2018年新入社員「働き方は人並みで十分」が過去最高の6割、「好んで苦労することはない」も過去最高3割

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
閉じる
2018/07/06

 2018年の新入社員は「働き方は人並みで十分」と考える人が過去最高の6割超えとなったことが、日本生産性本部が実施した「働くことの意識」調査で分かった。

 「人並み以上に働きたいか」と聞くと、近年増加傾向にある「人並みで十分」が61.6%と初めて6割を超え過去最高を更新した。「人並み以上」は減少を続け31.3%と過去最低レベルに低下し、両者の差は調査開始以来最大の30.3ポイント(前年度22.7ポイント)に開いた。

 「若いうちは自ら進んで苦労するぐらいの気持ちがなくてはならないと思うか。それとも何も好んで苦労することはないと思うか」と聞くと、2011年度から「好んで苦労することはない」が増え続け、今年度は34.1%と過去最高となっている。

 逆にその間、「進んで苦労すべきだ」は約20ポイント以上減っている。

 「働く目的」で最も多い回答は、2000年度以降急増している「楽しい生活をしたい」で、過去最高水準を維持し41.1%となった。次いで、「経済的に豊かになる」も近年上昇しており30.4%と過去最高を記録した。

 一方、かつてはバブル期を除いてトップになることもあった「自分の能力をためす」は減り続け、10.0%と過去最低を更新した。平成に入って増加していた「社会に役立つ」は近年低下が目立ち8.8%にとどまった。

 「仕事」中心か「(私)生活」中心か聞くと、常に「両立」という回答が多数を占めるが、今年度も78.0%と多数を占めた。

 残りの「仕事」中心と「(私)生活」中心、という回答に注目すると、「(私)生活」中心という回答が15.2%となり、「仕事」中心(6.7%)を上回った。その差は8.5ポイントと前年度より広がっており、プライベート優先志向が強まっている。

 「どのポストまで昇進したいか」と聞くと、最も多かったのは「どうでもよい」(17.4%)で、前年度まで1位だった「専門職<スペシャリスト>」(20.3%)は16.5%に減少した。一方、「社長」という回答は10.3%で過去最低となった。
 男女別にみると、男性で最も多いのは「部長」(23.1%)、次いで「重役」(21.3%)だった。一方、女性は「どうでもよい」23.1%、次いで「専門職」(21.7%)となる。

 女性の「専門職」という回答は、昨年の28.0%から21.7%へと6.3ポイント減少し、具体的に明示されない「役職にはつきたくない(12.7%)+どうでもよい(23.1%)」という回答は35.8%に上った。

 調査は、2018年3月12日~4月30日、日本生産性本部が主催する新入社員研修に参加した企業の新入社員を対象に実施し、1644人の有効回答を得た。(男性943人/女性700人/性別無回答1人)

ログアウト