働き手の半数は出世よりもワークライフバランスと帰属意識を重視 2024年世界の働く意識調査「 ランスタッド・ワークモニター」を発表

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2024/01/17

労働者は昇進よりも、公平性、柔軟性、ワークライフバランスを重視

※当プレスリリースはランスタッドのオランダ本社より1月17日(水)に発表された、プレスリリースの抄訳版です。英語版プレスリリースはこちらをご覧ください:half of global workers are more interested in balance and belonging than climbing the ladder

世界最大*¹の人材サービス企業であるランスタッド(本社:オランダ王国ディーメン、CEO:サンダー・ヴァント・ノールデンデ)は、世界の労働者を対象とした労働者意識に関するグローバル調査「ランスタッド・ワークモニター」を四半期毎に実施しています。今年で21年目を迎える最新ワークモニターでは、ヨーロッパ、アジア太平洋、南北アメリカの34の国と地域で27,000人の労働者を対象に調査を行い、半数以上(56%)が野心的ではあるものの、昇進よりもワークライフバランス、柔軟性、公平性やスキルが雇用条件において重視していることがわかりました。

  • 労働者の大半が自身は野心的であると回答する一方で、半数(47%)は昇進を全く重視していないと回答

  • 労働者は依然として柔軟性を要求、3分の一以上(37%)がオフィスでの勤務時間を増やすよう求められた場合は退職すると回答

  • 労働者の多くは雇用主に対して依然として公平性の改善を求めてはいるものの、要求に応じてもらえない場合は退職すると回答する割合は減少:背景には厳しい経済状況下での失業に対する不安

  • ランスタッドのCEOは、雇用主が競争優位を獲得するための人材のABC:Ambition(野心)、Balance(バランス)、Connection (つながり)を取り入れるよう呼びかけています

回答者の半数を超える(56%)が自身は野心的だと回答しており、その割合はZ世代では69%に上りました。しかし、これは従来のキャリア志向が示す実態と相関して以内という結果になりました。労働者の半数(47%)は昇進を重視しておらず、同等の割合が、現在の職務において昇進や成長の可能性がなくても現職に留まると回答しています。加えて、労働者の三分の一(34%)は管理職には絶対に就きたくないと回答しています。

労働者はキャリア目標(70%)よりも、ワークライフバランス(93%)、労働時間の柔軟性(81%)、メンタルヘルスサポート(83%)をそれぞれの割合で重要だと考える傾向にあることも分かりました。昇進を望まないということは自身の成長に興味がないということではなく、四分の三に及ぶ(72%)が研修育成の機会は重要だと回答しています。その内、約半数(29%)が、AI研修といった将来の保証となるようなスキル育成の機会を提供してもらえない場合には退職するとも回答しています。



労働者の職場における公平性への要求

同時に、労働者は職場における公平性や帰属意識を依然として求めており、雇用主にそれらの改善を求めています。調査結果によると職場における公平性の改善に関して、労働者の18%が労働者に責任があると回答する一方で、大多数(52%)が雇用主に責任があると回答しています。加えて、職場文化育成の責任が労働者にあると回答した割合がわずか17%であったのに対し、45%は雇用主に責任があると回答しています。

労働者は自身の考えや価値観を反映してくれる企業で働きたいと回答しており、三分の一(38%)が経営層の考えに納得できない場合には就職しないと回答しています。

世界の労働者の三分の一以上(37%)が、ダイバーシティと公平性に関して、積極的な改善を行わない組織にはには就職しないと回答しています。雇用主が自分たちにとって重要な問題に対処しなかった場合には、五分の一(21%)が、Z世代においては30%が退職するとも回答しています。

オフィス復帰、2024年も争点に

調査結果によると再びオフィス勤務を必須とするか否かに関しては雇用主と労働者の間で膠着状況にあり、2024年以降も継続して議論が続くことが予測されています。労働者の三分の一を超える(37%)が在宅勤務の定着を見込み、引っ越しやペットの飼育など、何らかの生活スタイルの見直しを行ったと回答しています。同様の割合(37%)が、雇用主からオフィス勤務を増やすよう求められた場合には退職を検討すると回答しており、39%が在宅勤務は譲れない条件だと回答しています。

その一方で、三分の一(35%)が半年前に比べてオフィス勤務を多く求められていると回答しており、労働者の要望における実態とのミスマッチが伺えます。

労働者に対する理解

労働者の多くが職場における公平性の改善の責任は雇用主にあると回答している一方、上司がその実態を理解しているとは考えていないよです。全労働者の三分の一近く(29%)が自分たちの世代は理解されていないと感じており、その割合はZ世代では40%にも及びます。労働者の大多数(55%)は職場において本来の自分を隠す必要があり、四分の一(26%)は非難や差別を恐れて自身の考えを共有することができずにいます。五分の一(21%)は職場では普段と違った自分を演じていると回答しています。

調査によると、労働者は昇進に関して雇用主と定期的な話し合いが充分にできているとは感じていません。回答者の三分の一(33%)が少なくとも四半期に一度は上司と昇進についての話し合いの機会を持ちたいと感じているにもかかわらず、全く応じてくれていないと回答しています。

労働者、行動を起こさない傾向に

前年と比べて、労働者は雇用主に対して明確な要求があるにも関わらず、要求が満たされなかった場合に行動を起こすことが難しいと感じているようです。2023年、半数を超える(54%)が、帰属意識を感じられない場合には退職すると回答していましたが、その割合はこの一年間で三分の一近く(37%)も落ち込みました。これは恐らく、2023年に比べて失業を懸念する労働者の割合が増えたことによるものと思われています(45%対37%)。

【サンダー・ヴァント・ノールデンデのコメント】

新たな「人材のABC」が浮かび上がってきています。「Ambition(野心)」「Balance(バランス)」「Connection(つながり)」これらが人材不足の世界における採用推進の鍵となることでしょう。

労働者の野心や動機、優先順位はより細分化され、個人ごとに異なるため、万能なアプローチは存在しません。柔軟な働き方なのか、キャリア志向なのか。学習・能力開発の機会なのか、雇用主は人材と定期的にコミュニケーションをとり、彼らの希望やニーズを把握することが極めて重要です。人材ファーストの考え方を体現し、彼らの個人的な動機や優先順位を真に理解することが、企業の差別化につながるのです。



※英語版調査結果の詳細は、以下リンクより無料でダウンロードいただけます。和訳版レポートにつきましては、3月上旬頃発表予定です。

https://www.randstad.com/workmonitor/


ランスタッドの会社概要

[社  名] ランスタッド・エヌ・ヴィー
[設  立] 1960年10月
[代  表] サンダー・ヴァント・ノールデンデ、ホルヘ・バスケス
[所 在 地] オランダ
[従業員数] 46,000人
[売  上] 3兆9,000億円(275憶6,800万ユーロ) 2022年度実績(12月決算)
[資 本 金]  6,953億2510万円(49億1500万ユーロ) 2022年12月末時点
[事 業 所] 世界39の国と地域
[事業内容] 総合人材サービス
[URL] https://www.randstad.com/

(1ユーロ141.47円換算/ 2022年12月末時点)

ランスタッドについて
ランスタッドは世界最大*¹ の人材サービス会社であり、クライアントから選ばれるパートナーです。私たちは、あらゆる背景を持つ人々に公平な機会を提供し、急速に変化する仕事の世界でも常に求められる存在であり続けられるよう支援しています。私たちは労働市場を深く理解し、クライアント企業が成功するために必要な、高品質で柔軟なワークフォースの実現を支援します。世界中で46,000人の社員が、一人でも多くの人が仕事を通じて真の可能性を発揮できるよう支援することで、社会にポジティブなインパクトを与えています。

1960年に設立されたランスタッドは、オランダのディーメンに本社を構えています。2022年には、39の市場において、200万人以上の人々が心地よく感じる仕事を見つける手助けをし、23万人以上のクライアント企業へ人材ニーズに関するアドバイスを行ってまいりました。約276億ユーロの収益をあげています。ランスタッドN.V.はユーロネクスト・アムステルダムに上場しています。詳細は、ランスタッド・ホールディングスのウェブサイトをご参照ください。www.randstad.com

*¹ Staffing Industry Analysts 2021、人材サービス企業売上ランキングより

<このリリースに関する問合せ先>
ランスタッド株式会社
広報担当
Email:
communication
@randstad.co.jp

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