残業上限の具体策で議論開始  政府の働き方改革実現会議

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2017/02/01

 関係閣僚と有識者で構成する働き方改革実現会議(議長・安倍晋三首相)は1日、首相官邸で第6回会合を開き、同会議が掲げるテーマの中心となる長時間労働の是正について議論を本格化させた。政府は、労働基準法36条に基づき、制限のない残業を事実上認めている労使協定「36(サブロク)協定」に、罰則付きの残業上限を設けることを検討中。この日、同会議の各議員から提出された意見や提案資料などを踏まえて具体策を詰め、他の検討テーマなどを含め、3月下旬に「実行計画」を取りまとめる方針だ。

 会合では、同一労働同一賃金と長時間労働是正の2点を議題とした。前者は、昨年12月20日に政府が同会議に示したガイドライン案と法整備に関する継続案件。後者は新たなテーマで、政府は残業時間の上限を年720時間、月平均60時間、繁忙期には例外として月100時間までの残業を認める罰則付きの案を模索している。今月中旬開催予定の次回会合で議論を深める見通し。

 同会議は、議論するテーマとして(1)同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、(2)賃金引き上げと労働生産性の向上、(3)時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正、(4)雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題、(5)テレワーク、副業・兼業などの柔軟な働き方、(6)働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備、(7)高齢者の就業促進、(8)病気の治療、子育て・介護と仕事の両立、(9)外国人材の受け入れの問題―などを挙げている。

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