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育休明けでもマネージャーになれる。こんな働き方をしている人もいると示したい

奥村 真弓首都圏集中プロセスセンター 契約センター マネージャー

profile
営業職としてキャリアをスタート。その後、初のエリアアドミニストレーターリーダーや育休を経て、障がいを持つ社員を中心に運営する首都圏集中プロセスセンター内の「契約チーム」のリーダーとして立ち上げに参画。2018年から同センターのマネージャーに就任。はじめての育児に奮闘しながら前例のない取り組みに邁進する。

コンサルタントからアドミニストレーターへ

「人に関わる仕事をしたい」。そう希望して就職活動をしていたという奥村。内定をもらった何社かの中から就職先に選んだのは、ランスタッドの前身であるフジスタッフでした。

奥村 「説明会の雰囲気や『人にしてもらいたいと思うことを、人にもしなさい』という理念がすごく身近に感じられて入社しました。京都で営業職として新卒採用されてからずっとコンサルタントをしていましたが、人を商品化してさばいていくような人材会社とは違い、当社は人に寄り添っていると感じていましたし、そう言っていただけることがよくありました」

その奥村に大きな転機が訪れます。それは、世界中が金融危機・経済恐慌に直面した2008年のリーマン・ショック。奥村が担当するクライアントもそのあおりを受け、何人もの派遣スタッフの契約を打ち切らざるを得ない状況に陥ってしまったのです。

奥村 「本当に頑張って長期間働いていた派遣スタッフの契約を切り、それでも売上を上げるために新規の仕事を取らなければいけないという状況が精神的にだいぶこたえてしまって。もちろん派遣社員はそういう時こそ必要な仕事であることは分かっているんですけど……」

コンサルタントとして働き続けることに自信を失った奥村は上司に相談。内勤であるコーディネーター職と兼任という形でコンサルタントの仕事を継続することにします。そうして二足の草鞋で仕事を続ける中、営業職から事務職への異動の打診がありました。

奥村 「大阪のアドミニストレーターが育児休暇に入るということで、お声かけいただきました。当時、大阪に住んでいた今の夫との結婚を予定していたこともあり異動することを決めました。」

登録スタッフの契約や給与、社会保険に関する事務を担当するアドミニストレーター。当時の会社の仕組みでは、アドミニストレーターの業績が評価されにくい構造になっていました。それではアドミニストレーターの意識やモチベーションは上向かない、頑張りは評価されるべきだと感じた奥村は、自らがその構造を打ち破る決意をします。

奥村 「アドミからリーダーが出ればいいんだと思って、『エリアアドミのリーダーになる』という目標を立てました。実際にそれを叶えることで、アドミでもリーダーになれるというモデルラインの一つになったのであれば幸いです。今ではアドミのリーダーも数多くいます」

障がいを持つ社員を中心とする部署のマネージャーとして復職

奥村はその後、東京に異動となった夫に伴い転居。赤坂本社の営業企画に異動することになりました。

現在籍を置く首都圏集中プロセスセンター(以下、CPC)が立ち上がったのは、奥村が育休中の2017年4月。6月に復職予定だった奥村に、その「契約センター」の管理者として白羽の矢が立ったのです。

それまで全国の支店に配置されたアドミニストレーターの事務業務を一手に引き受けることになるCPC。しかもそれを障がいを持つ社員を中心に運営するという、誰も経験したことのないプロジェクトでした。

奥村 「今の上長である伊藤さんから説明を受けた時には、これは本当に大変だと危機感を抱きました。伊藤さんは私が入社時の新卒研修の担当をされていました。当時からすごい方だなぁと思っていましたが、一緒にお仕事をする機会はなくて。伊藤さんの力になれるなら一緒に働かせていただきたいと思い、話を受けました」

しかし奥村は「本当に障がいを持つ社員を主力として運営できるのか」という不安を感じていました。

奥村 「凝り固まったイメージを抱いていましたが、実際に職場の様子を見学してみると、本当に健常者と変わらないというか。事務センターなので女性中心かと思ったんですけど男性がすごく多かったりと、いろいろと想像とは違う印象でした」

現在、契約センターでは奥村を含む4名の健常者と13名の障がいを持つ社員が共に働いています。概ね実務は障がいを持つ社員が担当し、奥村はそのマネジメントを担っています。

奥村 「一言で「障がい」と言っても、いろいろな特性を持たれています。同じ診断名でも症状や配慮が必要な点はそれぞれに異なります。難しさを感じることもありますが、コンサルタント時代に派遣スタッフをフォローしていた経験が活かされています。定期的にフォローしたり、相手に寄り添ったヒアリングで状況を把握したり。その経験がなければちょっと厳しかったかもしれません」

ポテンシャルを引き出す細やかな配慮

業務の指示内容、マニュアルの色や挿絵使い、説明する時間の長さ……。障がいを持つ社員にどうしたら伝わりやすいのか、あるいはどういう表現が相手を傷つけるのか。普段はあまり気にかけることのない細部にまで気を配ります。

障がいを持つ社員の多くは、イレギュラーなことや臨機応変な対応を苦手としています。しかしコロナによる緊急事態宣言が発出された際には、CPC自体が閉鎖になるという、思いがけないイレギュラーな事態に直面することになりました。いきなり全員が在宅勤務を余儀なくされたのです。

奥村 「マニュアルをすべて作り直して、在宅でできるフローに作り変えました。一人暮らしの方は気づかぬうちに体調を崩していることもあり、テレビ会議をつなぎっぱなしにして常に声かけをしながら対応していました。正解はないので、模索しながらやっていますね」

それぞれが異なる特性を持つ、障がいを持つ社員と共に、手探りの運営。しかしCPCに勤める障がいを持つ社員は、現状に高い満足度を感じているようです。

奥村 「無記名アンケートでは、障がいを持つ社員から『今までは実務をする機会が与えられなかった』『今までは差別をいっぱい受けてきた』『これまでで一番長く働けている』『こんなに仕事ができると思わなかった』という声がたくさん寄せられました。ランスタッドと出合ったことが皆の人生において大きなポイントになったのであれば、人材業界に携わる者として本当に嬉しいことです」

営業の現場を知る奥村としては、コンサルタントが営業に集中できるようCPCの業務でアシストしたいという思いがあります。しかし障がいをもつ社員は残業できないことになっているため、たとえ業務が終わらなくてもCPCは18時で終業することに。

奥村 「なるべくコンサルタントに寄り添った対応をしたいと、ずっとメンバーに伝えています。その意識が業務時間内に集約されているのか、コンサルタントからも18時で終了してしまう不便さの中でも契約センターの対応に対して『すごくありがたい』という意見をいただくことが多くて、貢献できているのではないかと感じています」

活躍と成長を後押しする環境づくり

CPCには、「私はこれができない、あれもできない」と言って入社する障がいをお持ちの社員がたくさんいます。しかし実務をこなし感謝される経験を積み重ねることで、「自分はできる」と自信をつけていく人を数多く見てきました。

奥村 「『やってみたい』という希望があれば、ジョブローテ―ションでどんどん新しい業務にチャレンジする機会を設けるようにしています。そうすることで、さらに『こんなこともできた』と可能性を感じてくれていると思います。

一方で、さまざまな特性の方が理解・対応できる「マニュアル化した業務」であるのは事実。自分で判断して自分からアクティブに取り組みたい方には物足りない環境かもしれません。合う・合わないもありますので、そういう方には更新面談の時などに『あなたが望む働き方やあなたの性格には、他に道があるのではないか』ということも正直に話しています」

ランスタッドでは、障がいを持つ社員であっても他のキャリアや職種の公募に自分から手を挙げるチャンスがあります。たとえ障がいがあっても「お手伝い的な業務」ではなく「主として業務を担当する」ことができる。どんな人にも可能性は広がっている。CPCでそれを形にしつつ、奥村自身も「育児をしながら、在宅と出勤を交えながらマネージャーができる」という働き方を体現しています。

奥村 「不在にすることもある中で、指揮命令者がいなくてもマニュアルを読めば業務が進む、不安があればいつでもチャットできる、という環境を整えています。私の業務はリーダーのメンバーにはほとんど共有しておき、いつ何があっても流れが止まらないようにしています」

毎日のように保育園からのお迎えの呼び出しに対応していた時期や、子どもの入院・看護のために突然一週間の休暇を取らなければならなくなったこともありました。

奥村 「契約センター業務は止めることができません。自分しかできない仕事はできる限りないよう心掛け、チーム全体もその意識で運営しています。チームとして業務シェアをすることでチーム全体のスキルアップができますし、メンバーに頼れる環境を作ることがメンバー皆の仕事とプライベートの両立につながると思います」

かつてアドミニストレーターのキャリアアップの道筋を切り開いたように、自身の進む道を道標として後進に示せるように。ランスタッドの事業の成長をCPCの円滑運営で支えながら、多様な時代の働き方を体現し続けています。

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