仕事は好きでした。しかし、企業と候補者をつないでしまえば、その後の接点がないことに寂しさを感じていました。社内公募でTAの人員募集を知り、人事に携わる部署なら採用時だけでなく、入社後もランスタッドの仲間として活躍を見守れるのではないかと思い、部署異動を希望したのです」
ランスタッドの社内公募制度では、毎年多くの従業員が異なる部署へのポジションチェンジを果たしています。希望が通ることばかりではありませんが、小原はその過程にこそ意味があると振り返ります。
(小原)「社内公募はアセスメントがあり、選考ではあらゆるポジションの方と面談しました。まるで転職活動のような熱量で取り組み、この面談そのものがキャリアの棚卸しとなって私の視野を広げてくれました。合否にかかわらず非常に価値のある経験だったと感じています」
キャリアを自分で選択する経験は、その後の仕事に対する考え方にも変化をもたらしたとか。
(小原)「私はもともと人を引っ張るようなタイプではなく、マネージャーになるつもりもなかったんです。しかし、チームリーダーを務めた際、チームの成長が自分のこと以上に嬉しく『もっとみんなの強みを引き出したい』と感じました。そのとき、先頭に立ってメンバーを牽引するだけはなく、みんなを後ろから支え、押していくリーダーがいてもいいんじゃないかと思ったんです」
その後、周囲の勧めもあり女性マネージャーとしての一歩を踏み出した小原。一年かけ上司にあたるリーダーの側でノウハウを学び、伴走してもらいながら自分なりのリーダー像を確立していきました。戸惑いもあったマネジメント職でしたが、最近では良い意味で肩の力を抜くことができるようになったと笑顔を見せます。
(小原)「以前は何事も努力で解決すべきだと考えていました。今は『自分の不得意は誰かの得意』と思えるようになりました。個々の強みを把握し、それぞれが力を発揮できる環境を整えて、チームの総合点を上げていくほうがみんなが幸せだと気付いたんですよね。
この構造は採用活動でも同じだと思います。能力の高い個人を集めるという視点も大切です。しかし、組織という大きな単位で考えると選択肢はさらに広がりをみせます。得意・不得意を補い合うことで、一人ひとりが生き生きと働けるサポートができればと思います」
多様性を尊重する文化が採用市場に与えるもの

小原は現在リモートと出社のハイブリッド勤務で、家庭と仕事の両立を実現しています。
(小原)「現在の出社頻度は週1、2日程度です。フレックス制度もあるので、子どもの学校行事にも問題なく参加できています。働きやすさを支える制度はいろいろありますが、続ける一番の理由は温かい人が多いことでしょう」
採用活動や面接の同席で、全国にあるランスタッドの支店へ足を運ぶ小原。自然と接する従業員の数も増えますが、人の成長を願うサポーティブな資質を持つ人の多さに驚きを覚えるそうです。
(小原)「他者に対し支援的であるということは、『個』を尊重しているからこそだと思うのです。それを体現していると感じるのが、ERG(Employee Resource Group)の活動ですね」
ERGとは同じ価値観や特性を持つ従業員が自発的に運営するグループのことで、ジェンダー、障がい、人種などの属性によって構成されるのが一般的です。グループで悩みや課題について話し合ったり、時には従業員や企業へ共有したりすることで、多様性のある職場作りに貢献すると注目を集めています。ランスタッドでは、この活動が非常に盛んだと語ります。
(小原)「各ERGはランチタイムセッションなどを通して、自分たちの課題を共有し、啓蒙してくれるんです。当事者以外にも気付きが多い学びの場となっています。近年は、障がいのある方やLGBTQ+当事者だけでなく、彼らをサポートしたいと考える支援者によるERGも増えてきました。とてもランスタッドらしいなと感じます」
人材企業であるランスタッドが多様性への理解を深めることは、採用市場にさまざまなメリットがあると小原は考えているそう。
(小原)「企業から人材のリクエストを受けるとき、昔からある慣例のまま年齢や性別を指定されることがあります。条件に合う人を提案するのは簡単ですが、人材業界の第一線にいる私たちが『この制約は必要なのか』と疑問を提起する必要があると思うのです。多様な人材へチャンスを与えると同時に、企業の視野も開くことで、雇用の常識をアップデートしていきたいですね」
リファーラルで気付いた小原のミッション

TAに来て4年目を迎える小原に、今後の展望を聞きました。
(小原)「この業界に身を置くなかで、人材の力が企業を躍進させる瞬間を目にしてきました。つまり、多くの候補者と企業を結びつけることは、日本経済を支えることにもなると思うのです。ランスタッドを大きくすること、ひいては私たちの仲間を増やすことがTAのミッションだと思っています」
近年、小原たちが力を入れている採用の形がリファーラル(従業員による紹介制度)です。候補者は従業員から社内の様子を直接聞けるためミスマッチが起こりにくく、入社後の定着率も高いと双方にとってメリットが多い方法だとされています。
(小原)「2021年よりリファーラル採用に力を入れ始め、リファーラル経由の採用数を32名から1年間で79名にまで増やすことができました。『自分たちの仲間は自分たちで見つける』という能動的な意識が従業員に浸透したことが、成果につながったのだと思います。
さらにリファーラルを通して気付いたことがあります。それは、仲間を増やすために、まずは自分たちが幸せにならなければいけないということ。外から『ランスタッドで働く人は幸せそう』と思われる企業になることが一番の近道です。従業員の声に耳を傾け、誇れる企業を目指し、今後もまい進していきます」
▲プライベートでは2人の男の子を持つワーキングママ。
最後に、ランスタッドに興味を持つ方へメッセージを語ります。
(小原)「ランスタッドには未来の選択肢が無数にあります。社内公募制度を始めとするさまざまな制度も整っていますから、自分でキャリアを選択し、築いていきたい方に道はどんどん拓かれます。少しでも興味を持っていただけたら、まずはお話してみましょう」