【派遣社員レポートvol.47】ネパール到着~VSOの組織について~

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2016/04/04


4月4日、長時間のフライトを経てようやくネパールに到着しました。信号のない道を車やバイクが大きなクラクションを鳴らしながら自由に行き交う道路を渡ったとき、遂にネパールでの3ヶ月間が始まったのだなと改めて実感しました。

ネパールの首都、カトマンズにあるVSOのオフィスには、各分野の専門スタッフが約20名、世界各国から集まったボランティアが約30名所属しています。到着して3日間はオリエンテーションを受けました。特に衛生面に関しては、歯磨きでさえもミネラルウォーターを使用するように注意がありました。街を歩いているだけでも手の平に埃を被るような環境なので、自分の健康を維持するためにも意識高く過ごす必要があると感じました。

そして、VSOの概要について各分野のプロジェクトリーダーから説明を受けました。現在、VSOではHealth(医療・衛生)教育(Education)Livlihood(生活)の3つの分野における問題を解決するためのプロジェクトが進んでいます。Healthチームでは、ネパールの地震後、医師や看護師の活動が震源地に集中し、田舎の地域で人材不足が発生していることから、海外から人材を呼び込むことに注力しています。Educationチームでは、家業の手伝いをしなければならない女の子や経済的な理由で学校に行けない子ども達へ教育の機会を提供したり、その状況を的確に受け入れなければならない教師への教育に取り組んでいます。Livlihoodチームでは、地方の観光促進や生活水準の向上などに取り組んでいましたが、近年様々なNGOが入ったことにより、現地の一部の方々が援助に頼りきってしまっていることが問題となっています。自立的な支援を目的とするVSOとしては、今後どのようにアプローチするか検討しているようです。


長年の研究、実践、検証の上、プロジェクトは進行しますが、時には政治や経済状況にプロジェクト内容を適応させる必要があります。例えば、今VSOの全体ミーティングで議題に挙がってきている「Re-focused plan」という注力分野の再設定プランでは、「Participation(参加)」という新しい分野を加えるべきではないかと話し合われています。ネパールでは女性の教育水準が上がっても政治への参画が遅れていることが懸念されているので、メディアを通した意思発信の方法やチーム形成の教育に力を入れたり、また、仕事を選ぶ判断が出来ない若年層の失業率が高いので、キャリア教育の機会を増やしたり、ネパールの社会へ参加する為のステップを造りあげるステージにきていると考えているようです。この50年間でネパールの識字率は約30%から約70%に近づいています。これからの数十年で日本や他のアジアの国にどれだけ追いつくか期待されています。

オリエンテーションを通じて、VSOネパールは組織自体が「変化する」ことに前向きな印象を受けました。NGOの団体は、様々な研究と実践が国や団体から評価されて初めて資金援助を受けることが出来ます。今後も継続的な活動が出来るよう、ランスタッドのようにパートナーシップを組む民間企業が増えることを願っています!

いよいよ今週から私が関わる若年層支援のプロジェクト(ICS)に参加します!

オリエンテーションにて、集合写真

VSOネパールオフィスにて

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