教育研修予算を増やした企業が5割超、社員1人当たり4万4892円

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2016/10/24

 2016年度予算の対前年比をみると「増加した」とする企業が54.6%(前回調査48.7%)で半数を超えた。減少した企業は25.5%(同32.7%)、増減なしの企業は19.9%(18.6%)だった。

 予算が増加したと回答した企業の平均増加率は33.4%で、増加率の分布をみると「20~40%未満」が28.6%となるなど、前回と比べて増加率は高い傾向にある。

 従業員1人当たりの2015年度教育研修費用の実績額は3万5662円で、前回調査と比較して約1200円減少した。2016年度予算額は4万4892円となっている。

 2015年度の実績額を規模別にみると、従業員1000人以上の大手企業では4万6434円、300~999人の中堅企業では3万7326円、299人以下の企業では2万4613円となっており、規模によって差がある。前年と比較すると、教育研修費用の実績額は中堅企業では前回調査より増加している。

 2016年度の予算で実施する予定の教育研修は、階層別教育では例年どおり「新入社員教育」の実施率がもっとも高く93.5%となった。次いで、「新入社員フォロー教育」77.5%、「初級管理者教育」75.1%、「中堅社員教育」74.0%。

 職種別・目的別教育では、「OJT指導員教育」49.1%、「選抜型幹部候補者教育」42.0%などの実施率が高くなっている。前回調査で高かった「メンタルヘルス・ハラスメント教育」(前回調査47.4%)や「CSR・コンプライアンス教育」(同40.7%)は、社内での一定の周知・教育ができたためか今回調査では若干減少している。

 選抜型リーダー育成制度を「導入している」企業は38.2%(2012年調査37.7%)、「導入を予定、または検討中である」企業は13.3%(同11.3%)で、合わせて5割強となった。

 選抜型リーダー育成候補者の要件となっているのは「人事・業績評価で一定レベル以上の評価をされたもの」が66.3%で最も高く、次いで「役職」61.1%、「年齢」37.9%となっている。「人事・業績評価で一定レベル以上の評価をされたもの」は2012年の調査で4割弱だったのが、今回の調査では28ポイントも上昇した。

 選抜型リーダー育成制度の課題・問題点で最も割合が高かったのは、「選抜が難しい(人選に課題がある)」48.1%である。次いで「育成に費用・時間がかかる」42.0%、「他の人事・教育制度との連携が難しい」25.9%などとなっている。「効果について疑問がある」も24.7%と、約4社に1社が指摘しており、なかなか効果が実感できていないところもあるようだ。

 調査は、2016年6~8月、上場企業と産労総合研究所の会員企業から任意に抽出した約3000社を対象に郵送のアンケート調査を実施し、締切日までに回答のあった176社を集計した。

配信元:日本人材ニュース

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