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馬術を学びプロを目指した男が人材コンサルタントへ転身 バーンアウト後に見えた世界

奥田 佳祐プロフェッショナル事業部アカウンティングファイナンスチーム シニアコンサルタント 

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profile
ホテルのコンシェルジュを経て、法人営業として、外資系・日系大手~スタートアップ企業を対象に、住居・オフィスのカスタムソリューションサービスを提供。 2016年からは、新規事業部に配属され、海外事業社とのパートナー提携や新システム導入などの新規案件に従事する。 9歳より始めた乗馬は、14歳で国際大会入賞をはたし、2002年より本場ヨーロッパにて馬術を学びプロを目指す。 2004年、アテネオリンピック日本代表選考に携わり、2005年からは調教師としても活躍。その後、2009年に帰国するまで、フランス、ドイツ、オランダ、ベルギーを拠点とし、国際色豊かな環境で現地の言語、文化を理解しながら国際的視野を養う。 また、馬術を通して富裕層、オリンピックメダリストなど幅広いネットワークを築くことができた。 これまで培ってきた、人とサービスを結びつける『繋ぎ役』としての経験やノウハウを活かすべく、ランスタッドに入社。

馬一色の下積み生活と成長への渇望

9歳で馬術競技に出合った奥田佳祐の生活は、それから約20年間、馬と共にありました。高校時代から親元を離れ馬術中心の生活を送り、その後はヨーロッパに渡り武者修行の日々。しかし世界で技術を身に着けることは簡単ではありませんでした。

奥田 「7年半いた海外生活の前半は、やりたいことがほとんどできませんでした。馬の世界で成功していくのは大富豪の家の出か相当の技術があるかのどちらか。自分の技術は海外の強豪国のレベルには及ばず、悔しい思いをしていました。仕事をしたくてもできない環境がずっと続いていたんです」

その中で奥田は現在と同じ完全成果報酬型のスキームを考えました。それは、馬と馬主とのマッチングビジネス。トレーニングや調教を無償で馬に施し、その馬が売れた時に手数料として報酬を得るという仕組みでした。
そうすることで自分も技術を身に着けられ、ビジネスパートナーにとってもリスクのなくWin-Winな関係を提供でいきると。

奥田 「何より仕事があることがすごくありがたくて幸せで、常に相手の期待に150%で応えるというマインドでやっていました」

その後、語学力とコミュニケーション力を活かして、ホテルのコンシェルジュや来日する駐在員に住まいをマッチングする不動産業などを経験。海外プロバイダとのアライアンス提携や新しいビジネスラインを開拓する部署にいた頃、上司に「成長していくためには相手の本当のニーズへの深い理解が必要だ」と言われ、長期的なキャリアについて考えていたそうです。

奥田 「営業活動の一環で異業種交流会に参加した際、偶然ランスタッドの社員と知り合い仲良くなりました。『話をしに来ない?』と声をかけられたので営業のつもりで行ったら『新しいチームを立ち上げるんだけど興味ない?』と誘われて。0 → 1にすごく興味があったのと、会社に対してモヤモヤを抱えていたので、話を聞いてみることにしたんです」

全力疾走する日々からの急転

当時の奥田には、いろいろな経験をしたい、新しいことに挑戦したい、という思いがありました。しかし前職の会社は、変化や改善に対し消極的な印象だったといいます。

奥田 「ランスタッドの方とお話ししていると、『こうやりたい』と言ったときに『会社にこういう制度があり、このステップでこうなれる』と明確に示されました。それも上層部だけではなく、現場レベルの社員も一貫して同じことを話している。当時の事業部長だったキャメロンからはすごくパッションを感じたし、実力主義の環境で働ける外資に挑戦したいという気持ちもあり入社を決めました」

新しいことへのチャレンジと、入社間もない未経験者にも大きな案件を任せてもらえる環境。それは奥田にとって刺激的で楽しいものでした。

奥田 「プロフェッショナル事業部のコンサルタントは、普段会えない企業の上層部の方とお話する機会が多くあります。そういう方のお話を聞くのはすごく面白くてワクワクする。何を乗り越え今の位置にいて、どんな価値観を持っているのか。それに触れられる仕事は性に合っていました」

CFOや経理部長など、経理・財務職種のプロフェッショナル人材を担当する奥田。企業内でファイナンスを担う社員数はごく限られるため、母数が少なく営業と比べると比較的流動性の低い職種です。

奥田 「ある企業のCEOから採用の依頼を受けた際、『奥田さんの自己紹介は不要、“ラスワン”て聞いてるよ!』と言っていただいて。その意味について聞いてみたらどんなに採用に困っても何とかしてくれる“ラスト1”という意味で嬉しかったです」

入社翌年にはトップビラーとして表彰され、2019年にマネージャーへと昇格。グローバルトレーニング制度を活用してオランダ本社でコーチング講座を受講するなど、仕事に邁進し充実した日々を送っていました。しかし2020年、奥田の身体に突如異変が起こったのです。

奥田 「コーチングを仕事に取り入れていましたが、個人のパフォーマンスが上がってもチームとして全然目標を達成できない。期待に応えるため業務量を増やしひたすら頑張るも解決せず、どうしたらいいのかともがく中で、ある日パタンと火が消えちゃったんです。パソコンの前に座ると冷や汗が出て、来るメールが全部クレームに見える。バーンアウトでした」

自らマネージャーを降りるというシフトチェンジ

仕事に没頭していた奥田を襲った、燃え尽き症候群。上司に一週間休みたいと申し出ると、最低10日は休むように指示を受けます。

奥田 「海外にいた7年半でも休んだのは4日くらいで、もともと週休2日のマインドセットさえありませんでした。上司に『この仕事はマラソンと同じだからしっかりと休みながらやりなさい』と言われていましたが、数字が四半期ごとにリセットされる営業のサイクルで、休むと稼げないという焦りが常にありました」

ここまで全速力で駆け抜けてきた奥田。このとき、人生ではじめての長期休暇を取ることになります。これからどうなっていくのか。先が見えない中、自分を見つめ直しさまざまなことを書き出していきました。

奥田 「好きなこと・嫌いなこと、得意なこと・そうでないこと。自分がやりたいことってなんだろう、自分が幸せに過ごせるのはどんな一日だろう。そう考えていったときに、僕が好きなのは『マネージメント業務』より『目の前の担当する企業や候補者様のサポートや課題解決』に多くの時間をかけたいのだとだと気づきました。そのためにも『コーチング』をより深く学びたいと思いました」

自分はマネージャー志望ではないかもしれないと感じながらも、「席に着いてみないと見えないことがいっぱいある」と背中を押されてチャレンジしたポジション。結果として自分が本当にやりたいことを再確認することになり、マネージャーを降りてシフトチェンジするという選択をします。

奥田 「コーチングの勉強をしたい。どうやったらできるんだと考えると、マネージャーじゃ無理だなと思って。勉強したいからマネージャーから降りたいなんてワガママだと思いました。僕が上司だったら『なに言ってんの?』と思うだろうと。でも上司にそれを伝えると真摯に向き合ってくれて、『シニアコンサルタントに戻ってでもやりたいことをやった方がいい』と言っていただけました」

仕事の成果もやりたいことも求め続ける選択

ランスタッドに入社した頃、“35歳で年収1000万”を目標にしていた奥田。今は“No.1よりOnly 1”“ラスワンとしての認知を広げたい”と、その価値観が変化していると言います。

奥田 「2019年当時、事業部で目標を達成していても売上を作っているのが一部のトップパフォーマーだけという課題がありました。行動量に大きな差はなく、どうすればこの問題が解決するのかみんな頭をかかえていました。でもオランダでコーチングを勉強したとき『これだ!』と。みんながコーチングスキルを身に着けたらコミュニケーションが変わり、パフォーマンスが改善されると感じたし、実際に私自身もコーチングスキルを身に着ける前と後では売上も前年比130%達成と改善しました」

相手が何に困っているのか、本当はどうしたいのか。本人も気づいていない潜在的なニーズや課題をしっかりと聞き、引き出していくコーチングの力。それが出来る事でエージェントとしての付加価値が生まれると奥田は考えています。

奥田 「ワガママを言って降りた以上、ちゃんと結果を出さないとというプレッシャーもありました。でもそれも自分のスクリーンから見ているもので、周囲に話を聞いたら別にそんな風に思ってないみたい。今は自然豊かな土地への移住を検討しているところです。在宅勤務がメインなので、会社から離れても特急や高速バスを活用すれば必要なときは出勤して仕事ができますから」

ゆくゆくは競技で活躍した馬のセカンドキャリアとして馬らしく自然に在るだけで輝ける場と、コーチングや自然の中での瞑想を通して、参加者が『徹底的に自分と向き合い、人生のシフトチェンジする』そんな馬のリトリートをやりたいと考えているとか。プライベートを顧みず働くスタイルから、フルフレックスの制度を活用して休暇やコーチングの勉強の時間をしっかり取るように働き方も変化しました。

奥田 「マネージャーを降りてチームのピープルマネジメントをしていた時間がなくなった分を、コーチングの勉強に充てたいと上司に掛け合いました。それでも結果を残していくからと。でも直近の2Qは結果を残せていないので、指摘されないよう頑張ります(笑)」

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