改正労働契約法「無期労働契約への転換」の内容を知らない人が依然6割超

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2018/07/18

 改正労働契約法の「無期労働契約への転換」の内容まで知っていた人は3割程度にとどまっていることが、日本労働組合総連合会(連合)が実施した「有期契約労働者に関する調査」で分かった。

 有期契約労働者を対象に2013年4月(一部は2012年8月)に施行された改正労働契約法の「無期労働契約への転換(第18条)」の内容を知っていたか聞くと、「ルールの内容まで知っていた」は31.7%(昨年15.9%)。

 「ルールができたことは知っているが、内容までは知らなかった」は37.0%、「ルールができたことを知らなかった」は31.3%で、合計した「内容を知らなかった(計)」は68.3%(昨年は84.1%)となった。

 「不合理な労働条件の禁止(第20条)」について聞くと、「ルールの内容まで知っていた」は17.5%(昨年は12.3%)で昨年より5.2ポイントの上昇となった。

 一方、「内容を知らなかった(計)」(「ルールができたことは知っているが、内容までは知らなかった」35.2%と「ルールができたことを知らなかった」47.3%の合計)は82.5%と8割以上だった。

 2018年4月以降の無期転換申込権の発生状況を聞くと、「無期転換申込権対象者となっている」は17.5%、「無期転換申込権はまだ発生していない」が36.2%、「無期転換申込権があるか、ないか、わからない」が46.3%となった。

 無期転換申込権を持っている175人について、無期転換の申し込み状況をみると、「無期転換を申し込んだ」が26.9%、「無期転換を申し込んでいない」が73.1%となった。

 全回答者に、「無期労働契約への転換(第18条)」についての考えを聞くと、「契約期間が無期になるだけで待遇が正社員と同等になるわけではないから意味が無い」では、「非常にそう思う」が22.1%、「ややそう思う」が35.6%で、合計した同意率は57.7%となった。

 一方、「無期契約に転換できる可能性があるのでモチベーションアップにつながる」では、「非常にそう思う」が9.0%、「ややそう思う」が32.0%で、同意率は41.0%だった。

 「有期契約で働くことになった状況」を聞くと、「自ら進んで(に近い)」(「近い」と「やや近い」の合計、以下同様)が57.9%、「正社員になれなくて(に近い)」が28.3%、「どちらともいえない」が13.8%となった。

 「現在の働き方・雇用形態の満足度」を聞くと、「満足(に近い)」が42.8%、「不満(に近い)」が29.8%、「どちらもといえない」が27.4%となった。

「今後の働き方・雇用形態の希望」を聞くと、「このままでよい(に近い)」が45.2%、「正社員になりたい(に近い)」が29.9%、「どちらともいえない」が24.9%となった。

 調査は、2018年5月16日~17日、全国の20歳~59歳の有期契約労働者(週20時間以上労働する民間企業の有期契約労働者)を対象にインターネットで実施し、1000人の有効サンプルを集計した。

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