【派遣社員レポートvol.39】in-community orientation(現場研修)が始まりました!

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2015/12/09

12月7日から約1週間、in-community orientation(現場研修)に参加しました。

今回ICSプログラムに参加するイギリスとネパールの学生ボランティアたちは、バグルンに拠点を置くVSOの「health」チーム、ラリトプールの「livelihood」と「education」チームそれぞれの現地施設周辺に行き、プロジェクト開始前の最後の研修を行います。今回、私は、ラリトプールの「livelihood」チームに同行しました。

研修場所は、カトマンズ市内から約1時間離れたゴダワリという地域です。日本の林間学校のような雰囲気のなか研修が行われ、団体生活を1週間行いました。

この研修には、ICSスタッフだけでなく、プログラムパートナーのNGOや、外部組織の講師など幅広い方々が携わります。ボランティアメンバーも、ただ講義を聞くのではなく、チェックインをしたり、アイスブレイクをしたり、前日の振り返りをシェアするなど、主体的に研修の場作りを行っていました。

8日と9日は、CARE Nepal(CARE internationalという世界の発展途上国で貧困問題を中心とした自立支援を行っている国際協力NGO団体の、ネパール現地事務所)で同じくlivelihoodに関わる問題に取り組まれている方を講師に招き、セッションが行われました。

まず、「ネパールの村の生活について、考える」というテーマのワークショップが行われました。現場研修後に、ICSボランティアは各ホストホームに滞在するのですが、その前に現地の家庭生活を想像し、理解を深めておくという内容でした。例えば、「典型的なネパールの家ってどんな作り?」「ネパールの家族の役割って何?」「家の周りにはなにがあるのか?」「どうやって生計を維持しているの?」などのテーマでディスカッションを各グループで行いました。

その次に、livelihoodに関連し、戦略を立てる際に理解すべき要素を学ぶセッションが行われました。ここでは、「cultural and social(社会文化的要素)」「Economic and Financial(経済的要素)」「Environmental and Ecology(環境的要素)」「Market(市場的要素)」が戦略を練る上で重要だという話をして頂きました。

ネパールの社会文化的要素として、カースト制度や運命論などを含む、伝統を重んじる社会への理解が求められます。また、経済的要素では、ネパールにどれくらいの資本があるのかや、コストや収入がどれくらいになるのかを理解し、自分たちが立てている戦略が環境に充分配慮しているのか、現地の資源を活用できるのか、そして次世代に有害な影響が残らないかどうかを考慮する必要があります。そして最後に、市場的要素として、顧客は何を求めているのか、距離、インフラ整備、価格や量の設定、そして競争相手の有無を考慮した上で、戦略を立てる必要があります。

こうしたセッションが行われた後、「自分たちでオーガニックファームを立ち上げる」というプランについて、参加者でワークショップを行いました。

ここでは、グループに分かれて、オーガニックの養鶏や養魚、果物栽培などを自分たちで始めるとしたら、どんなものが必要になり、どれだけコストがかかり、結果どれだけの利益が生まれるかなどのディスカッションをし、各チームでプランを作成しました。

このワークの前に、コストとベネフィットの話をしていたので、ボランティアメンバーもそれらはきちんと考えていたのですが、講師の方から「そのプランのリスクは?(天気が悪くなって収穫できなかったらどうするの?収穫までにどれくらいの期間がかかるの?)」などの問いかけもあり、、その視点が抜けていたため、プランを再作成するなど、慌てていたチームもありました。

リスクの分析が抜けていたのは自分も同様で、いかに目の前にある事象だけに捉われていたかを認識させられ、ゼロベースで考える大切さを実感しました。


青空教室。室内にヒーターが無く、寒さをしのぐために陽のあたる外でセッション。

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