7割の企業で人材採用のための新たな取り組みを実施、運輸業では8割超

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2017/05/09

 より良い人材を採用するために新たな取り組みをしている企業は7割を超えていることが、帝国データバンクが実施した調査で明らかとなった。業界別で最も多かった「運輸・倉庫業」では8割を超え、切実な人材不足が裏付けられる形となった。

 より良い人材を採用するために、2016年4月以降で新たに取り組み始めたことがある企業は72.2%に上り、「何もしていない」と回答した企業は 26.2%にとどまった。(未回答 1.6%)。

 業界別では、「取り組みを実施している」企業の割合が最も高かったのは運輸・倉庫業で81.0%となった。次いで、建設業(79.8%)、農・林・水産業(77.6%)、小売業(76.7%)、サービス業(75.3%)、製造業(73.6%)が続き、70%を超えた業界は6業界に上った。

 規模別では、大企業で取り組みのある企業が82.3%と8割を超えるのに対して、中小企業69.5%、なかでも小規模企業は59.7%と、規模が小さくなるほど「取り組みを実施している」企業の割合は下がった。

 新たに始めた取り組み内容で最も多かったのは「賃金体系の見直し」(46.6%)で、人材確保のために何らかの取り組みを行っている企業の約半数が実施していた。

 次いで、「就業制度の充実」(23.5%)、「採用情報の発信」(21.3%)、「福利厚生制度の充実」(20.9%)、「自社採用ホームページの公開、リニューアル」(20.8%)の4つがほぼ横並びで続いた。

 取り組み内容のなかで「賃金体系の見直し」の選択率がトップとなった業種は51業種のうち48業種におよび、ほとんどの業界において賃金体系を見直してでも人材を確保したいという意向が高いことが分かった。企業規模別に見ると、企業規模が大きいほど「賃金体系の見直し」の選択率は低かった。
 また、企業にどのような人材を求めているかを聞くと「意欲的である」を選択した企業が最も多く49.0%となった。次いで、「コミュニケーション能力が高い」(38.6%)、「素直である」(32.2%)が続いた。

 人材像を「能動型人材」「協働型人材」「変革型人材」「地力型人材」の4群に分類して集計してみると、1位の「意欲的である」が類型される「能動型人材」よりも、2位の「コミュニケーション能力が高い」や3位の「素直である」が類型される「協働型人材」を選択した企業の方が多かった。

【類型別 企業が求める人材像の選択率】
 協働型 78.4%
 能動型 71.3%
 地力型 38.3%
 変革型 25.8%

 調査は、2017年2月15日~28日、全国の2万3804社を対象に実施し、1万82社の有効回答を得た。
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