中小企業の48.6%が「人材不足」 医療・福祉、情報通信、建設、飲食・宿泊業は6割超

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2017/02/28

 中小企業の経営者の48.6%が「人材が不足している」と回答したことが、産業能率大学(東京・世田谷、浦野哲夫学長)の調査で明らかとなった。

 中小企業の経営者を対象に現在の従業員数の充足状況を聞くと、約半数の48.6%が「不足している」と回答した。

 業種別では、医療・福祉(69.0%)、情報通信業(62.8%)、建設業(61.6%)、飲食店・宿泊業(61.1%)では「不足している」と答えた経営者が6割を超えた。

 2017年の業績は、「良くなる」が全体の36.3%(「大幅に良くなる」5.1%+「やや良くなる」31.2%)、「悪くなる」が16.2%(「大幅に悪くなる」2.9%+「やや悪くなる」14.1%)となり、「良くなる」が「悪くなる」を19.4ポイント上回った。

 業種別に見ると、運輸業と教育・学習支援業では「悪くなる」が「良くなる」を上回っており、厳しい見方をしている。

 2017年の経営活動に影響を与えそうな要因は、「人材の不足」(36.0%)、「国の政策の変化」(24.8%)、「国際情勢の悪化」(20.0%)などとなった。

【2017年の経営活動に影響を与えそうな要因】
1位 人材の不足 36.0%
2位 国の政策の変化 24.8%
3位 国際情勢の悪化 20.0%
4位 需要の不足 19.8%
5位 業界構造の変化 17.4%

 2017年に経営者として最も取り組みたいことは「国内の販路拡大」(14.5%)が最多となった。

 前年調査と比較すると大きく上昇したのは「従業員満足度の向上」(1.6ポイント増)、「海外の販路拡大」(1.5ポイント増)、「新規事業への進出」(1.2ポイント増)だった。

 一方、下落したのは「営業力の強化」(3.1ポイント減)、「顧客満足度の向上」(2.6ポイント減)、「利益率の向上」(1.0ポイント減)だった。

 産業能率大学では、この結果に対して「人材の確保が厳しい状況であるなか採用だけではなく従業員満足度を高めることで人材の流出を防ぐとともに、明るい業績見通しを背景に国内だけでなく海外にも販路を見出していきたいとする中小企業経営者の意識の変化が読み取れる」と分析している。

 調査は、2016年11月11日~18日、従業員数6人以上300人以下の企業の経営者を対象にインターネットで実施し、661のサンプルを得た。

配信元:日本人材ニュース

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