【ランスタッド・ワークインサイト】企業のダイバーシティ推進に関する調査

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2018/03/05

2017年第4四半期  ランスタッド・ワークインサイト 調査結果ポイント



①「勤務先のダイバーシティ推進度」20代女性が最も重要視する傾向に

②ダイバーシティの重要度について「どちらとも言えない」「わからない」が全体では約半数

③「職場のダイバーシティ推進」を牽引している業種NO.1は「金融業・保険業」

④「労働力人口減少への対策」としてダイバーシティを推進しているのは「運輸業・郵便業」






「ダイバーシティ推進」に関する調査結果

①「勤務先のダイバーシティ推進度」20代女性が最も重要視する傾向に

「勤務先がダイバーシティ推進に取り組むこと」を「大切と考える」と答えた割合は20代女性が54.5%と全体の39.1%に比べ15イント以上も高い結果となり、属性別にみると最も重視する傾向が明らかになりました。

近年の売り手市場と働き方改革推進の影響から、企業を選ぶ基準は多様化しています。特にライフイベントにより働き方を変える可能性がある若年層の女性にとって、福利厚生等と合わせて「勤務先のダイバーシティ推進」は重要な要素であることがうかがえます。(RRI所長・中山)。




②ダイバーシティの重要度について「どちらとも言えない」「わからない」が全体では約半数

「勤務先がダイバーシティ推進に取り組むこと」について、「どちらとも言えない」、「わからない」と答えた割合は全体の50.4%という結果に。日本において、勤務先のダイバーシティ推進に対する関心が低いという実態が明らかになりました。




③「職場のダイバーシティ推進」を牽引している業種NO.1は「金融業・保険業」

「勤務先がダイバーシティ推進に積極的に取り組んでいるか」という質問に対して「積極的に取り組んでいる」と答えたのは「金融業・保険業」が35.9%と2位「情報通信業」23.0%に10ポイント以上の差をつけました。

ダイバーシティの推進度が高い金融業界ではどのような取り組みが行われているのかフィデリティ投信株式会社に実態を伺ったところ、13カ国にコミュニティを持つ「Fidelity For Everyone」という委員会を設置し、毎月各国の状況を共有し合いながらグローバルでダイバーシティの推進に取り組んでいることがわかりました。具体的な取り組みとして、「FED Talk (Fidelity Embrace Diversity)」と称した従業員による自主的なスピーチ大会を毎年開催。ダイバーシティに対する従業員の意識の向上を図っています。特に「働き方の多様性(時短勤務等)」「ジェンダーにおける多様性」「働く場所の多様性(リモートワーク等)」「性的指向・性自認における多様性(LGBT)」を推進しており、例えば「性的指向・性自認における多様性(LGBT)」の場合、外部講師を招き学び合う場を設けたり、LGBT団体のイベントへの参加、性別を問わないトイレの設置などの取り組みを行っています。



フィデリティ投信株式会社
ヘッドオブセールスサポート クライアントサービス・セールスサポート部 藤田 薫 氏
執行役員 人事部長 余語 裕子 氏

弊社では「Building a better future」をグローバルな会社のビジョンとしております。世界25カ国・地域以上でビジネスを展開しておりますため、お客様をよく理解しより良いサービスをご提供するためにもダイバーシティへの取り組みは非常に重要です。また、ダイバーシティの推進によって、様々なバックグラウンドを持った社員から意見が飛び交うことで、時には互いに衝突することもあると思いますが、それらを乗り越えて理解を深め合う過程の中で、イノベーションが喚起されると考えています。今後も、社員一人一人が最大限の能力を発揮できるような職場環境づくりに取り組んで行きたいと考えています。



一方、自由回答形式の「ダイバーシティ推進の取り組みが進んでいる企業のイメージ」では「金融業・保険業」の企業名が挙がらず、実態と働き手の持つ業界のイメージにはギャップがあることも明らかになりました。




④「労働力人口減少への対策」としてダイバーシティを推進しているのは「運輸業・郵便業」

「勤務先がダイバーシティを推進する理由」を聞いたところ、「労働力人口の減少に対応するため」と回答したのは「運輸業・郵便業」が全体と比較すると3倍近く多いことが明らかになりました。厚生労働省が発表した2017年11月の新規求人(原数値)を産業別に見ると運輸業・郵便業が前年同月比12.7%増と、全体の5.5%を大きく上回り、最も増加していま す。

このことからも、「運輸業、郵便業」での人材不足が深刻化しており、ダイバーシティ推進を「労働力人口減少に対応するため」という回答が他業種と比べ、圧倒的に多かったこともうなずけます。




■ランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI) 所長  中山悟朗

平成28年に閣議決定した「ニッポン一億総活躍プラン」をベースに、日本ではここ数年、全員参加型の社会の実現のために官民あげて様々な取り組みを行っています。その甲斐もあり、総務省が今年1月にまとめた「女性の労働力人口比率」では、年齢別の労働力率の浮き沈みを表すいわゆる「M字カーブ」が、欧米諸国に近い「台形」に変化しつつあることが分かりました。一般的に女性は30代の子育て期に離職し、40代で復帰するために「M字カーブ」が起こるとされてきましたが、子どもを育てながら働き続けられる環境が整いつつあることが分かります。

本調査では、特に20代の女性が「勤務先のダイバーシティ推進」を重視している結果でしたが、世の中の流れを背景に、該当する層が将来子育てをしながら働き続けることを念頭に勤務先を吟味していることの表れであるように思います。逆に言うと、働き続けられる環境が整わない職場では、今後ますます人材の獲得に苦労することになるでしょう。

「ダイバーシティ推進」を、労働力の維持として取り入れているのが前述した「運輸業・郵便業」です。ここ数年、週休3日制の導入や、個別配送に短時間勤務の主婦層を採用するなど、独自の人材獲得施策を実行しています。運輸業=長時間労働という業界のイメージ払拭に繋がれば、人材を業界へ呼び込むことも期待できます。

他方で「労働力減少への危機感」ではなく、「イノベーション喚起」としてダイバーシティ推進に取り組む傾向が見られたのが「金融業・保険業」です。多様な人材が集まることで社内が活性化するだけでなく、多様性が育む新たな発想から、今までなかった価値あるサービスを生み出す可能性も広がります。単一人種、男性中心など、画一的になりがちな日本だからこそ、グローバルで存在感をだすためにもダイバーシティ推進が重要と言えます。




ランスタッド・ワークインサイト(Randstad Work Insight)について

ランスタッド・ワークインサイトは、2017年6月のランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)の設立に伴いスタートしました。国内の労働者を対象に年4回実施され、日本国内の景況感に関する定点調査と、時期やトレンドに合わせたトピックに関する調査を通して、労働市場が抱える問題の提起や、回答から導き出される糸口を独自の洞察を交えて発表します。



調査対象: 20歳から69歳までの一般企業に勤務する方(正社員・契約社員)および公務員・団体職員
調査エリア: 日本全国
サンプル数: 1,800名
調査期間: 2017年11月20日(月)~11月21日(火)
調査方法: インターネットによるWebアンケート形式

※本調査では、ダイバーシティを「人材の多様性」、「ダイバーシティ推進」=人材の多様性を実現するために様々な人材の受け入れや活躍が可能となる人事制度や風土作りにおける環境整備などの取り組みをさします。

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