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障がい者紹介15年、正義感だけの時代を越えて見えた、定着まで支える仕事

根本 教行プロフェッショナルタレントソリューション事業部 チャレンジドチーム
マネージャー

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profile
栃木県出身、東京経済大学卒、卒業後にレオン自動機に入社、広島出張所に配属となり、7年間広島、島根、山口、愛媛のエリアで食品機械の営業・メンテナンスサービスを行う。2000年10月にランスタッド(当時は富士総合サービス)へ入社。宇都宮支店にて選挙の出口調査のスポット派遣担当から仕事を開始し、西那須野支店(現那須支店)の支店長、PFI事業室長、リーガルでの勤務を経て2009年10月より現在のチャレンジドチームにて障がい者の人材紹介事業を立ち上げ現在に至る。

「人を支える仕事」にたどり着くまで

人材派遣、PFI事業(公共施設の整備・運営に民間が関わる事業)、法務部門を経て、2009年から障がいのある方の転職・就労支援に携わってきた根本。ランスタッド在職25年、そしてチャレンジド紹介事業15年という節目の年を迎えた今も採用から定着まで一貫して支える支援のあり方を現場で追求し続けています。

 

本記事では、根本の25年のキャリアとチャレンジド紹介事業の歩み、そして未来への想いに迫ります。

 


 

根本の前職は機械メーカーの営業。「モノ」を扱う仕事に携わっていました。ランスタッドと出会ったきっかけは、知人からの紹介だったそうです。

 

(根本)「機械は嘘をつきません。しかし、人は状況や感情によって変わる。そこが難しくもあり、面白いところですね」

 

派遣という形で人と企業をつなぐ仕事は、常に思い通りにいくわけではありません。約束通りに進まないこともある一方で、良い結果につながったときには、企業からも働く人からも直接感謝される。その「人ならでは」の手応えが、根本をこの仕事に向かわせ続けてきました。

 

25年のキャリアのなかで大きな転機となったのが、西那須野支店(現・那須支店)の支店長からPFI事業室長を経て、リーガル部門へ異動したことでした。派遣を契約通りに運用するため、契約書をチェックし、違法派遣にならないかを確認する部署の立ち上げに携わり、課長として現場を指導する立場を担います。

 

(根本)「自分が法律を理解していなければ、現場は指導できませんから。あのときは、必死に勉強しました」

 

法令遵守を前提に事業を組み立てる視点は、このときに培われたものです。

 

(根本)「障がい者雇用は日本で唯一、法律によって義務づけられている雇用です。あのときの経験がなければ、今の事業を15年間続けることはできなかったと思います」

辞令から始まった挑戦。チャレンジド紹介15年の原点

その後、根本は上司から「障がい者人材紹介を任せたい」と声をかけられます。

 

(根本)「正直、頭は真っ白。しかし、法律が関わる分野だと聞いて、うまくやれば成果が出せるかもしれない、とも思いました。新しいことに挑戦するのも悪くない、くらいの気持ちでしたね」

 

実際に任された現場は、決して整った状態ではありませんでした。労働局の調査で自社の法定雇用率が大きく下回っていることが判明し、まずは社内の障がい者雇用を立て直す必要があったのです。人事部門から切り離した専門チームが立ち上がり、試行錯誤が始まります。

 

当時の前任者は、自社採用で得たノウハウを蓄積しながら、「この課題は他社にも共通しているはずだ」と、採用支援を事業化できないか模索していました。そうして、実務と失敗を重ねるなかで、障がい者人材紹介の骨組みが少しずつ形になっていきました。

 

当時の根本を突き動かしていたのは、強い正義感です。

 

(根本)「差別という言葉がどうしても好きじゃなくて。障がい者雇用なら、どんな障がいの方でも雇うべきだと思っていました。今思えば、かなり危うい考えですね」

 

身体・精神・知的と特性の異なる障がいを十分に理解しないまま、理想を優先した結果、ミスマッチや早期離職が続きます。

 

「民間の障がい者人材紹介と、ハローワークの違いは何ですか?」

 

そう問われ、言葉に詰まったこともありました。

 

(根本)「法定雇用だから雇わなければいけない。それだけを伝えていました。でも、それでは続かない」

 

企業が受け入れられる障がいの種類や職場環境を踏まえなければ、支援は成り立たない。その事実に気づくまでに、3〜4年の試行錯誤と多くの失敗がありました。そして、この経験がのちに「定着まで支える」チャレンジド紹介事業の原点となっていきます。

「定着まで支える」という価値にたどり着くまで

▲同事業本部のメンバーと

立ち上げ期の試行錯誤を経て、もう一つの転機が訪れます。2013年頃、障がい者支援分野で豊富な経験と専門資格を持つコンサルタントがチームに加わりました。

 

(根本)「その方が入ってくれたことで、ようやく支援の方針が整理できたんです。身体・精神・知的、それぞれ支援の仕方がまったく違う。そこを整理しないと、うまくいかないと気づかされました

 

支援の考え方が整理されたことで、トラブルやミスマッチは大きく減少。早期離職も目に見えて少なくなり、事業としての手応えが生まれていきます。

 

(根本)「自分たちがきちんと支えられる領域に集中しよう、そう決めました。そこから、身体障がいのある方を中心に支援していく方針に舵を切りました」

 

同時期、社会全体でもダイバーシティへの意識が高まり、2016年には障害者差別解消法が施行されました。

 

(根本)「私たちだけが頑張っているわけじゃない。国や社会も少しずつ前に進んでいる。その流れに乗りながら、事業を続けていきたいですね」

 

現在、チャレンジド紹介を担うのは3名のチーム。全国をカバーしながら、業と紹介の両面を一気通貫で担っています。

 

(根本)「一人ひとり、しっかりと顔が見える関係で紹介しているのがランスタッドの強みです」

 

根本が貫くのは、「量より質」というスタンスです。

 

(根本)「誰でもいいから紹介することはしません。求人をいただいたら、8割以上条件が合う方だけをご紹介します

 

数は多くなくても、マッチ度を高める。その積み重ねが、書類通過率約5割という結果と、高い定着率につながっています。

 

(根本)「数を求めるなら他社を。質を重視したいなら、私たちを使ってほしい。お客様に使い分けてもらえればいいんです」

 

「質にこだわって紹介する」それは理想論ではなく、数々の失敗と学びを経てたどり着いた、実務に裏打ちされた価値でした。

登録者誘致の難しさと、それでも譲れない支援のあり方

障がい者雇用は採用して終わりではなく、その後いかに定着するかが重要です。短期間で離職してしまえば、法定雇用率の観点でも企業にとって大きなリスクになります。

 

(根本)「企業が求めるのは定着率の高い人材です。さらに、企業ごとに受け入れられる障がいの種類や、職場環境はまったく違います。それをピンポイントで探そうとすると、本当に宝探しのような状態になります」

 

だからといって「誰でもいいから紹介する」という選択肢は取らない。根本が大切にしているのは、企業と候補者の双方にとって納得できるマッチングです。

 

(根本)「障がい者雇用で本当に大切なのは、数をそろえることじゃない。その人が長く働き続けられることです。無理な採用は、本人も企業も不幸にしてしまいます」

 

この考えを体現しているのが、チャレンジドチームの入社前研修です。

 

(根本)「初めて障がいのある方を採用する企業や、受け入れ環境が整っていない職場では、候補者だけでなく、配属される社員側にも不安があります。

 

そこで、入社前に「なぜ障がいのある方を採用するのか」をテーマにした研修を行っています。お顔合わせも兼ねて、障がいの内容や配慮事項を本人から直接伝えてもらうんです

 

この研修を通じて、企業側は障がい者雇用を制度対応ではなく、自分ごととして捉えられるようになるといいます。同時に候補者にとっても「理解された状態」で働き始められる安心感につながります。そうした積み重ねが、企業からの評価にも表れてきました。

 

(根本)「『ランスタッドさんのおかげで良い採用になりました』と言っていただけることが増えましたね。採用から定着まで、ワンストップで支援できるのが私たちの強みです

 

登録者誘致は決して簡単ではありません。それでも根本は、「定着まで支える」という考えを手放しませんでした。その積み重ねが、チャレンジド紹介事業を15年続く取り組みに育ててきたのです。

次の10年へ。社会課題と向き合い続ける人材サービスを

障がい者雇用を取り巻く環境は、これからも確実に変化していきます。

 

(根本)「雇用率は段階的に引き上げられていきます。企業にとってやらなければならないテーマであることは、今後も変わらない。ニーズがなくなることはないと思っています」

 

一方で制度対応に追われるあまり、本質から外れてしまうケースも少なくありません。

 

(根本)「採用して終わりではなく、定着まできちんと向き合えば、障がい者雇用は企業にとってもプラスになります。急成長するビジネスではありませんが、少しずつ一緒に成長していける支援を続けていきたいです」

 

チャレンジド紹介は、社会貢献性の高い事業であると同時に、ほかの人材サービスともつながる可能性を秘めています。近年は、ほかの事業部でもその価値に目を向けるコンサルタントが増え、派遣では接点を持ちづらかった企業と、新たな関係が生まれるケースも出てきました。

 

(根本)「人数は少ないチームですが、会社にとってのインパクトは残していきたい。チャレンジドを入口に人材サービス全体の可能性を広げていけたらと思っています

 

節目を迎えた今、根本が次世代に伝えたいのは、スキルやノウハウだけではありません。

 

(根本)「課題やトラブルは、どんな仕事でも必ず起きます。しかし、それを恐れていたら何もできない。抱え込まずにオープンマインドでまわりを巻き込み、頼るところは頼る。そうすると、仕事も人生も面白くなります」

 

成果や役割を背負いながらも、根本が軸としてきたのは、人と企業の双方に誠実に向き合うこと。その姿勢こそが25年間ランスタッドで歩み続けてきた原動力です。

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ダイバーシティー人材紹介(プロフェッショナル)障がい者採用