【ランスタッド・ワークモニター】海外に比べ日本の働き手の内向き志向が顕著に

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2016/04/27

日本の働き手は、世界と比べ「海外勤務」や「異文化の集う職場」で働くことに消極的
一方、30代後半~40代前半の女性の働き手は、海外へ高い関心を示す

世界との比較結果

■ 世界と比べ「海外勤務」や「海外出張の機会がある仕事」への意欲が約2割低い
■ 様々な国籍の同僚たちとの仕事等、異文化の集う職場環境への関心はグローバルで最下位

日本の働き手の調査結果

■ 35~44歳の女性の働き手は、海外勤務への意欲が高く、実際に海外出張する割合も高い

調査結果 概要

世界と比べ「海外勤務」や「海外出張の機会がある仕事」への意欲が約2割低い

「海外で働くことに関心がある」、「自分に適した仕事のために海外に引っ越しても構わない」の問いに、世界の働き手の半数以上が同意したのに対し、日本では約3割の同意に留まりました。

また、「海外出張のある仕事に就きたい」に同意したのは、トップのメキシコやインドが87%に達したのに対し、32.3%と34の国と地域の中で最も低く、日本の働き手の内向き志向が改めて浮き彫りになりました。

様々な国籍の同僚たちとの仕事等、異文化の集う職場環境への関心はグローバルで最下位

「様々な国籍/文化をバックグラウンドに持つ同僚と働きたい」の問いに、グローバル平均75.2%、トップのチリとメキシコの働き手95.3%が同意したのに対し、日本の同意は40.7%で、調査国の中で最低の結果でした。国内でも社内外でグローバル化が進んでいますが、職場のグローバル化にはまだまだ消極的である働き手の意識が明らかになりました。

35~44歳の女性の働き手は、海外勤務への意欲が高く、実際に海外出張する割合が高い

海外勤務、異文化の集う職場環境への意欲が極端に低い日本の働き手。一方、35~44歳の女性のミドル層は意欲が高く、また実際に海外出張のある仕事に従事する割合が高いことが分かりました。この層の女性が海外にチャンスを見出す傾向が見うけられます。



ランスタッド株式会社  代表取締役社長 兼 COO  猿谷 哲 のコメント

語学力・海外勤務の意識の高い人材を求める企業側のニーズは増加傾向であるのに対し、日本の働き手の関心が著しく低いことが顕著となりました。もともと控えめな日本人の国民性や語学力の問題のほか、日本とは異なる海外での生活環境、安全面への不安も理由として考えられます。

その一方で、今回の調査において日本の35~44歳のミドル層の女性の海外への意識の高さが明らかになりました。日本の女性管理職比率は11.2%で、アメリカ(43.4%)、フランス(36.1%)など他の先進国と比べ依然として低い数値です1。今回の結果は、キャリアを形成しづらい国内の状況から、海外でチャンスを見出したいという女性たちの気持ちの表れかもしれません。

4月1日から施行された「女性活躍推進法」、政府が進める「一億総活躍社会」の取り組みでは、女性の活用・活躍が要求されていますが、女性が活躍できない理由には、長時間勤務により会社へロイヤリティとキャリアへのコミットメントを示す日本独特の働き方にあるとも言われています2。企業は熾烈なグローバル競争を勝ち抜くためにも、働き方の改革を推し進め、社内の意識の高い層が活躍できる風土を作っていくべきではないでしょうか。

※1「データブック国際労働比較2015」 労働政策研究・研修機構
※2「Japan Policy Brief: Inequality」 OECD

ランスタッド・ワークモニターについて

ランスタッド・ワークモニターは、2003年ランスタッドの本社のあるオランダでスタートし、現在は欧州、アジアパシフィック、アメリカ大陸の世界34の国と地域で行われています。ワークモニターは年4回実施され、労働市場の動向に関するグローバルトレンドを調査しています。本調査はオンライン上で行われ、18-65歳の週24時間以上の勤務をする労働者を対象にしています(自営業を除く)。今回の調査期間は2016年1月13日~29日でした。

調査実施国: アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、シンガポール、スロヴァキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、オランダ、英国、米国
以上34の国と地域
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