違法な時間外労働で調査事業場の4割以上に是正勧告

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2017/01/23

 厚生労働省が長時間労働などが疑われる事業場に監督指導を行った結果によると、4割以上の事業場で違法な時間外労働が行われていたことが分かった。

2016年4~9月に重点監督を行った1万59事業場のうち、何らかの労働基準関係法令違反が見つかったのは6659事業場(全体の66.2%)だった。業種別では「接客娯楽業」(75.0%)、「運輸交通業」(72.7%)、「製造業」(71.5%)で7割を超えた。

 主な違反内容は「違法な時間外労働」(4416事業場、43.9%)、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」(1043事業場、10.4%)、「賃金不払残業」(637事業場、6.3%)など。

 違法な時間外労働があった4416事業場において1カ月当たりの残業時間が最も多い従業員を確認したところ、半数以上の事業場が「100時間超」(2419業場)で、そのうち489事業場が150時間超、うち116事業場が200時間超となっている。

◆違反事例

 脳・心臓疾患を発症させた労働者について、36協定で定める上限時間(特別条項:月80時間)を超えて発症前の直近6カ月平均で月92時間の違法な時間外労働を行わせるとともに、この労働者以外の労働者についても、21人の労働者に対し、36協定で定める上限時間を上回る月100時間を超える違法な時間外労働を行わせていた。違法な時間外労働は、最も長い労働者で月約200時間となっていた。(情報処理サービス業)

 労働者の時間外労働を36協定で定める上限時間(特別条項:月120時間)以内に抑えるため、労働時間を管理する役職者によるタイムカードの不正打刻が行われていた。その結果、月120時間を超える違法な時間外労働を11人の労働者に行わせ、かつ、過少に打刻された分の割増賃金を支払っていない事実が認められた。(製造業)

 自動車運転者4人について、36協定で定める上限時間(月125時間)を超えて、違法な時間外労働(最も長い労働者で月約160時間)を行わせるとともに、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)を超えて労働を行わせていた。(引越業)

配信元:日本人材ニュース

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