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派遣の先に「人生単位の価値」をつくる--首都圏エリアマネージャーが語る、人材業界の真価

長部 智樹オペレーショナルタレントソリューション事業本部 首都圏エリアマネージャー

profile
神奈川県出身 中央大学法学部卒業後、ランスタッド(当時のアイライン)へ入社。水戸支店にて半導体関連の企業を主に担当した後、厚木支店へ異動。2018年に厚木支店長に着任2021年に神奈川エリアマネージャーに着任。2025年には現ポジションへ着任。

「苦手」を力に変える—人との対話に不安を抱えながら人材業界へ

ランスタッド株式会社の首都圏エリアマネージャーとして、9支店を統括する長部。長期・短期派遣の両軸で多様な働き方を支援し、クライアントの課題解決を導いています。そして、100名を超えるメンバーを束ね、組織運営と人材育成にも注力しています。
 
長部のキャリアは、「苦手」への挑戦から始まりました。その背景には、厳格な家庭環境があったと振り返ります。
 
(長部)「私の家は学歴を重んじる家庭で、父も非常に厳格でした。いわゆる『良い子』として育ってきました。しかし、高校時代の両親の離婚を経て、自身の生き方に疑問を持ちました。そして、それまでとは異なる生き方や価値観を持つ人たちと関わってみたいという気持ちが芽生えました。
 
そのため、両親がいたような『堅い業界』には進みたくありませんでした。変化があって、新しい業界。自分が試される場所に身を置きたいと考えるようになりました。
 
そして、『最もハード』と言われていた人材業界、自分が一番苦手だった営業職—その両方に、あえて挑戦しようと思いました。
 
私は人と話すことに自信がなく、大勢の中に入るのも得意ではありませんでした。さらに当時の人材業界は、『3年後の離職率が最も高い』とも言われていて。
 
しかし、だからこそ得られる経験は将来きっと財産になると確信していました」
 
そう語る長部が選んだのが、アイライン(現・ランスタッド)でした。
 
(長部)「面接は一度きり。『今日、うんって言ってくれたら採用するよ』と言われ、その場で『お願いします』と即答しました。直感的な決断でしたが、今でもあの選択は間違っていなかったと思っています」

入社後のキャリア—多様な経験を活かし、首都圏エリアを統括

▲支店長とのオフサイトミーティング

最初に担当をしたのは、茨城県の物流倉庫。新卒1年目の長部は、半年間、派遣スタッフと密にコミュニケーションを取りました。

 

(長部)「スタッフと会話する中で、派遣スタッフの方々の背景や価値観に触れました。どういう経緯でこの仕事に就き、日々何を感じながら働いているのか—それを知る貴重な時間でした。あの経験があったからこそ、順応力と視野が大きく広がったと思います」

 

経験を積んでいく中で多くの試練に直面します。特に印象的だったのは、契約終了をスタッフに伝える場面です。

 

(長部)「40代、50代の方に対して、20代前半の自分が『今回で契約は終了です』と伝えるのは、本当に心苦しくて・・・。涙が出そうになることもありました。しかし、逆に『長部君のせいじゃないよ』と声をかけてくださる方もいて救われました。

 

怒られることもたくさんありましたし、どうにもならないことのほうが多かった。そのぶん、人と人とのつながりや温かさを肌で感じることができました

 

そうした経験の積み重ねが、精神的なタフさと信頼関係を築く力につながっていったのです。

 

その後、水戸支店や厚木支店での経験を経て、2018年に厚木支店長に就任。横浜支店長、神奈川エリアマネージャーなどを歴任し、現在は複数支店を統括する首都圏エリアマネージャーとして活躍しています。

 

(長部)「首都圏エリアでは、物流企業を中心に、メーカーや事務系クライアントも担当しています。特徴的なのは、短期・単発のスポット派遣の比率が高い点です。長期が7割、短期が3割という構成は、社内でもかなり特殊なエリアです」

 

短期と長期のサービスを組み合わせることで、繁閑に応じた柔軟な人員調整を可能にし、クライアントの安定運営を支えています。

 

一方で、都会ならではの採用課題にも直面していると話します。

 

(長部)「地方と比べて、首都圏では人と人との距離を保ちたい人が多いように思います。リファーラル採用(社員紹介制度)が浸透しにくいのも、余計な責任を持ちたくない、という心理があるのかもしれません」

 

こうした課題に対して、HR部門と連携しながら、職場満足度の向上や当事者意識の醸成に取り組んでいます。

 

(長部)「安心して人を紹介できる職場にしていかないと、この先の未来はないと思っています。他支店や他エリアの取り組みを共有し合う勉強会を開いたり、紹介の価値や意味を伝える啓発活動を進めたり—『紹介したくなる職場』をつくっていくことが、今の自分の役割だと感じています

「人を動かす」から「人生を支える」へ—信頼がつなぐ、次の出会い

▲2024年にはランスタッドのベストパフォーマー『CEOクラブ』に選ばれた長部。宮崎で行われたアワードセレモニーの写真

長年にわたり人材ビジネスと向き合ってきた長部に、その価値と課題について尋ねると、こんな言葉が返ってきました。

 

(長部)「正直に言えば、人材ビジネスは『すべての人に必要』なものではないと思っています理想を言えば、すべての人が自分の望む道を自力で見つけられればハッピーですから。

 

しかし現実には、家庭の事情やライフスタイルの変化に合わせて、派遣という働き方を選択する方もいますし、企業側にも柔軟な人材活用を求めるニーズがある。そういった現実に向き合い、フォローするのが私たちの役割なんだと思います

 

派遣はそうした多様な働き方を支える仕組みですが、かつての人材業界は、制度やルールが整わないまま急速に拡大していった背景もあります。

 

(長部)「私がこの業界に入った頃、派遣業の許可を持つ会社は全国で約9万社もありました。法整備も不十分で、営業も教育されないまま動いていた。いわば『混沌の時代』です。

 

今では約2万社にまで淘汰され、ようやく健全な業界になりつつあると思います。このようななか、私たちはずっと信念を持って、コンプライアンスを重視し、人に寄り添う姿勢を貫いてきました

 

人材業界が社会からの一定の信頼を得るようになった今も、その姿勢は変わりません。

 

(長部)「『派遣で働くなら、ランスタッドがいいよね』と思ってもらえるように、

単に人を送り出すのではなく、その後のキャリア—正社員や独立といった選択肢も見据えて伴走するそういう存在でありたいと思っています」

 

こうした姿勢は、次の仕事につながる信頼として形になって表れています。

 

(長部)「以前、私が派遣したスタッフが正社員になり、その後、人事担当者として発注していただけるようになったことがありました。また、ランスタッドを卒業した社員が別の業界に転職して、今の職場でもランスタッドを紹介したいと声をかけてもらえることもあります。

 

人の人生が動く瞬間に立ち会える—それが、この仕事を続けてきて一番うれしい瞬間です」

「人生単位で得をする」—自己表現と挑戦を後押しする職場へ

▲ランスタッドがオランダ市と共同保有するクリッパー号来日の際、船上で行われたパーティのひとこま

首都圏エリアを率いる長部が目指すのは、「ただ働くだけの場所」ではなく、「人生単位で得をした」と感じてもらえる職場づくりです。

 

(長部)「私たちのエリアでは、横浜F・マリノスの観戦イベントや山登り部の活動など、社内外の交流を深める場づくりを行っています。また、研修やミニプロジェクトも盛んで、最近では、FP(ファイナンシャル・プランナー)を招いて『人生のお金』について学ぼう、という声もあります。

 

こうした動きは、メンバー発信でスタートしたものです。首都圏エリアは、経験年数に関係なく意見を出しやすい。やりたいことを形にできる、そんな風土が育ってきていると感じます」

 

どのような人がこの職場に向いているのか—長部は次のように語ります。

 

(長部)「やはり『人の人生に興味がある人』ですね。営業職なので、数字を追うことも大切ですが、相手の背景や想いにしっかり向き合えるかどうかが何よりも大事。

 

営業未経験でも構いません。チャレンジしたい気持ちがあるなら、私たちも全力で後押します」

 

採用にあたっては、マッチングの質を重視しているそうです。

 

(長部)「私たちは、無理に採用することはしません。『その人にとって本当に合う環境はどこか?』を一緒に考えるのがプロの仕事です。

 

面接では『仕事が楽しいと感じる瞬間は?』『やりがいを感じるのはどんなとき?』といった問いを通して、その人の楽しさの軸を見つけにいきます。

 

うちの仕事と重なる部分があれば、自然と良いマッチングになりますし、逆に違うと感じたら、『うちじゃないかも』と率直にお伝えすることもあります。他社のことも含めてアドバイスできるのが私たちの強みです

 

そして最後に、ランスタッドでのキャリアを検討している方へ、こんなメッセージが届きました。

 

(長部)「『社会にどう貢献できるか』を真剣に考えるのが好きな人には、これほど面白くてやりがいのある仕事はないと思います。

 

まずは気軽に、話をしに来てください。ここでの出会いが、あなたのキャリアにとって『人生単位で得をする』きっかけになるかもしれませんから」

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