【派遣社員レポートvol.49】ネパールの若者とキャリアについて

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2016/04/19

いよいよ、私が配属されるICSでの活動がスタートしました。VSOが運営しているICSというチームは若年層の育成と社会参加促進を目的としており、イギリスから派遣されてきた18歳〜25歳の若年層のボランティアとネパール人の学生達のチームを構成し、ネパール各地域へ派遣する業務を行っています。ボランティアの採用、派遣前のトレーニング、活動状況の中間報告、活動後のキャリア支援というサイクルを1年間で3〜4回繰り返していきます。

最初のミッションは、既に活動期間を終えたネパール人ボランティアのキャリア支援で、2日間の日程で行われました。

まずキャリアを考える前に、活動期間を経て出会った地域の人達との関わりを通じて、個人がどのように成長したかを振り返るグループワークを組みました。地震後の公衆衛生についての教育支援を行った学生は、「もっと大きな影響を与えられると思っていたが、力足らずだった。この経験を元に大学でも研究を深め、実用性のある取り組みがしたい。」と振り返っていました。

そして、ネパールのスタッフと事前に準備した履歴書の書き方や職業選択についての講座を開き、私自身も海外で働くということの理想と現実について話しをしました。

また、学生が今どのような職業に興味を持っているのか質問をしてみると、社会貢献活動に興味がある学生が多かった事もあり、一番人気だった職業はNGOの職員でした。日本とは違い、先進国や企業からの援助が十分にあるネパールのNGOは、給与水準も平均以上でやりがいも感じられるというのが理由でした。また、警察官など政府の仕事は給与水準が高くても、内部に家族や親戚など知り合いがいないと就く事が出来なかったり、教師は教員免許の発行自体が最近始まったばかりで給与水準が低かったりと、若者の選択肢は日本と比較すると圧倒的に狭いことを知りました。

私達が若者と関わるチームである限り、彼らの意思選択にあらゆる社会事情が影響を与えることを理解して、一人一人と向き合わなければならないと改めて感じました。

私が経験しているこのボランティアは、真っ白なキャンバスに筆を入れていく作業の繰り返しです。難しい挑戦ではありますが、0を1にも10にも変えられることを楽しみながらこれからも頑張っていきたいと思います。


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