conversation5/5は手話の日― 知ってる? 聴覚障がい社員とのコミュニケーション、大切なのは「少しの意識」

早川 舞・村上 実優
- profile
-
- 早川 舞
- オペレーショナルタレントソリューション事業本部 立川支店 シニアコーディネーター
- 村上 実優
- プロフェッショナルタレントソリューション事業本部 チャレンジドチーム
アドミニストレータ

5/5(月)は手話の日です。手話を通じて聴覚障がい当事者と健聴者とのコミュニケーションの大切さを考える日として、この日が制定されました。
当社では聴覚障がいを持つ社員(以下チャレンジド社員)と、そのアライ社員による従業員主導グループ(以下ERG)『Deaf Lounge(デフラウンジ)』が活動しています。今回はそのメンバーで、とても仲の良いお二人である早川舞さんと村上実優さんに、聴覚チャレンジド社員と健聴者の方がより良いコミュニケーションをとりあって業務ができるようなお話を伺いました。
ー自己紹介をお願いします。
早川:立川支店の早川と申します。2018年に入社、現在7年目のシニアコーディネーターです。私は健聴者ですが、小学校から中学校にかけて手話を学び、大学では有志のサークルで簡単な手話通訳を経験しました。社会人になってからは手話とのかかわりが減ってしまい、また手話を使いたい、アップデートしたいと思っていた時に、社内に手話のコミュニティがあることを知りました。当事者のみのコミュニティでしたが、ED&I(エクイティ・ダイバーシティ・インクルージョン)担当者に繋いでもらい、手話ERGへ参加させていただいています。
村上:プロフェッショナルタレントソリューション事業部チャレンジドチームの村上と申します。2012年に入社し、現在13年目で営業サポートを中心に行っています。生まれつき耳が聞こえません。連絡やコミュニケーションでは主に手話ですが、筆談やメール、チャットを用いた方法に加え、社用携帯に入っているUDトークや私用携帯に入ってるYYアプリの文字起こしを使い分けながら頼っています。
ー手話ERGではどんなことをしていますか。またどんなメンバーがいますか。
早川:リーダーの青木さんが様々な話題で盛り上げてくださいます。「寒い時に体を温める良い方法何か知ってる?」「花粉症大丈夫?」等という日常会話から、手話の豆知識、進行中の企画についてのお知らせ、最近は今年の11月に開催されるデフリンピック(ろう者のためのオリンピック)の話題がホットです。メンバーはみんな、手話ブランクのある私にも優しく接してくれるので、いつも温かい気持ちをもらっています。
村上:耳が聞こえない人同士の色々なお話や情報提示等を行っています。リーダーの青木さんが色々な話題を話してくれますし、今はホットな話題であるデフリンピック(ろう者のためのオリンピック)について話したりしています。また、進行中の企画についての状況など▲のお知らせもして貰っています。雑談の時は県や年齢によって手話の使い方が違うこともあったりしてお互い勉強にもなったりしています。
ー(早川に)村上さんはどんな人だと思いますか?
早川:一緒にいて楽しい人です。会話の話題が豊富、表現力が豊か、話していても笑いが絶えません。また、指が細くてキレイなので手話も見やすく、とにかく一緒にいてとても楽しいんです!会話の引き出しが多いのですが、中でも特に生き物についてはとても詳しくて、変わった動物や昆虫の習性を教えてくれたり。私も生き物が好きなので、何時間でも話していられると思います!明るく笑顔の絶えない振る舞いや表情の豊かさなど、見習いたいと思うところが多い魅力的な人です!

ー(村上さんに)早川さんはどんな人だと思いますか?
村上:一緒にいて落ち着ける空間を共有してくれる人です。手話も覚えようと努力してくれて嬉しい気持ちになります。聞き上手でリアクションが可愛くて、つい話題を出したくなります。自分でも無駄な知識だとわかっていても、早川さんは、そこも素敵だし、もっと聞いていたい、と言ってくれました。早川さんのリアクションや相槌の打ち方が可愛いので見習いたいなと思います。
ー(手話を使わない)非当事者が、当事者とよりコミュニケーションしやすくなるにはどのようにしたらよいと思いますか。
早川:もし『耳が聞こえない=コミュニケーションが取りにくいかも』と感じてらっしゃる方がいたら、その意識を少しだけ変えていただけたらと思います。手話が使えなくても案外会話は成り立つんです。健聴者でも寡黙な人がいたり、声が小さい人がいたり、なかなか会話が嚙み合わない人もいます。だから私は『聞こえない』ということを特別なことと捉えていなくて。最初の一歩は少しだけ勇気が必要かもしれませんが、普通の人と変わらない、魅力あふれる人ばかりだということを知ってほしいです!
村上:確かに耳が聞こえないと、どうやって対応すれば良いのか?手話が出来ないから話せないんじゃないか?と思う方が多いかと思います。まだ、手話が珍しくて何だろう?とこちらをじっと見てくる方も居ます。意識の違いなので全部変えるのは難しいけど、少しずつ一つだけ、意識を変えるだけです。手話ができないから対応できないということはなくて、一つの工夫と一つの勇気だけで大丈夫です。工夫が有れば私たちも動きやすいですし、対応出来ます。今はスマホやAIシステム等も先端的に進んでいます。なので、チャット等が有れば普通に話せてます。例えば、ゲーム内の話や相談は全部チャットで、違和感無く進んでます。この様に一つの工夫で皆さんとコミュニケーションがしやすくなります。是非とも怖がらずにチャットやスマホにある音声立ち上げを使って話しかけて下さい!

ーランスタッドでやってみたいことはありますか。
早川:ERGメンバーに限らずですが、チャレンジド社員に関する理解が深まるような交流イベント等が出来たらいいですね!近年各拠点や事業部でチャレンジド採用に向けた動きもあると聞いているので、参加者側にもメリットがあると思うのです。チャレンジド社員を採用したいと思う拠点や事業部が増えれば法定雇用率も上がりますし、少しでも理解を深めた状態で採用活動ができればミスマッチも減るかもしれません。より一層、様々な個性や特性を活かして働くことができる会社になったら素敵です。
村上:早川さんと似た感じになってしまいますが、チャレンジド社員をもっとオープンに理解が広がる様な活動をしたいなと思っています。ミスマッチも少なくなり、法定雇用率が上がるお手伝いも出来たら良いなと考えています。
ー本日はありがとうございました。インタビューの最後に何かお伝えしたいことはあるでしょうか。
早川:1924年から始まったデフリンピックが、今年はついに初めて日本・東京で開催されます。前回(2022年)は合計30個のメダルを獲得しており、日本での開催も注目を浴びています。普段とは一味違うスポーツ観戦を楽しみながら手話に触れる絶好の機会になると思うので、ご興味のある方は是非一緒に応援しましょう!
村上:今年初めて日本の東京でデフリンピックが開催されます。普段と違うスポーツ観戦や手話をたくさん見れたり触れる機会が増えます。気になる方や興味ある方は是非とも応援したり手話を教え合いたいです。