【派遣社員レポートvol.25 】トレーニング開始!

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2015/05/12

今日からバグンデ村のTPC代表の2名の方と共に、安全な水を作るためのろ過機設置方法を学びに、ポカラ近郊にあるAnnapurna Eco-Villageに来ています。

ろ過機はとてもシンプルで原始的ではありますが、ほぼ100%のバクテリアを水から除去できます。浄水器でさえも100%までの除去は難しいそうですので、画期的な機能であることがわかります。この方法を取り入れたことにより、水が原因で下痢や体調を崩すケースが7割以上改善されたと伺いました。Anna Purna Eco-Villageでも、このろ過機は安全な水を確保するために代表的な手法です。
必要なものはバケツを8個、砂利、料理などに使う篩(ふるい)、ホース、網戸の網、(蛇口)です。どこでも手に入る道具で作ることができ、一度作れば、月1のメンテナンスのみで、いつまでも使うことができます。

設置の方法を教えてくれるトレーナーは、日本語と英語を流暢に話すBednidhi Adhikari(ベドニディ・アディカリ)さんです。とてもフレンドリーな方です!この安全な水のつくり方は、約4年前JICAと神戸大学の指導の下、導入されたそうです。ベドニディさん自身も今回のトレーニングを受けるために、2度ほど来日されたことがあるそうです。彼は、「日本には、このような素晴らしいアイデアと、その知恵をシェアをできるホスピタリティがあることを誇りに思ってください」と笑顔で仰っていました。このろ過機をネパールで導入する際、成功するまで幾度と無く失敗を繰り返したそうです。しかし、始めは何をするにも失敗を繰り返すものだとポジティブにとらえたそうです。トレーナーのペドニディさんのご家族は、努力の成果が、多くの人を長きに渡り幸せにしていくのだと信じ続け、試行錯誤をつづけていたのも印象的でした。

トレーニングは朝10時から始まり、約5時間の実践形式のトレーニング、あっという間に時間が過ぎていきました。バクンデ村のTPCのメンバーの方もとても意欲的にトレーニングに取り組み、積極的に質問もされていました。トレーニングの日の夜、夕食を囲みながら、バクンデ村に戻り次第、学校とTPCの建物にろ過機の設置を提案しようと話し合いました。バクンデ村でろ過機の設置やトレーニングをすることが待ち遠しいです。

今回トレーニングの為に訪問したエコビレッジは、ヨーロッパ・アメリカ・アジア各国からも観光客や方が訪れる、観光にも成功している地域です。エコビレッジとは、生活すべてにおいてエコをとりいれている村で、水はもちろん食糧や電気などもすべてリサイクル・リユーズであり、環境にも考慮した方法を考えています。今回のプロジェクトで「エコリズム」という言葉を耳にはしていましたが、実際の体験を通し、このような活動の大切さを、身をもって理解しました。

今回このトレーニングを実現するのには様々な壁がありました。震災の影響もあり、VSOから予算と企画の承認が得られず、救援活動を優先するべきなのではと、一度は諦めかけもしました。しかしながら、関係者の方と議論を重ね、このようなタイミングであるからこそバグンデ村が必要としている課題に取り組もうと考え、安全な水のつくり方のトレーニングと災害時の対処法の説明は最低でも実行をしようという結論に至りました。VSOネパールのマネージャー、Khuvaido(クバイド)さんとも話し合いを繰り返しました。トレーニングを終え、既に村の方たちの意識は変化し、成果が見えています。ここまで、一喜一憂、悩みぬいて実行に移してきて、本当によかったと思っています。明日またバクンデ村へ戻り、明後日から村の方々へトレーニングを開始します!
ネパールでの滞在もいよいよ折り返し地点に来ました。震災があり、混沌としていたときもありましたが、とにかく今は、村の皆さんのために、残りの3週間でできることをしていきたいと思っています。


トレーナーのBednidhi Adhikari(ベドニディ・アディカリ)さんとJICAから導入されたろ過機


真剣にトレーニングを受けているバクンデ村TPCメンバーのハルカさんとヤムさん(左から)


これが、ろ過機作成に必要な道具一式です!


トレーニングの最後に皆さんと記念撮影

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