8割の企業では、定年後の継続雇用者の仕事内容は変化なし

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2016/07/08

 8割の企業では、定年後の継続雇用者の仕事内容に変化がないことが、労働政策研究・研修機構の高年齢者の雇用に関する調査で分かった。

 調査結果によると、60代前半層(60歳以上64歳以下)の継続雇用者の仕事内容について、「定年前とまったく同じ仕事」が39.5%、「定年前と同じ仕事であるが、責任の重さが変わる」が40.5%となり、8割の企業が定年前後で仕事の内容が変わらないと回答している。

 一方、「定年後でも仕事が同じなら原則、賃金は下げるべきではない」という見解について肯定的な企業は34.4%となっている。

 「定年前とまったく同じ仕事」の割合は企業規模が大きいほど低下し(100人未満:42.9%、1000人以上:26.6% )、 「定年前と同じ仕事であるが、責任の重さが変わる」の割合は企業規模が大きくなるほど上昇する(100人未満:36.0%、1000人以上:50.0%)。

 60代前半層の自社のフルタイム勤務の継続雇用者について、平均的な年収(賃金・賞与、企業年金、公的給付を含む)を聞いたところ、「300万円以上400万円未満」(27.1%)が最も多い。

 次いで「200万円以上300万円未満」(15.6%)、「400万円以上500万円未満」(15.0%)で、平均値は、376.7万円だった。

 今後の高年齢者の賃金制度のあり方については、「評価制度に基づき賃金を決めるのが望ましい」が56.8%で最も多かった。

 60代前半層の継続雇用者の雇用形態は、「嘱託・契約社員」が60.7%で、「正社員」は34.2%となっている。

 業種による雇用形態の違いは大きく、「運輸業」(50.1%)、「建設業」(48.3%)は約半数が「正社員」だが、「金融・保険業」の「正社員」は9.4%にとどまる。「金融・保険業」は業種別では唯一「グループ・関連会社等で継続雇用」(17.2%)が1割を超えている。

 調査は、2015年7月に実施し、6187社から回答を得た。

配信元:日本人材ニュース

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