AI、RPA導入の成果と課題  労政フォーラムで先進企業が報告

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2019/03/25

 労働政策研究・研修機構の労働政策フォーラム「デジタルエコノミーの進展と働き方の変化」が25日、都内で開かれた=写真。日本は2017年3月、政府が「働き方改革実行計画」の中で打ち出した「Society5.0の実現」が政策課題となっているが、実際には個々の企業の取り組みに任されているのが実情だ。

n190325.png この日は、同機構の濱口桂一郎研究所長が「デジタル化と第4次産業革命」について問題提起し、山本陽大副主任研究員が第4次産業革命の「生みの親」とされるドイツと日本の労働法政策の比較研究を報告した。

 先進事例として、ショッピングセンターチェーンのベイシアの重田憲司・流通技術研究所長、医療用品のフジモトホールディングスの塚本隆広・情報システム室課長、パーソルテンプスタッフの矢頭慎太郎・RPA推進室長の3人が、自社の取り組みを報告した。

 重田氏はAIを使ったレジ混雑予測システム、塚本氏はバックオフィス部門へのRPA導入、矢頭氏は全社的なRPA導入について、各社の狙いと成果について説明。3氏とも、導入の成否に対して「現場レベルでの納得感の有無」がカギになることを強調した。

 ドイツが国家政策としてITを企業と労組との集団的労使関係の中に組み込んでいるのに対して、産業別労組のない日本では企業内部の労使関係や職場のコミュニケーションから出発している点が大きな違い。「AIは人間の労働を奪う」など、さまざまな予測が出ている中で、報告した3社は導入による成果が着実に現れていることがうかがわれ、収益や働き方改革に企業格差をもたらしつつあるようだ。

配信元:アドバンスニュース

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