2018年度に正社員の採用予定がある企業6割超の高水準、採用予定のない企業は13年ぶりの低水準

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2018/03/29

 帝国データバンクの調査によると、2018年度に正社員の採用予定がある企業は4年連続で6割を超えた。一方、採用予定のない企業は8年連続で減少し、13年ぶりの低水準となった。

 2018年度(2018年4月~2019年3月入社)に正社員(新卒・中途入社)の「採用予定がある」(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)と回答した企業は65.9%となり、 前回調査(2017年2月実施)を1.6ポイント上回った。

 採用予定のある企業は4年連続で6割を超え、リーマン・ショック前(2008年3月)に調査を実施した2008年度(62.2%)を上回る水準となった。

 「採用予定はない」は23.5%(前年比2.7ポイント減)となり、2011年度以降8年連続で減少し、13年ぶりの低水準となった。

 規模別にみると大企業では、2018年度に正社員の「採用予定がある」と回答した企業が84.0%にのぼり、調査を開始した2005年度以降で最高を更新した。大企業の採用予定は2002年1月から2008年2月まで続いた戦後最長の景気回復期を上回る水準だった。

 「中小企業」は61.3%と2年連続で上昇し11年ぶりに6割を超えた。

 非正社員(新卒・中途入社)の「採用予定がある」(「増加する」「変わらない」「減少する」の合計)と回答した企業は52.4%となった。「採用予定はない」(35.0%)と 回答した企業は前回調査(38.6%)を3.6ポイント下回った。

 非正社員の採用予定は2016年度以降2年連続で減少していたが、ここにきて非正社員に対する採用意欲が強まってきたと言える。

 特に「飲食店」では9割、「娯楽サービス」、「飲食料品小売」は8割を超える企業で採用を予定している。

 2018年度の正社員比率は、2017年度と比較して「上昇する(見込み含む)」と回答した企業が20.7%で、「低下する(見込み含む)」(5.2%)を15.5ポイント上回った。

 正社員比率が「上昇する」割合は、2010年と比較して9.0ポイント上昇しており、2018年度は雇用形態において正社員化が一段と高まっていくとみられる。
 正社員比率が上昇する要因は「業容拡大への対応」が51.5%と半数を超え、最も高かった。次いで、「退職による欠員の補充」(37.3%)と「技術承継などを目的とした正社員雇用の増加」(31.3%)が3割台で続いたほか、「非正社員から正社員への雇用形態の転換」(28.3%)も3割近くの企業が要因にあげた。

【正社員比率の上昇要因 トップ5】
1位 業容拡大への対応 51.5%
2位 退職による欠員の補充 37.3%
3位 技術承継などを目的とした正社員雇用の増加 31.3%
4位 非正社員から正社員への雇用形態の転換 28.3%
5位 人手不足による非正社員の減少で相対的に上昇 18.0%

 調査は、2018年2月15日~28日、全国の2万3173社を対象に実施し、1万70社の有効回答を得た。
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