interviewAIを相棒にできる職場で働くということ----『ちょっと困った』から始まる新しい働き方

宮下 祥則IT本部 ビジネスパートナー&プランニング部 アソシエイトスペシャリスト
- profile
- 一貫して社内SEのポジションを務め、システム構築からユーザーサポート、問い合わせ対応まで幅広く経験。2024年7月にランスタッドのIT本部へ入社。2025年2月のAI導入時には自ら推進役に立候補し、現在はIT部門のAIアンバサダーとして社内向け研修やサポートを担当している。現場の「ちょっと困った」や不安な気持ちに丁寧に寄り添い、AIを「優しい相棒」として活用しながら共に成長していく新しい働き方をリードしている。趣味はスポーツ観戦で、中日ドラゴンズと名古屋グランパスの試合観戦は欠かさない。
新しいテクノロジーと向かい合ったときの「現場のリアルな感情」
生成AIの登場により、専門的なITスキルを持たない現場から「自分の仕事が奪われるのではないか」という不安の声が挙がっています。
ランスタッドで社内SEやユーザーサポートを経て、現在はランスタッドIT部門でAI推進をリードする宮下祥則さんに、2年間AIに触れた経験から、その見方や、現場のリアルな声、AI時代を生き抜くための新しい働き方のヒントを聞きました。
―― 生成AIが導入された際、現場ではどのような反応がありましたか?また、AIを業務に取り入れられる人とそうでない人の違いはどこにあると感じますか?
宮下さん: AIの研修を通じて、多くの従業員から「使いきれない」「何に使っていいかわからない」という声が寄せられる一方で、非常に使いこなしている人も存在しています。この違いを生む要因は個人の能力差ではなく、AIを使って良かったという具体的な「きっかけ」があったことや、周囲にAIを使いこなす詳しい人がいたかどうかが強く影響していると考えています。
―― 専門的なITスキルを持たない現場の方々が抱く「自分の仕事が奪われるのではないか」という不安に対しては、どのように捉えていますか?
宮下さん: 私は2年間AIに触れてきましたが、仕事が奪われるという見方は否定しています。これまでのシステム化は、業務のやり方を大きく変えたり、仕事を丸ごと置き換えたりする印象がありました。しかし、AIは自分の仕事を少し効率化してくれる「もっと優しいもの」であると捉えています。
これからのビジネスパーソンに求められる思考法
―― AIと一緒に働く時代において、私たちは仕事に対する意識をどうアップデートしていくべきでしょうか?
宮下さん: AIは必ずしも正確ではないため、正確性の担保はAI時代においてより重要な能力になります。例えば、データの処理などAIに業務の70%を任せ、人間が残りの30%で正確性の担保に集中するなど、役割を分担しながら業務を少しずつアップデートしていく必要があります。
―― 専門的なITスキルを持たないビジネスパーソンが、明日からAIを「優秀な相棒」として使い始めるために、何から始めればよいでしょうか?
宮下さん: プロンプトの書き方を最初から正しく学ぼうとすると、ハードルが高くなってしまいます。そうではなく、まずは自分がAIを使ってみて「楽しかった」「AIを使って良かった」という成功経験やきっかけを少しずつ積んでいくことが、現在の段階では最も重要であると考えています。
伴走者としての「人間の介在価値」とこれからの働き方
―― システムを導入・保守するだけでなく現場の伴走支援を行う中で、宮下さんが感じる「AI時代における人間の介在価値(自分にしかできない役割)」はどこにあると考えていますか?
宮下さん: AIは質問に対して肯定するだけの「イエスマン」であり、現場が本当に困っている本質的な課題や望む変化には十分に寄り添えないと考えています。現場の人の気持ちや不安に寄り添い、自ら一歩を踏み出すためのきっかけとなるようにサポートし共に成長することは、人間にしかできない役割でありビジネスパートナーとしての価値です。
―― 最後に、宮下さんご自身がランスタッドでAI推進を担当するに至った経緯について教えてください。
宮下さん: 2024年の転職活動時、ランスタッドは当時はまだAIを導入していませんでしたが、「入社したらチャレンジする機会は提供できる」と言われたことを決め手に入社しました。入社後も上司にAI導入の提案を続け、半年ほど経ってGeminiが導入された際に担当に抜擢されました。挑戦を支援する会社のカルチャーに恵まれたと振り返っています。




